ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

あってほしい親切機能

2014-07-15 21:39:13 | Weblog
洋服を買おうと思って、ネットショップを見ていたのだが、
モデルさんがみんな細すぎて、まったくイメージできない。

例えば「5キロアップ」「10キロアップ」のようなボタンがあって、
それをぽちりとやれば、画像が自動補正されて、
自分の体型にそっくりな姿を見られるようになったら便利なのに。
ネットショップ全盛なのだから、このくらいの親切機能は、あってもいいと思う。

で、しょうがないので、帰り道、新宿の洋服屋さんをブラブラしたのだけど、
モノがいいのはわかったが、どれも1万円越えで、
ということは、人民元に換算すると1000元だなあ、と思ったところで、買うのをあきらめた。

まだいいや。あるものを着よう。
確かに、いいものはいい。日本で売っているものは、いいものばかりだ。値段相応だ。
それはわかっているけど、そこまで洋服にお金をかける気合いがなくなった。

経済活動に取り込まれると言うのは、大変なことだ。

中国では、ここのところ急に経済活動が活発になったせいで、
日本のバブル期のように、よくわかんないからブランドを買うとか、
素材を見る目がないから、とりあえず高ければいい、とか、
もともとの見栄っ張りな価値観が影響したりして、
みんなどんどん消費に走るようになったけど、
そこまでの富裕層でなくても、価値観の多様化によって、
意識が大きく変化して来ていると思う。

特に、ある意味、出自がその後の人生に大きく影響する中国では、
親の価値観と子の価値観が大きくずれたり、
すでに固定された階層の中であがいたりと、いまの20代、30代は大変だと思う。

そもそも中国では、時代の変動を血族で乗り切って来たのに、
その絆は共産党政権になってから大きくかたちを変えさせられた。
もとより、中国の文字や思想は、国を統治するためにあったので、
個人の生き様には寄与するものが少なかった上に、
学校でそんな古典すら学ぶことがない若い人たちに、
自分が拠って立つものを見つけろと言っても、不可能に近い。
しかも宗教はアヘンである。

そして、少数民族は、もともとの自分たちの文化を奪われ、
時代の変化を乗り越えるための新たな思想も、なかなか自分たちで醸成することが難しい。

せっかくだから、中国人たちも、ダライ・ラマ法王の本が読めればいいのになあ。
たくさんの智慧がつまっているから。