『美女と野獣』は1756年に出版されたボーモン夫人のものが最も有名ですが、それより15年程前の1740年に出版されたヴィルヌーヴ夫人によるものが先だってのヴァンサン・カッセル主演の映画になりました。今回入手したのはドーノワ夫人によって書かれたもので、出版年度はわかりませんが、ドーノワ夫人の生誕が1650年なので、更に古いと思われます。
3つの版の基本的なストーリーは同じですが、ディテールは異なります。ドーノワ版は3つのうちで一番毒がなくどちらかと言うと少女趣味です。なので面白みには欠けますが、繊細な女性らしさを感じます。機会があったら是非読み比べてみてください。
『美女と野獣』といえば末娘のために父親が野獣の城から手折った薔薇の枝が印象的ですが、ドーノワ版では吹雪の中道に迷った父親が野獣の城に辿り着く前に花と実が成ったオレンジの並木道が現れます。それから末娘が夢の中で美しい王子様に出会うのがテンニンカの咲いている庭園の小川のほとりです。夢から醒めて実際の庭に同じ光景を目にして驚きます。
テンニンカはフトモモ科の薄紅から紫色の花をつける常緑樹です。漢字は天人花と書き、なんとなくパラダイスを思わせますね。
一つ気になるのが、ギンバイカのことをテンニンカと呼ぶことがあるようです。テンニンカは熱帯の植物なので、17世紀のフランスでどれほど知られていたか?むしろ地中海原産のギンバイカのほうが自然なんではないか?と思うのです。
ギンバイカ(銀梅花)は別名マートル、フトモモ科の若干ユーカリに似ているすっきりした香りを放ちます。古代ローマではビーナスに捧げる花と言われ結婚式に用いられるということを考慮しても、やはりこちらなんじゃないかという気がします。もちろん、吹雪の中にオレンジの花や実が現れるくらいなので、そこに熱帯の花が咲いていてもなんら不思議ではないわけですが。。。
白いギンバイカも素敵ですが、個人的には熱帯に咲くテンニンカのほうが楽園ぽくていいような気がしています。
3つの版の基本的なストーリーは同じですが、ディテールは異なります。ドーノワ版は3つのうちで一番毒がなくどちらかと言うと少女趣味です。なので面白みには欠けますが、繊細な女性らしさを感じます。機会があったら是非読み比べてみてください。
『美女と野獣』といえば末娘のために父親が野獣の城から手折った薔薇の枝が印象的ですが、ドーノワ版では吹雪の中道に迷った父親が野獣の城に辿り着く前に花と実が成ったオレンジの並木道が現れます。それから末娘が夢の中で美しい王子様に出会うのがテンニンカの咲いている庭園の小川のほとりです。夢から醒めて実際の庭に同じ光景を目にして驚きます。
テンニンカはフトモモ科の薄紅から紫色の花をつける常緑樹です。漢字は天人花と書き、なんとなくパラダイスを思わせますね。
一つ気になるのが、ギンバイカのことをテンニンカと呼ぶことがあるようです。テンニンカは熱帯の植物なので、17世紀のフランスでどれほど知られていたか?むしろ地中海原産のギンバイカのほうが自然なんではないか?と思うのです。
ギンバイカ(銀梅花)は別名マートル、フトモモ科の若干ユーカリに似ているすっきりした香りを放ちます。古代ローマではビーナスに捧げる花と言われ結婚式に用いられるということを考慮しても、やはりこちらなんじゃないかという気がします。もちろん、吹雪の中にオレンジの花や実が現れるくらいなので、そこに熱帯の花が咲いていてもなんら不思議ではないわけですが。。。
白いギンバイカも素敵ですが、個人的には熱帯に咲くテンニンカのほうが楽園ぽくていいような気がしています。
美女と野獣 (ワンス・アポンナ・タイム・シリーズ) ドーノワ夫人 西村書店 |
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