◆みんなで地域をアクティブにするまちづくり◆
皆さんこんにちは!甲府市学生レポーターとして活動している、山梨県立大学国際政策学部4年の権守七映です。
新年を迎えたのも束の間、今年ももう2月ですね!冷たく澄んだ空気が、空のグラデーションをより一層きれいに見せるこの季節、皆さんはいかがお過ごしですか?
第2弾では、デイビットプルーカさん(以下デイブと記載)の事業に対する想いや、ゼミ活動についてお話します。
突然ですが、皆さんは「帯那」という地域を知っていますか?
「帯那」は、山梨県甲府市北部の中山間地に位置する地区です。過疎化が進んでいて、現在の人口は600人ほどだと言われています。しかし、神々が住む雲山に守られ、あたたかな住民が暮らし支え合うこの地域は、訪れるだけでもヒーリングになる素敵な場所です。
【Obina Brewingから見える景色】
そんな地域に、Obina Brewingというクラフトビールの醸造所が創設されました。
デイブが時間をかけて友人や学生たちと共に作り上げてきた、私にとっては聖地です。
現在は、甲府市丸の内のボランティア通りに開店した、Obina Ale House(オビナ・エール・ハウス)で提供するクラフトビールを醸造しています。
東京の高校で英語を教えていたデイブは、帯那地域の土地柄に惹かれ、実際に帯那で暮らし、住民と親しくなるなかで、深刻な少子高齢化の現実を知ったそうです。そこで地域に根ざしたクラフトビールを自ら作り、この地を多くの方に知ってもらい、足を運んでもらおうと考え、家族全員での移住を決意したそうです。建物のDIY、学生とのホップ作り、クラフトビールの研究。ひとつひとつ自らの手で着実に進め、デイブの夢は少しずつ形になっていきました。今ではデイブの造るクラフトビールは帯那の味として、デイブの想いとともに広がっています。
現在デイブは山梨県立大学の学生を対象に、地域活性化に取り組む実践的なゼミを開講しています。私はその一員で、前期には甲府市丸の内エリアの観光マップ作りに取り組みました。
【ゼミのメンバーと話し合う様子】
甲府市には駅周辺や商店街のマップはありましたが、丸の内エリアの専門マップはありませんでした。そこで私たちは、Ale Houseを拠点に歩いてまわることのできるエリアマップを、日本語と英語で作成しました。
【作成した丸の内グルメマップ】
手軽に持ち歩くことができるようにB5サイズで作成しました。
こだわったポイントは、その時の気分で行き先を決められるコーナーと、提供しているものの説明を簡単に添えたところです。また、QRコードを読み取るとマップが起動する仕組みも取り入れました。お店の名前や住所が分からなくても、街を歩きながら気分に合ったお店に辿り着けるマップを目指しました。
実際にまちを歩くと沢山の発見がありました。例えば、丸の内エリアには多くの多国籍料理店があります。また、タコの形をした滑り台のある公園が、昔は甲府藩のご金蔵だったりします。丸の内には奥深い場所が沢山あります。
私自身、大学生のうちにこの辺りの散策しておけば良かったと大変後悔しています。
だからこそこのマップが観光客や市内の方が丸の内エリアを訪れるきっかけとなり、Obina Ale Houseが地元に根づくお店として広く知られていくことを願います。
「まちづくりは、みんなで地域をアクティブにすること。」デイブはいつもそう話します。また、「帯那は日本中で起こっている社会問題を代表している。学生にとってクラフトビールは値段が高いけれど、関わってもらいたい。故郷になにもないから東京へ行くというのは、悲しいことだと思う。」と語っています。
そんなデイブと私たちの教室は、Obina Ale Houseの2階にあります。
いつかこの場所が、地域の方と学生が一緒になってまちづくりを考える空間になるといいなと心から思います。
地域のために自分が今できることは、簡単には見つけられないかもしれません。それでも、デイブがそうであったように、自分が実現したい大きな夢や、得意とする小さなことから地域貢献は生まれます。デイブの姿から学んだことを忘れずに、大学を卒業しても地域や誰かのためにできることを考え続けていきたいです。
人は、愛したまちに人知れず自分の想いを残していきます。私の想いも、デイブの地ビールの一部として生き続けることを願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。