老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

SF映画「第9地区」

2010-08-13 09:37:35 | 社会問題
2010年4月に日本で公開された映画で、SFであるのにアカデミー賞4部門に輝いた。

ストーリーは南アフリカのヨハネスブルグの上空に突然現れた巨大な宇宙船。地球に侵略に来たのではなく、事故か何かで不時着したらしい。地球人が上空に留まっている宇宙船に乗り込み内部に突入するが、中には飢餓状態の宇宙人が大勢いた。

放置するわけにもいかず、難民キャンプ「第9地区」を設置するが、20年も経過してしまう。その間に附近住民(黒人がほとんど)と宇宙人(エビと呼ばれる)との対立が激化、多国籍企業の会社に委託して、宇宙人(150万人も)に難民キャンプからの立ち退きを命令することになった。

この立ち退き作業の現場責任者に任命されたのが主人公のヴィカスであったが、ある宇宙人(もう一人の主人公)の立ち退きを命じている時に奇妙なガスを浴びてしまう。この事故で彼は感染し宇宙人に変身しかけるが、狡猾な科学者たちは彼の肉体を利用して宇宙人の秘密兵器を動かそうとする。

ヴィカスはなんとか逃亡し、あの宇宙人の家を訪れ元通りの人間の身体に戻してくれと懇願する。宇宙人はその奇妙なガス、実は液体が、宇宙船を動かすエネルギーであると告白。ヴィカスとともに一縷の望みを掛けてラボに戻ることになるが、土壇場で失敗してしまう。

(この後の展開はネタばれになるので省略)

本作品は監督(ニール・ブロムカンプという30歳の南ア出身の青年)がアパルトヘイトの国で育ったことが背景にあり、宇宙人の難民をどう扱うかで様々なトラブルや人種問題などがSF作品に盛り込まれている。しかし、映像表現が巧みで(日本の漫画、主にSF漫画からの影響が大きいという)娯楽作品として成功している。

また、戦争が絶えることのない地球であるが、そういう戦争の原因となる人種問題や武器の大量売買で儲ける多国籍企業:兵器産業とか傭兵会社や、政府の委託を受けた代理会社などの実態をこの作品で登場させており、単なるSF作品に止まらない問題を投げかける映像にもなっている。

「護憲+BBS」「 明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽」より
名無しの探偵
コメント
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