誰も起きてこない朝、コーヒーを淹れ、パンを焼く。近頃ではコーヒーメーカーにお任せだし、パンもホームベーカリーになった。それでも苦めがいいとか酸味を聞かせたいとか選べるし、パンにも胡桃を入れたりヨモギを入れたりと楽しめる。新聞を開いて1面から記事を斜め読み、気になるものは丁寧に。パン1枚の後、たっぷりのヨーグルトにたっぷりの黄な粉、今なら庭で採れた桑の実や梅のジャムを混ぜて食べる。朝日歌壇と俳壇は、覚えている限り毎週のお楽しみだ。多分中学生だった頃から。
一応目を通し終えた頃、洗濯が終わっていて、二階のベランダに出る。天気、季節に関係なく大好きな景色。「あ、合歓が咲きだした」とか「川べりのクヌギに藤の花が下がっている」とか。外を見てお天気ならば散歩に出るし、そのままベランダでのんびりと本を開くこともある。
でも大体このころには夫が起きだして「めし!」という声が聞こえたり、徹夜仕事の息子が寝る前に「何かくれ」と言ってきたりするから一人の時間は終了となる。朝に弱い夫が私にとっての儲けもの、その代わり夜は逆で、私の寝た後は家の主が変わるのだ。
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