さすがの猛暑も、やっと朝晩は一息つけるようになってきた。この夏は、本当に暑かったが、心の中には、もっと熱い思い出がある。インド南部、デカン高原の中心に位置するハイデラバード。8月の終わりに10日間ほど出張で訪れた街だ。
有名な言い伝えによると、16世紀後半、国王が愛した美しい踊り子の名をとって、この町はバーグナガルと命名されたそうだ。でも、ことの重大さに驚いた踊り子は、ムスリムに改宗し、ハイダル・マハルという名前に改めてしまったとか。しかし、王はめげずに再び改名し、「ハイダルの町」を意味するハイデラバードとしたんだそうな。なんとロマンティックな歴史を持つ町だろう。
しかし、現実は、そんなにロマンティックではないようだ。旧市街の喧騒と言ったら半端ではない。信号が無い道路は、まさに混沌。クラクションがひっきりなしに鳴り、先に出た方が勝ち。一番びっくりしたのは、乗っていたバスがいきなり走行車線をバックし始めた時。曲がり角を通り過ぎてしまったようだ。プァープァーとクラクションを鳴らし、いきなりバック。でも誰も文句を言わない不思議さ。ふと横を見ると、今度は牛車が仲良く並んで走って(?)いる。車の間をぬって人は勝手に横断する。それでも何事もないように全てが流れていく。カオスの中に不思議な調和がある。
8月は雨期にあたり、夕方によくスコールのような雨が降った。20~30分降ったかと思うと、ぴたりと止む。するとたちまち道路は川と化す。なるほど、パキスタンの洪水はこうして始まったんだと妙に納得してしまった。
ここでは、外国人価格が存在する。街のシンボル、チャーミナールへの入館料は、現地人:5ルピー、外国人:100ルピー。えっ、20倍もする(!)と驚いてはいけない。100ルピーといっても、日本円でおよそ200円。京都のお寺の拝観料に比べたら3分の1である。ホテルの料金もルームチャージの他にサービス税、贅沢税、サービス料と目が丸くなってしまうほどだが、日本の観光ホテルに比べたらやはり3分の1程度の料金である。とはいっても、さすが五つ星ホテルの居心地はいい。従業員たちが賓客を迎えるように対応してくれた。
日本を発つ前、多くの友人・家族からの助言をもらい、お金を払ってでも確かな安全を確保しなくちゃダメと肝に銘じ、歯磨きさえもペットボトルの水でしていたが、それでも、しっかり「洗礼」をうけた。3日目の朝、お腹の様子がおかしい。早速、持参した処方箋を飲んで事なきを得たが、帰国後そうそうに腹痛が始まり、翌日には、救急病院に駆け込んだ。やはり、インドは侮れない。
とはいうものの、インドの人たちはみな人がいい。こちらが面食らうくらい面倒見がいい。なんといっても、彼らの笑顔が素敵だ。それに、あの独特な首を細かく左右に振る仕草が温かみがあっていい。虜になった。会議場に向かうバスの時刻表があってもお構いなしに遅れるが、その代わり、時間だからとさっさと行ってしまうこともない。最後の人がきちんと乗るまで待ってくれる。効率性や人間が作ったスケジュールは無視するが、大きな大河の流れには逆らわずに従う・・・ そんな雰囲気を感じた。
旧市街では、ブルカをまとった女性たちをたくさん見かけた。この街はインドが独立する以前は、ムスリムの歴史を持つ。止まっている車の窓を叩く物乞いも見かけた。私にとっては初めてのインド。異質な世界に魅了されていたが、デリーやムンバイから来た人たちに言わせれば、「ハイデラバードは綺麗過ぎてインドとは言えない」とのこと。それでは、次は、デリーに行って「洗礼」を受け、タージマハルを訪れてみようか。
季節がめぐり秋になったら、暑かった夏の思い出を、どんな気持ちで振り返るのだろうか。
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有名な言い伝えによると、16世紀後半、国王が愛した美しい踊り子の名をとって、この町はバーグナガルと命名されたそうだ。でも、ことの重大さに驚いた踊り子は、ムスリムに改宗し、ハイダル・マハルという名前に改めてしまったとか。しかし、王はめげずに再び改名し、「ハイダルの町」を意味するハイデラバードとしたんだそうな。なんとロマンティックな歴史を持つ町だろう。
しかし、現実は、そんなにロマンティックではないようだ。旧市街の喧騒と言ったら半端ではない。信号が無い道路は、まさに混沌。クラクションがひっきりなしに鳴り、先に出た方が勝ち。一番びっくりしたのは、乗っていたバスがいきなり走行車線をバックし始めた時。曲がり角を通り過ぎてしまったようだ。プァープァーとクラクションを鳴らし、いきなりバック。でも誰も文句を言わない不思議さ。ふと横を見ると、今度は牛車が仲良く並んで走って(?)いる。車の間をぬって人は勝手に横断する。それでも何事もないように全てが流れていく。カオスの中に不思議な調和がある。
8月は雨期にあたり、夕方によくスコールのような雨が降った。20~30分降ったかと思うと、ぴたりと止む。するとたちまち道路は川と化す。なるほど、パキスタンの洪水はこうして始まったんだと妙に納得してしまった。
ここでは、外国人価格が存在する。街のシンボル、チャーミナールへの入館料は、現地人:5ルピー、外国人:100ルピー。えっ、20倍もする(!)と驚いてはいけない。100ルピーといっても、日本円でおよそ200円。京都のお寺の拝観料に比べたら3分の1である。ホテルの料金もルームチャージの他にサービス税、贅沢税、サービス料と目が丸くなってしまうほどだが、日本の観光ホテルに比べたらやはり3分の1程度の料金である。とはいっても、さすが五つ星ホテルの居心地はいい。従業員たちが賓客を迎えるように対応してくれた。
日本を発つ前、多くの友人・家族からの助言をもらい、お金を払ってでも確かな安全を確保しなくちゃダメと肝に銘じ、歯磨きさえもペットボトルの水でしていたが、それでも、しっかり「洗礼」をうけた。3日目の朝、お腹の様子がおかしい。早速、持参した処方箋を飲んで事なきを得たが、帰国後そうそうに腹痛が始まり、翌日には、救急病院に駆け込んだ。やはり、インドは侮れない。
とはいうものの、インドの人たちはみな人がいい。こちらが面食らうくらい面倒見がいい。なんといっても、彼らの笑顔が素敵だ。それに、あの独特な首を細かく左右に振る仕草が温かみがあっていい。虜になった。会議場に向かうバスの時刻表があってもお構いなしに遅れるが、その代わり、時間だからとさっさと行ってしまうこともない。最後の人がきちんと乗るまで待ってくれる。効率性や人間が作ったスケジュールは無視するが、大きな大河の流れには逆らわずに従う・・・ そんな雰囲気を感じた。
旧市街では、ブルカをまとった女性たちをたくさん見かけた。この街はインドが独立する以前は、ムスリムの歴史を持つ。止まっている車の窓を叩く物乞いも見かけた。私にとっては初めてのインド。異質な世界に魅了されていたが、デリーやムンバイから来た人たちに言わせれば、「ハイデラバードは綺麗過ぎてインドとは言えない」とのこと。それでは、次は、デリーに行って「洗礼」を受け、タージマハルを訪れてみようか。
季節がめぐり秋になったら、暑かった夏の思い出を、どんな気持ちで振り返るのだろうか。
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