市街地から、細い道を少々歩くと、打って変わって深い森に差しかかる。
その森の端に位置するように、山川耕造の屋敷はあった。
この町特有の、いわゆる「異人館」の外観だ。
どっしりとした煉瓦作りの洋館である。
「頑丈に出来てますねえ」
タカちゃんはメモを取りつつ、窓枠やら扉やら、果ては壁まで
揺すったり叩いたりしている。
秘密の入り口でも探しているんだろうか。
私は注意深く、タカちゃんのまだ見ていない場所――
伸びた下草の辺りを探った。
奥に隠れるように、指輪が落ちていた。
一見おもちゃのような、安っぽい作り。
だが、何が後に手がかりとなるかは、誰にも分からない。
私は最初の証拠品として、その指輪を押収した。
その森の端に位置するように、山川耕造の屋敷はあった。
この町特有の、いわゆる「異人館」の外観だ。
どっしりとした煉瓦作りの洋館である。
「頑丈に出来てますねえ」
タカちゃんはメモを取りつつ、窓枠やら扉やら、果ては壁まで
揺すったり叩いたりしている。
秘密の入り口でも探しているんだろうか。
私は注意深く、タカちゃんのまだ見ていない場所――
伸びた下草の辺りを探った。
奥に隠れるように、指輪が落ちていた。
一見おもちゃのような、安っぽい作り。
だが、何が後に手がかりとなるかは、誰にも分からない。
私は最初の証拠品として、その指輪を押収した。