里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

次世代原発の開発

2010年03月26日 | その他
3月23日の日経1面に、“ゲイツ氏、東芝と次世代原発”と大きく載せていた。

内容は、
核燃料を交換せずに、最長100年間の連続運転出来る原子炉を開発しようというもので
 米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツさんが資金援助している、米国のベンチャー企業
 が開発中の新型炉に、東芝の技術を融合させて開発する計画で、ゲイツさんはその実
 用化に向けて私財を投じる考えだが、その額は数千億円規模に膨らむ可能性がある』
というものだ。
幾らお金持ちとはいえ、金額と言い、アイデアと言い、どうも桁外れな事をやるものだ!

現行の原子炉では、天然ウランを濃縮・成型して使用し、数年後には使用済み燃料を取
り出して再処理しなければならず、その上に色々な放射性廃棄物も出て来るので、その
処理についても問題が多い。

ところが、この新型炉が完成すると、天然ウランや、天然ウランから核燃料を作る際に生
じる“劣化ウラン”を燃料として使えるし、長期間にわたって運転が出来る事からメンテ
ナンスが不要となる上に、核廃棄物の量も減らす事が出来るという。

劣化ウランが使える理由は、劣化ウラン中の殆どを占める燃え難いウラン238を、炉内で
高速の中性子をぶつける事により、燃えやすいプルトニウム239に変えては燃やす、いわ
ば高速増殖炉として機能させている為で、これが長期間運転につながるという事らしい。

まるで夢のような願ったり叶ったりの原子炉だが、問題は原子炉の材質らしい。
何しろ、心臓部の原子炉容器は、中性子などの強い放射線に絶えず晒されていて、これ
が容器に当たる事により“中性子脆化”と呼ばれる金属劣化を起こし、劣化が進むと緊急
冷却装置装置が働いて原子炉の温度が急に下がった時に容器が壊れる恐れがあるのだ
そうだ。

各国も、こういった新型炉の研究をしていて日本は先行しているのだそうだが、後10年も
して目鼻がついた頃にも、日本が先頭に立っていて欲しいものだ!

〔現行・新型の原子炉の比較〕ー3月23日付けの日経新聞から引用
炉 型BWR、PWR4 STWR
種 類軽水炉高速炉高速炉
企業名東芝、三菱東 芝米テラパワー(ベンチャー企業)
燃 料濃縮ウラン金属ウラン劣化ウラン
出 力50~135万kW 1万kW10~100万kW
特 徴現在世界中で稼働中。

大型の原発に向く。
燃料は数年毎に交換。
2014年の実用化を目指す。

へき地向けなど用途は限定的。
燃料交換せず30年発電可能。
2020年の実用化を目指すが、
材料開発が課題。
低~高出力に対応化能で低コスト。
燃料交換せずに最長100年発電可能。


〔以下、Wikipediaから引用〕
軽水炉
軽水(普通の純水)が減速材と冷却材を兼ねている原子炉。
軽水は、次々に核分裂を起こさせる為に、核分裂で放出された高速の中性子の速度を減
速させる事と、核分裂で得た熱を原子炉の外に取り出す、冷却材としての役割を果たす。

高速炉(高速中性子炉とも呼ばれる)
第4世代の原子炉の一つで、高速中性子による核分裂反応がエネルギーの発生源となっ
ている原子炉。 冷却材には、ナトリウム、高温ガス、超臨界圧水などが用いられる。
高速中性子による核分裂連鎖反応を用いて、ウラン238からプルトニウム239を生産する
原子炉は高速増殖炉と呼ばれる。

核燃料中に含まれる、燃えやすいウラン235の濃度
天然ウラン劣化ウラン低濃縮ウラン高濃縮ウラン
  0.7% 0.7%以下 0.7~20% 20%以上

 ※劣化ウラン:天然ウランから濃縮ウランを得た後に残された部分で、通常ウラン235
  を0.2%程度含有する。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿