検察暴走？

郵政不正事件で厚労省の元局長・村木さんの無罪判決が出たのは良いが、担当する検察
官が予め事件のストーリーを書いておき、それに沿った調書をデッチ上げていたという事
まで明るみに出たのには驚いた！

検察の書いたストーリーというのは、
『障害者団体「凛の会」の元会長・倉沢被告から口添えを頼まれた石井一参院議員が、
厚労省の塩田元部長に証明書の発行を要請。
　塩田元部長が議員案件として下ろし、村木被告が元係長の上村被告に発行を指示した』
というもので、このストーリーに基づき、当時野党であった民主党・石井議員の逮捕を狙
って2009年２月に「凛の会」の元取締役２人を逮捕したのに続いて、６月に厚労省の
元局長と元係長を逮捕したのだそうだ。

ところが、厚労省の元局長・村木被告に対する９月１０日の裁判では、
・倉沢被告から口添えを頼まれたとされる日時には石井議員はゴルフに行っており、面談
　した事実は存在しなかった疑いがあると判断され、
・塩田元部長から村木元局長への指示も否定。
・村木元局長が倉沢被告に偽の証明書を手渡したとする検察の主張についても否定。
・元係長・上村被告が独断で証明書を偽造して凛の会の河野被告に渡したと認定し、村木
　元局長の無罪判決を言い渡した。

おまけに、判決が出た後で、
証明書の文書データが入っていたＦＤの最終更新日を2004年６月１日から６月８日に改竄
していた事が明らかにされ、
『６月上旬に元局長から元係長へ証明書発行の指示があり、元係長が証明書を作成して
　６月上旬に元局長に手渡した』
というストーリーに合わない為に改竄したのではないかと疑われ大騒動になってしまった。

こういったやり方が明らかになって来ると、
・当時の自民党政権が2006年９月から2009年９月にかけて、１年毎に首相が退陣すると
　いう体たらくで、国民から全く見放されて政権交代必至の状況であり、
・民主党政権に代わると行政に大鉈を振るう事が予想され、警察・検察官僚にとっても
　「取調べの全過程の全面可視化」も迫られる恐れがあった事から、
間近（2009年８月）に迫った衆院選で民主党に大打撃を与えようとしたのではないかと疑われてしまう。

2009年２月に石井代議士を狙って「凛の会」の元取締役を逮捕したのに始まり、
2009年３月には小沢代議士を狙って西松建設違法献金事件で公設秘書を逮捕したが、
いずれも衆院選の前でタイミングが良すぎる。
警察・検察が、民主党への政権交代を阻止しようとしてストーリーを書いていたとすれば
恐ろしい事で、世も末だ！