空母進水直後、日本国と同じ技術水準を持つ国を視察する。
視察といっても、駆逐艦による偵察である。国境開放交渉は難航していたのだ。
中でも、インド・ペルシア・ドイツが三国同盟を形成しており、技術も高水準だった。
また日本国はローマ、ロシア、モンゴル、イロコイを取り込み、
広大な土地を有していたが、それでもペルシアとほぼ同じ国土だった。
さらに、急激な国土の増加に内政が追いつかず、これ以上の進撃は不可能と判断。
しばらくは内政に力を入れることを決定する。
さらに寛大な日本国は技術レベルで遅れている国や、
小国家に対してODA(政府開発援助)を行う。開発費用は全て日本国持ちである。
狙いとしては小国家の買収と、日本国の技術レベルの向上である。
中でも日本国は内政を重視するため、
戦車などの軍事生産が出来ない。これを小国家に代理生産してもらうことで、
負担を軽くすることが可能である。これで新兵であるが、軍拡も続行する。
また、首都京都でマンハッタン計画に着手。
使用しないにしても、持っていなければ抑止力にならない。
極力回避しなければならないが、核戦争に対しても準備は必要なのである。
しばらくは内政に励み、国民の幸福度指数も上昇。
技術立国として宇宙への道に注目が集まり、将来は宇宙への移民などを計画する。
関心は戦争から移り変わり、明るい話題に満ち溢れていた。
しかし、日本国の外交官は頑張りも虚しく、強国からの不平等な要求に頭を抱えていた。
万が一に備えて、ペルシアの国境付近には日本陸軍、インドへの牽制として、
シャム近海に、機動艦隊と揚陸艦を派遣していたが、これに三国同盟の各国が批判をはじめる。
さらに三国同盟代表から、最後通牒と思われる文章が手渡される。
日本国が戦争で獲得した領土を返還をすること、すべての軍を撤退することなど、
到底受け入れられない内容だった。受け入れることは日本国の自殺である。
世論は開戦待望一色である。
新聞を初めとするマスメディアも開戦を煽り、
もはや開戦は確定的。会せたようにペルシア軍が移動を始める。
日本国の同盟国である、小国アルマトイに国境侵犯を確認。
時は満ちた。日本国はペルシア・シャム・インド・ドイツ・アメリカに対して宣戦布告。
日本国の同盟国もこれに同調し、第二次世界大戦が勃発した。
大まかな進撃図。ペルシア首都を目指す部隊と、インド方面を目指す部隊に分かれる。
ペルシア軍主力は日本陸軍とほぼ同じ戦力だった。
しかし、こちらは歴戦の精鋭達である。大規模な戦車戦や歩兵戦が生起するが、
こちらの損害は微々たるもの。対してペルシア軍の半数以上を撃破。残りは撤退していった。
さらにシャム方面に新兵が中心の部隊が上陸をかける。
赤城・加賀・蒼龍・飛龍から飛び立った零戦が偵察を行うが、
迎撃機なし。シャムは技術力は低水準なので、当然である。
直衛機が必要ないということで、次々と爆撃機がシャム都市を爆撃。
抵抗なしで上陸した日本軍が次々と入城し、抵抗がほぼない状態でシャムは崩壊していった。
シャムはインドやペルシアへの道となる。また航続距離的にも空母から、シャムへ航空機は移動となった。
いたずらにペルシア軍は撤退を繰り返した。
最初の戦闘で主力を半数撃破され、その後部隊の再編が出来なかったのだ。
しかし、日本軍も無事ではない。突出した部隊が全滅認定を受けるなど被害はある。
その犠牲のおかげで、ペルシア都市半数以上を陥落させることができた。
ペルシアは脅威ではなくなったが、ペルシア方面の部隊は進撃を続ける。
次なる敵国はアメリカ合衆国だ。日本を裏切った国でもあり、度々小規模な戦闘をしかけてきていた。
そのお礼として、爆撃機とロケット砲で都市に猛攻撃を加える。
機械化歩兵などで入城していく。これで首都ワシントンなどが陥落。
海を挟んだ都市は生き残るものの、攻める価値もない。
ただでさえ少ない部隊をアメリカに回しておく余裕はなく、
早期のうちにアメリカとは和平をしておく。これで懲りただろう。
次に立ちはだかるのはインド。戦闘機も保有し、技術レベルは高い。
また、ドイツに向けて上陸作戦も実施する。
ペルシア軍を撃破した精鋭部隊を派遣し、
空母3隻、ミサイル巡洋艦、駆逐艦4隻が援護し、上陸する。
しかし、ドイツ軍は水際での戦闘を実施、
日本軍は1部隊が揚陸艦ごと沈没、2部隊が全滅、駆逐艦一隻が大破という被害を被る。
だが、爆撃機とロケット部隊が都市エッセンを攻撃し、なんとか陥落させ拠点を確保。無事な部隊が進撃を試みる。
だが、ドイツ首都ベルリンまでは天然の山脈要塞が続き、
一斉攻撃ができず、突出した部隊が集中攻撃され、
エッセンで回復を待つということが相次いだ。
対インド戦、対ドイツ戦を同時に行う日本軍。
近代兵器のぶつかり合い。決して日本軍も無事ではない。
空母一隻分の戦闘機・爆撃機が撃墜され、精鋭陸軍も4部隊ほど海や地上で散った。
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