好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

蒼き弁護士の成長譚。

2009-12-14 | その他ミステリ
『探偵宣言――森江春策の事件簿』(by芦辺拓)、読了。

するすると読み終えた後、何度も読み返してから感想up。
結論は最後の方にあります。

以前、NHKで展開していたケータイ小説で、このシリーズの存在を知った。
だが、その後、いくら本屋を探しても、芦辺氏の本は1冊も見つからず。
am○zonで注文するしかないかと諦めそうになった時、やっとこの本を手に入れた次第。

内容は、主人公である弁護士・森江春策の、高校時代から現在までの連作短編集。
高校時代・大学時代・新聞記者時代・先輩弁護士の助手時代・
弁護士時代(現在)と、5通りの主人公を堪能できる嬉しい設計。

ただ凄いのは、コレらの短編たちが発表されたのが、
時系列には全く沿わないバラバラの順序だったという事。

それぞれまるで別物同士の物語を、どうしてこんなカンペキにまとめられるのだろう。
しかもその短編たちが、最終話で全て伏線としてつながっていく!なんて日には。
もう、ひれ伏すしかない。
知らない者からしたら、作者は初めから主人公の人生計画を立てていた!としか思えないんですが。

と、ここまでだけでも、この本の良さは語ったつもりだが。
私が一番に気に入ったのは、他の部分。
主人公の森江の性格と、それから独特なレトリック(修辞)たちだ。

「鼻を横断したバンドエイド」「切り爪のような月」「西瓜畑よろしく並んだガン首」etcetc……。

結論。
逆裁好きにはオススメします(笑)。

それでは。また次回。

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