そんなわけで(Vol.2からの続き)、すっかり赤城山に魅せられてからというもの、北方を眺めるときは必ず赤城山の姿を追い求めていると、かつて見えなかったものが見えてくる。私は、40年近く前に二年間だけ入間市に住んでいた。このたび、昔懐かしさに当時住んでいた辺りを歩いてみたのだが、なにが驚いたって、当時毎日のように乗り降りしていた駅から赤城山が見えるのである。
当時は、まったく気付かなかった。なにせ、山と言ったら富士山くらいしか知らず、赤城山という名前は国定忠治の「赤城の山も今宵限り」で聞いたことがあっただけ。どこにあってどんな形をしてるかなど皆目知らなかった。だから、この景色が目に入っても脳はなんの反応も示さなかったのだと思われる。今の私にとっては、この景色はお宝以外の何物でもない。
かように人間の注意は求めるものだけに集中し、求めないものの情報はスルーするらしい。だから、刑事さんは、指名手配の犯人を群衆の中から見分けるし、猫好きは田園風景の中から猫の姿を見分けるのであろう。
それにしても、入間市と言ったら埼玉県の最南部で東京都と境を接している。そこから群馬県の中央にある赤城山がこんなに大きくくっきりと見えるのだから驚きである。もし、当時の私が今の私なら、この地に降りたったその日にこの山容を視認し驚喜乱舞したことだろう。そして、2年とは言わずそのまま住み着いていたかもしれない。
因みに、山梨に、コンビニの屋根越しに富士山が見える場所があって、外国人が押し寄せ車道にはみ出て問題になっていた。自治体は対策として道路に黒い幕を張り物議をかもしたが今は撤去されているようだ。掲載した写真で見える赤城山は団地の屋根越しである。別に車道に出なくても見えるから黒幕を張られることはないだろう。その前に、人々がこれを見たさに押し寄せる事態にはならなそうである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます