ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

少し共感

2013-09-22 22:00:44 | Weblog
昼休みに、部下の20代中国人女子に、
「日本に帰るから、欲しいものがあったら、買って来てあげるよ」と言ったら、
みんなが大喜びして「化粧品!」と叫んだ。

そのうち1人は、今年7月入社の新卒。
「おまえ、化粧したとこなんて、見たことないぞ」とツッコミそうになったけど、
さっそく嬉しそうにWebサイトの検索を始めたので、ああ女子だなあ、と思った。

「あのね、私一度でいいから、Zhicunxiuが使ってみたいの!」と。
「なにそれ?」と聞いたら、「え~知らないの~、うそ~、日本の有名なブランドなのに」。

Zhicunxiu→植村秀→shu uemuraだった。

「ああ、私も若い頃使ってたよ。今となっちゃ、どんな化粧品でも
それほどの効果は期待できないけどね」と自虐ネタを飛ばしたのに、誰も聞いちゃいない。
みんなでわいわいWebサイトを見ている。

部下さん「これ、すごくたくさん色があるんだよね。私に合う色、どれだろう」
わたし 「じゃあ、伊勢丹あたりにいって、色だけ合わせてもらいなよ。買うのは日本で」
部下さん「あ、そっか。やった~!!! 中国で買うと、すっご~く高いんだよ~!」

知ってるっちゅうの。だから私も帰国=買い出し、だ。

それから1時間後。
その部下さんがシュンとなって、
「ねえねえ、携帯電話をなくしちゃったみたいなの」と。
浮かれていたためか、携帯をどこかに置き忘れて来たらしい。
この1時間のあいだに行ったところは全部見た。
一番怪しいのはトイレ。
フロア共同なので、他の会社の人に持って行かれたかもしれない。

わたしが「あんなに古くてぼろいの、誰が盗って行くのよ~。よく探した~?」と言ったら、
周囲にいた約20人の中国人が、同じタイミングで吹き出した。

「あんな携帯を盗むなんて、そりゃ~あなたのファンだね。
きっと、『これはあの子の携帯だ~。えへへ。すりすり。かわいいね~、大好きだよ~』
とか、やってんじゃないの? 変態好みのデータとか、入ってないでしょうね」と言ったら、
今日が初日で緊張していた大学生アルバイトの女子まで、お腹を抱えて笑い出してしまった。

え。。。
私としては大真面目だったんだけど。
だって、ストーカーとか、そういう趣味の人いるでしょう。
22歳の女子の携帯がなくなったと言ったら、
警備員さんから掃除のおばさん、会社の人全員に聞いて出て来なかったら、
そういうのを疑うでしょう。日本では。

だから、「日本にはいるんだって、そういう気持ち悪い変態~」と言ったら、
周囲から「漫画だけじゃないんだ」というつぶやき声。
そして「中国だったら換金だよね。よかった。まだ普通だ」と。

うーむ。中国語ですべき発言ではなかったかもしれない。
日本の恥をさらしてしまった。
でも、あの部下さんは、日本語が通じないんだったなあ。しょうがない。

今日はちょっとだけ、中国人のお嬢さんにのぼせちゃって、
化粧品やら携帯電話やら、いろいろと買ってあげちゃう日本人オジさんの気持ちが、
わかったような気がした。

眠れない

2013-09-22 03:58:04 | Weblog
最近、休みの最終日の夜に眠れない。
いつもは日曜の夜。今回は、明日から出勤なので、今晩。

仕事のことばかりが思い出される。
中間管理職は、本当に辛いと思う。

自分の仕事だけをやっていればよかった担当の頃は、
もちろん上司に対する不満や、
仕事自体に対する懐疑心など、毎日てんこ盛りだったけど、
きっとあの子は、こういう地雷を踏む、とか、こんな甘えを言ってくる、
というシミュレーションに悩むことはなかった。

できない上司は、それはそれで無視すればよく、
キレすぎる上司よりも扱いやすいくらいだった。猛烈に腹は立つけど。

でも、いくら言っても覚えようとしない部下とか、
最後は国籍の違いに逃げ込む、私をはじめとする日中の壁とか、
最終的には母語の問題から、決して中国人の部下に渡せない日本語関係の雑用など、
とにかく仕事の範囲が広過ぎる。

よくよく考えてみると、昨年は日本人が3人でやっていた仕事を、
いまは私1人でやっているわけだから、
会社にとってはコスト削減だけど、当然のことながら期待値ほど私が稼働しない。
私も思ったほどに自分の仕事が進まなくてイライラする。
そして、すでに日本と比べて安くないコストがかかるくせに、
偉そうな口ばかりきいて働かない中国の外注に怒りを覚える。

ああ、もういっそのこと、みんなで日本に帰ろうよ!という気分になる。
そのほうが、インターネットも制限ないし、
お昼休み、どこで昼食を食べてもサービスがいいし、
外注先は真剣に仕事をやってくれるよ。

中国人は、てれーんと出勤し、
QQで友人とチャットをやりながら、適当に時間をつぶして、
定時になると帰って行く。
先日は19時に宅急便が来て、「この会社は遅いな、ご苦労なこった」と、
私を中国人と間違えた配達員が、同情の笑みを浮かべて帰って行った。
いえいえ、毎日22時ぐらいまで残業しておりますのよ。

氷河期に社会人になって、ずっとずっと、一番下だった。
後輩が入ってくることもほとんどなく、
たまに入ってきても、職位は同じだった。
平社員の単なる先輩。

中国に来て、はじめていわゆる部下をもった。
しかも全員中国人で、そのうち1人をのぞいて、日本語がわからないときた。
まあ、私が日本語がわかる必要はない、と言ったせいもあるんだけど。

そして、上海人たちは、上海人の方が日本人よりもお金をもっていると知っている。
私なんかよりも新卒の上海人の方が、親が買ってくれたマンションの家賃収入で、
トータルの年収は多かったりするんだから、
そりゃー真面目に働くなんてアホらしいし、言うことなんかきいてくれない。

地方から出て来た子たちは、上海人よりは真面目に働くけど、
いい家の子ほど、最後は実家の地縁血縁が決め手になるとわかっているから、
日本人なんてどうでもいい。
そもそも私レベルの日本人なんて相手にしてない。もっと上を見ているだろう。

そんななかで、組織ごっこをやるんだなあと思うと、気が重い。
少なくても、去年くらい日本人がいて、私の仕事が作業に追われなければ、
チームとして面白いと思うんだけどなあ。

今後、日本人も社会保障費を中国人並みに払わなければならなくなったら、
そんなの無駄だし、日本人は全員出張ベースに切り替えて、
拠点は他のASEAN諸国に置き、中国は販売拠点となるかもしれないな。
公称13億人と付き合うのは、これからはサービス提供相手としてだ。
ものづくりのパートナーじゃないだろう。

いつか報われるのかなあ、と思いつつ、今日も夜が更ける。