前回、色の白いルチア・ポップがすっぴんでいるとのっぺらぼうみたいだ、と誰かが書いた、と書いた。言っておくが、ルチア・ポップはオペラ歌手の中でも可愛さランキングでは3本の指に入る美形である(私見)。そんなルチア・ポップをつかまえて「のっぺらぼう」に擬した表現が印象的だったのである。
日本人は「色の白いは七難隠す」とか言うが、白いは白いで大変そうである。世界中の人間はそのルーツをたどるとアフリカの一人の女性にたどり着くと言う。そこまで遡らなくとも、例えばインドヨーロッパ語族は黒海とカスピ海の辺りがルーツで、そこからあちらこちらに散らばって行ったのである。そうして、行った先の気候に合うように皮膚の色を変えていったのである(気候に合った皮膚を持った人が生き残ったのである)。だから、淡い陽の光の中では美しく映える北欧の人が日本の夏の猛暑の中で皮膚を真っ赤に染めて苦しがってる様などを見ると大変だなー、と思う。かようなことであるから、別に色の白い人を見て羨む必要はない。大谷選手ではないが「憧れるのをやめましょう」である。中南米かどこかの国の民話では、太古の昔、神様は人間を炉で焼いて作ったのだが、焼き損なったのが白人で、ちょうどよく焼けたのがその国の人、とされている。それはそれで白人差別で今日ではいかがなものか?という気もするが、むやみに白人を憧れない態度は立派である。
インド人(北部)のルーツがヨーロッパ人と同じという事実は、当初、アジア人をバカにしていたヨーロッパ人にはショックだったそうである。私は、地理的にうーんと離れたインドとヨーロッパになぜ同系列の人間がいるのかが不思議だったが、黒海やカスピ海辺りがルーツと聞いてガテンがいった。なるほど、そこから南下すればインドだし、西進すればヨーロッパである。
黒海と言えば、その南岸にあるのがトルコだが、トルコについて二つのことが気になっている。
一つはトルコ国が在る地について。アナトリア半島と言うのだが、英語圏では「半島」を付けないそうだ。黒海を「海」と考えると、アナトリアは三方を海に囲まれていて「半島」ぽいが、黒海を内陸の内海(びわ湖をでかくしたもの(でかくなりすぎだが))と考えると、海に面しているのは西と南西だけで半島とは言えなくなる。
もう一つはそこに住んでる人々について。トルコ人は世界史で習った突厥(中国の北方民族でたびたび中国を脅かした)の末裔だと聞いたことがある(ような気がする)。中国の北ならアジア人である。だが、あまりそのようには見えない。調べてみると、テュルク人(突厥もトルコも「テュルク」が訛った言葉で同義)はユーラシア大陸の北東から南西にいたって幅広く分泌しており、北東と南西では遺伝子情報がかなり異なり、北東ではアジア因子が強いが南西ではヨーロッパ因子が強いそうである。だから、トルコ人をつかまえて、あんたはバタくさい顔をしとるけどホントは俺たちと同じなんやで、とか言って無理やり同族にしてはいけないのである(仲良くするのは良きことである)。
因みに、私は、最近アフリカ系の人がきれいに見えて仕方がない。ドイツのニュース番組のキャスターの中で私が一推しなのはヤナ・パライゲスさん。お父様がアフリカ系とのことで、その美しさには息を呑む。
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