里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

牧草でエネルギー自給する町

2010年04月14日 | その他
3月29日の朝日新聞に、「小さな町、バイオで再生」という記事が載っていた。

内容は、
『オーストリアの南東部、ハンガリーとの国境に近いシュトレームは、嘗て農業中心の
 町であったが、EU加盟後に市場経済からはじき出され、森林は荒れ農家は次々と
 牛を売る状況に陥った』
『この有様を見て、元化学工場に務めていた技術者が“牧草からエネルギーを”と提案
 し、2005年、町にバイオガス施設を完成させた』
『この施設のタンク内で、地元の牧草やトウモロコシの茎などを1年間に11,000㌧醗酵
 させて出来たガスにより人口約950人が使う電力の3倍の発電をしている』
『その施設の近くには、木材チップを燃やして熱湯を供給する施設もあり、両方の施設
 で、併せて年900㌧の二酸化炭素排出削減に貢献している』

『8km離れたギュッシング市では、EUや政府などの補助を受けて、1990年代からバイ
 オマスに取り組み、熱や電気・ガスを安く供給する事を売りに約50社を誘致し、1100人
 の雇用を生んだ』
又、オーストリアで試みているこのような施策については、
『地方自治体が特性に応じて取り組んだ事業に、国や州などが補助金で後押しする形で
 広がっており、国内でつくられる電力の7割が再生可能エネルギーから生まれている』
『翻って、日本の再生可能エネルギーは欧州各国に比べて大きく出遅れ、その供給量は
 2005年で、全体の5%に過ぎない』
と報じていた。

日本の荒廃した農山村にとっても、或いは国の施策にとっても、非常に示唆に富んでい
て面白い内容だった。 
昨今、農山漁村の荒廃が言われて久しいが、こういったアイデアも参考にしながら、国と
地方が力を合わせて取り組まなければもう既に至る所がこんな有様で、限界集落の崩壊
は目前に迫っている!

再生可能エネルギー
石油や石炭などのように一度だけしか利用出来ないエネルギーに対し、太陽光や太陽熱、
水力・風力・薪・バイオ燃料・地熱などの、一度利用しても比較的短期間に再生可能なエネ
ルギーを再生可能エネルギーという。

バイオマス
再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの。


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