里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

教育の市場原理

2012年03月04日 | その他
今日の朝日新聞に、
アメリカのブッシュ政権が10年前につくった“落ちこぼれゼロ法”と、
いま大阪で進められている教育改革を比較して載せていたが、共通点が多く大い
に考えさせられた。

アメリカの場合、「教育こそが将来の国の競争力を高める」という考えに基づいて、
ブッシュ流の競争と淘汰を導入したが、
 ・ニューヨーク市内の公立小中高校1,750校中の150校(8.6%)が閉校になり、
 ・市内の教職員の4分の3に当たる66,000人が定年に加え、強制的な配置転換や
  激務によるうつなどで退職。
 ・その一方で、成果が上がらず見直しを求める声が強まっているのだそうだ。

それはそうだろう。
テストの成績が上がらなければ学校が閉鎖されるとあっては、学校としても音楽
や美術・体育の授業を削ってでも、英語や数学に偏った授業をせざるを得なくなる。
先生達も首になったら困るので、校長の命令に従って、心ならずもテストの成績を上
げる為のいびつな教育の片棒を担がされる訳だが、
 ・先生達は、校長から叩かれ、いつ首になるか怯え、
 ・生徒達も「機械的な学習に飽き飽きしている」、
とあっては、成績が上がる筈もない。

ブッシュと言えば、「市場での自由な競争に任せておけばうまく行く」として守銭奴達
のやりたい放題を許し、現在の世界を揺るがしているリーマンショックを引き起こした
人物で、どうやら教育も同様に考えて市場原理を導入したらしいが、案の定これも破綻
しているようだ。

資源を持たない我が国にとって、「教育こそが将来の国の競争力を高める」という考
えに異存はないが、アメリカで破綻した制度を導入しようとしている大阪のやり方には、
どうも納得出来ない!

米国と大阪の教育改革の類似点〕…3月4日の朝日新聞から引用
改革項目
アメリカ
日  本
学力テスト学校別に結果を公表し、保護者はそれを
基に学校を選択
保護者が小中学校を選べるよう、学校別に
結果を開示
教員評価テストが4年連続で目標に達しない場合
教員を総入れ替えする
保護者の申し立てや校長の評価で、不適格
教員を現場から外して研修
学校統廃合5年連続で目標に達しない場合や卒業
率が低い学校は閉校
3年連続で定員割れした府立高校では再編
整備。 小中学校でも学校選択制を導入し、
選ばれなかった学校は統廃合も考慮
留  年テストが標準に達しない子は低学年から
留年させる事が出来る
小中学校で、学力不足の子の留年を検討
教育委員会シカゴ、ニューヨークなど大都市で教育
委員会を市長直属に
教育の基本計画は首長が教育委員会と協議
して作る
バウチャー
  (券)
テストが2年連続で目標に達しない場合
塾や家庭教師に使えるバウチャーを支給
所得が低い地区の子の保護者に、塾や習い
事に使うバウチャーを支給
 ※大阪の改革項目は、教育基本条例案や橋下市長の発言による


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