昼休みの保健室、ひとりの女の子が勢いよく駆け込んできた。
「先生、ころんじゃった」
声のするほうを振り返った養護教諭は
「あら、またあなたなの」
よく知った顔に微笑みかけた。友達が怪我をしたとか具合が悪くなったといっては、しょっちゅう保健室にやってくる女の子。でも今日は自分が転んだらしく膝がすりむけて血がにじんでいた。
「少し沁みるけどがまんしてね」
女の子は消毒薬が沁みるのを確かに感じた。そしてそれが嬉しかった。
いつからか彼女はここが大好きになってしまった。誰かが具合が悪くなると、ここぞとばかりに自分が付き添って連れてくる。そして先生が手当てしている様をじーーーっと眺めている。今日はとうとう自分も手当てしてもらえた。
「もう転ばないように気をつけるのよ」
保健室を出て行く女の子の背中に養護教諭は声をかけた。
「はーい」
彼女は嬉しそうに微笑んで答えた。
大きくなったら保健室の先生になりたい。
以前から思っていた夢を心の中で反芻しながら教室へ戻っていった。
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「先生、ころんじゃった」
声のするほうを振り返った養護教諭は
「あら、またあなたなの」
よく知った顔に微笑みかけた。友達が怪我をしたとか具合が悪くなったといっては、しょっちゅう保健室にやってくる女の子。でも今日は自分が転んだらしく膝がすりむけて血がにじんでいた。
「少し沁みるけどがまんしてね」
女の子は消毒薬が沁みるのを確かに感じた。そしてそれが嬉しかった。
いつからか彼女はここが大好きになってしまった。誰かが具合が悪くなると、ここぞとばかりに自分が付き添って連れてくる。そして先生が手当てしている様をじーーーっと眺めている。今日はとうとう自分も手当てしてもらえた。
「もう転ばないように気をつけるのよ」
保健室を出て行く女の子の背中に養護教諭は声をかけた。
「はーい」
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