老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

戦争を描いた映画2編 「蟻の兵隊」、「氷雪の門」

2010-08-08 17:00:28 | 戦争・平和
今、「中国映画の全貌2010」という映画祭をしています。
http://www.ks-cinema.com/movie/china_2010.html

15日と19日には、「蟻の兵隊」と言う映画が上映されます。

これはポツダム宣言が出て終戦になったのに、中国山西省にいた北支派遣軍第1軍は残留を命じられ、兵士59000人のうち約2600人が中国国民党系の軍閥に合流させられた、その兵士の1人の今の姿を追ったドキュメンタリーです。

どんなに日本に帰りたかったことでしょうか。それなのに彼らは何も知らされずに、4年間もの間、共産党軍と戦い続けたのです。そして約550人が戦死、700人以上が捕虜となったのだそうです。

しかも、ようやく帰国した彼らは、武装解除に違反して戦い続けたとして、日本で戦犯の扱いを受け、軍人恩給も支払われなかったというのです。

何故残されたのか?を元兵士のご老人は追求し、中国にまで渡ります。そうせざるを得ないお気持ちだったのでしょう。小野田氏に、彼がかける言葉のシーンは痛切です。

もう1本の「氷雪の門」は、終戦直後の樺太で起きた事件をドラマ化した映画で、1974年の制作ですが、当時のソ連が圧力をかけて上映を中止させたというものです。

1945年8月9日、ソビエト連邦が日ソ中立条約を一方的に破棄して侵攻を開始し、樺太でも日本人はソ連兵に追われて南下しましたが、その避難の行程も描かれています。

そして20日には、ソ連艦隊が沿岸から樺太の街に猛攻撃をかけ、真岡で電話交換手として連絡手段を確保しようと非難せずに残っていた9人の女性たちは自決したのです。樺太での民間人の死者は3500~3700人と言われます。

女性達が死を選んだことが何とも痛ましく、沖縄の集団自決と重なります。ソ連兵が捕虜を手ひどく扱ったことが事実であったことは知っていますが、何とか生き延びる方法は無かったのかと、本当に哀れです。

兵士だけでなく、民間人ですら、戦中の「生きて虜囚の辱めを受けず」といった教育がされていたことなども思い合わせ、戦争とは何だったのか、どんな異常なことが戦争では起きるのか、その酷さ、悲惨さを知り、考えるためにも、この2本、見ておいて良い映画だと思います。

「護憲+BBS」「明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽」より
コメント (1)
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