rosemary days

アロマテラピー、ハーブを中心にフィトテラピーあれこれ。自然療法全域とフィットネスについて。

『風と共に去りぬ』~レモン・バーベナの香水

2016-04-11 22:58:56 | 物語の中の植物と香り
『風と共に去りぬ』はかつては女子高生の定番愛読書と言われ多くの少女達を虜にした小説です。長さに敬遠してしまった人も映画なら見たこともあるのではないでしょうか。

主人公のスカーレット・オハラは大農園主のお譲さまで町じゅうの若者に慕われている美人。戦争によってそれまで想像もしなかったような苦労を強いられるのですが、それまでは優雅に贅沢に暮らしています。

印象に残る植物の描写は、まず屋敷の窓から見えるマグノリア(モクレン)の木々。義理の妹になるメラニーもマグノリアの香水をつけていました。それからスカーレットが舞踏会に行った時には裾飾りが揺れる旅にラベンダーの香りが漂ったり、髪にチューべローズの花を挿して踊ったりしていたと書かれていました。

最も印象に残ったのは、おかあさんのエレン・オハラがつけていたレモンバーベナの香り。スカーレットは親しい女友達がいなくて心を許した女性は存在しなかったのですが、唯一自分の母親だけは敬愛していました。おかあさんを思い出す時、いつもレモンバーベナの香水の香りが同時に蘇るのです。

レモンバーベナは別名ベルべーヌ、防臭木、そして香水木と呼ばれるクマツヅラ科のハーブです。フランスではハーブティーと言えばベルべーヌというくらいポピュラーなハーブです。肉の臭みを取ったり、胃の不調を和らげる働きをします。精油は皮脂分泌の調整やリンパ液の流れを促す働きなどがみられます。

レモンバーベナの香りはレモングラスほど青臭くなく、レモンバームよりも女性的な印象を受けます。何より心を穏やかに、優雅な気分にしてくれます。スカーレットは自分のおかあさんをマリヤ様のように思って慕っていました。周りの人達からも聖女のように慕われた、そんな女性を連想させる香りです。

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