雨の音しか聞こえない朝、網戸から入る風が冷たくて窓を閉める。寝室の高窓を締めるのは何週間ぶり? こうでなくちゃあ!
夢のような淡い色を見せていた合歓の花を強力な葛が制覇して何処もかしこも覆い隠している。
初めて小さな花がついてから毎日ひとつずつ開くのを楽しみにしていた向日葵もほとんどが茶色の種を残して終わってしまう。なのに毎日毎日30度越え!去年の日記では9月1日には急に涼しくなっていたのに。ま、朝晩は涼しくなったから、と思いながら大きな麦わら帽子が手放せず、照ればちょっと早めに折り返した散歩。
ヘンリー ソローの 森の生活 を読んでいる。19世紀の哲学書に近い難解な本だけれど、私たちの暮らし方を肯定してくれるようで分かったような分からないような、などと思いつつページを進めている。
1817年生まれの作者の時代、マサチューセッツの湖のそばの自作の家から近い所に鉄道の線路が通って、人類こそ天の選んだ最も適合する生物ではないかと、そのすごいスピードの機関車を見て呟いている。200年後には人間は地球にとって間違いなく破壊をもたらす存在なのに。
夏の間、暗殺国家ロシア でチェチェンと暗殺された反体制メディアを知り、悪魔の選択のフォーサイスを読み直したりしていたので、19世紀のニューイングランドの自然礼讃が嬉しい。
人間がもたらしたに違いないこの夏の異常さの中でも、自分たちの手で作った家に住み、滔々とながれる川を眺めながら歩き、その時どきの恵みを、今は韮、スイバ、胡桃、ときには鹿や猪も、で食卓を楽しめることはやはり豊かな暮らしだと思わずにはいられない。嫌なことは何一つしないように、毎日元気にいられることが私たち流の生活だと教えられている。
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