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銀英伝人物評126<マヌエル・ジョアン・パトリシオ>

2004年10月16日 01時40分53秒 | 銀英伝人物評
ついでにこいつも書いておくか。
宇宙暦639年、自由惑星同盟の最高評議会議長に就任した。それまでは2度の閣僚歴があり、大過なくそれを勤め上げた。強力な指導者というよりは温厚な調停者という印象。宇宙暦640年、同盟軍と帝国軍が初めて遭遇し、帝国軍の侵攻が避け得ない状況となり周囲からは、この男が元首で乗り切れるだろうかと不安になった。
ところが、このおっさんが曲者というか面白い男で、トラブルメーカーであったリン・パオとユースフ・トパロウルの2人にコンビを組ませて帝国軍にあたらせることを考え付いた。実は国防委員長のヤングブラッドはこの人事に反対したのだが、やんわりと説得した。

で、結局この人事が功を奏してダゴン星域会戦では大勝利を収めるが、その報告を受けた時、パトリシオはヤングブラッドを相手にのんびり三次元チェスをやっていた。報告を聞いても「若い連中がやってくれたらしいよ」とのんびりした感想を言っただけだった(うろ覚え)。
ちなみにこの時のパトリシオのエピソードは元ネタがある。中国の南北朝時代に起きた淝水の戦い(382年)がそれで、前秦軍を打ち破ったことを聞いた東晋の宰相・謝安がまさにこれと同じ状況だった。

戦乱の時代には不向きな政治家と思われていたパトリシオだが、実はすごいおっさんだったという話。