15-2
さっき多摩川を渡ったので、ここは川崎だろう。後部座席の佐々木は腹に、平井は後ろ頭に銃を突きつけられて身体を硬くしていた。佐々木はまた俺に殴られて鼻血を流している。これから起こるであろう事に平井は怯え、佐々木はこれで解放されるであろうという思いに安堵感を感じているだろう。俺にはこれからどうなるかは解らない。
「松、中村ってのはどうするん?誰か残ってはっちょかな悪かったんやねーん?」
「いい、いい。平井がこっちにおれば、中村はまた生け捕れるやろうけ。のう、平井?」
松は助手席から振り返って、平井を睨みつけた。その目には殺意にも似た淀んだ光が宿っている。
「わ・私は何も知りません。な・何も知りません…。」
「好きなごと言っちょけ、これからいろいろ喋りたくなるやろうけ。」
そう言いながら、運転しているキムの肩をポンポンと叩いた。
さっき多摩川を渡ったので、ここは川崎だろう。後部座席の佐々木は腹に、平井は後ろ頭に銃を突きつけられて身体を硬くしていた。佐々木はまた俺に殴られて鼻血を流している。これから起こるであろう事に平井は怯え、佐々木はこれで解放されるであろうという思いに安堵感を感じているだろう。俺にはこれからどうなるかは解らない。
「松、中村ってのはどうするん?誰か残ってはっちょかな悪かったんやねーん?」
「いい、いい。平井がこっちにおれば、中村はまた生け捕れるやろうけ。のう、平井?」
松は助手席から振り返って、平井を睨みつけた。その目には殺意にも似た淀んだ光が宿っている。
「わ・私は何も知りません。な・何も知りません…。」
「好きなごと言っちょけ、これからいろいろ喋りたくなるやろうけ。」
そう言いながら、運転しているキムの肩をポンポンと叩いた。