この【朗読もの】でもご紹介した
朗読とクラリネットのコラボレーションライブで、
きものと帯の作家、人間国宝の浦野理一に出会いました。
きものがお好きな方、あるいはその昔、雑誌「ミセス」を
愛読していた方にとっては、あこがれの作家なんですよね。
朗読する藤村紀子さんがステージで手にしていたのは、
廃棄処分になろうとしていた幸田文の全集の中の第三巻。
藤村さんがその装幀に惹かれてみてみると、
自身も大好きな浦野理一の手によるものだったそうで
心が躍ったそうです。
客席からみてもその本は、何ともいえない上品な感じ。
そして粋な装幀なのです。
あぁ、アタシも触ってみたかったなぁ~。
あとで調べてみると、浦野理一が幸田文全集装幀のために新たに構築した
「幸田格子」というデザインらしいです。
浦野理一についてよく知らなかったアタシは
取り急ぎネットでその作品をみてみましたら
まぁ、素敵な絵柄、そして生地。
是非どこかで直にホンモノに巡り会いたいと思いました。
そうそう、あの日、藤村さんがその幸田文全集から選んで朗読したのは、
『雪』です。
柳橋の芸者さんの、雪のちらつく日の
さり気ないひとコマを描いています。