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読書感想文【黒笑小説】その2

2005年05月18日 10時45分59秒 | 読書感想文
感想の続き。

黒笑小説

「巨乳妄想症候群」
目の前にあるものがなんでも巨乳に見えてしまう男の話。
感想:☆☆
なんで男はみんな巨乳が好きなのか、という学説が展開されるが、結構説得力があった面白かった。話自体はやや平凡な印象。

「インポグラ」
研究者の友人が開発したインポになる薬「インポグラ」。この薬は世の奥様たちに旦那の浮気防止薬として大ヒットすることになるのだが…。
感想:☆☆
オチがいまいち説得力がないというか…。

「みえすぎ」
普通の人には見えるはずのない細かい粒子が見えるようになった男の悲劇。
感想:☆☆
世の中がいかに埃まみれなのかを実感してしまう。でもこれもオチが…。長編小説にしてもいいネタじゃないだろうか。

「モテモテ・スプレー」
いつも異性からは友人としてしかみられない男が、ある科学者が開発したモテモテ・スプレーを使って意中の人を射止めようとする話。
感想:☆☆
スプレーの効き目が切れるたびにころころ態度が変わるところが面白い。

「シンデレラ白夜行」
著者自身の代表作のシンデレラ版。
感想:☆☆☆☆
思わずそうきたか!とうなってしまう作品。本著の中で一番面白かった。「白夜行」を読んでいないと面白さは半分になってしまう。

「ストーカー入門」
ある日突然彼女からふられてしまった主人公。それから一週間後、彼女からストーカーになれ、と電話がかかってくる。言われるままにストーカーを続けるのだが…。
感想:☆☆☆☆
おどろおどろしい最後になるかと思ったら、思わずうまいとうならせられるオチだった。彼女のストーカー指南もおもしろい。

「臨界家族」
娘のためにアニメキャラの変身グッズを買わされる主人公。買っても買っても次から次へとアニメでは新しいアイテムが登場してしまい、キリがない。そしてその裏には…。
感想:☆☆
自分にあてはめるとちょっと怖い話だが、主人公のきれっぷりが笑えた。

「笑わない男」
売れないお笑い芸人・拓哉と真悟。営業先で一流ホテルに泊まれることになったのだが、マネージャーからは明日の営業で客にうけなかったらクビと宣告されてしまう。そこで二人は笑いに磨きをかけるためにホテルマンを笑わせようとあの手この手を考えるのだが…。
感想:☆☆☆
何気によくある話かもしれないが、オチのうまさは本著の中で一番。

「奇跡の一枚」
父親譲りの不細工な顔を持つ女が、旅行先で撮った写真を見るととんでもない美人に写っていた。そこでメル友にその写真を送ったら会いたいと言われてしまう。
感想:☆☆
しんみりしたオチで終わる。思っていた展開とは全然違ったなぁ。

読書感想文【黒笑小説】その1

2005年05月18日 10時23分04秒 | 読書感想文
昨日買って一日で読み終わってしまった。
ユーモア短編集といったところか。12篇中4編ある文壇話は登場人物が共通している。他は独立した話。
どの話もちょっと短すぎるというか、腹八分目みたいな感じがした。

とりあえず各話を独断で評価してみた。

黒笑小説

<文壇話>
「もうひとつの助走」
作家寒川はある文学賞の候補にのぼっていた。これで候補となるのは5回目。受賞作の発表当日、今度こそはという思いとはうらはらに、表面上は賞などまったく気にしていないように振舞う寒川。一方、寒川を囲む出版社の人間たちも表向きは寒川をおだてながら、内心ではまったく期待していなかった…。
感想:☆☆
ストーリーは面白かったし、登場人物それぞれの思惑も笑ってしまうのだが、オチがなんかいまいち。
逆にいうとオチ以外は面白かった。寒川のキャラもいい感じ

「線香花火」
新人賞を受賞した熱海。セールスマンをしていた彼は作家と二足のわらじをはくことにした。一方、賞を主催した出版社の方では、熱海の作品も熱海自身も全然印象にない…。
感想:☆☆
これもストーリーは面白かったんだけど(熱海の勘違いッぷりとか)いまいちオチがっ。それにしても熱海の作品が酷評されていたのになんで受賞できたのかは不思議。

「過去の人」
新人賞の受賞から一年、熱海はその間、短編2本と本を一冊だしたが、出版会からはほとんど忘れられた存在となっていた。そして今年の新人賞の発表があり、受賞パーティーに熱海も招待されたのだが…。
感想:☆☆☆
もう少し長い話にしてほしかったなぁと思わずにはいられなかった。相変わらず熱海の勘違いっぷりが面白い。

「選考会」
作家寒川に新設された賞の選考員の話がきた。30年間作家を続けてきた寒川にとって、選考員となることは夢であった。浮かれる寒川。だが選考では3人の選考員が推す作品がバラバラとなり、選考はこじれる…。
感想:☆☆☆☆
オチは読めたんだけど、でも面白かった。

とりあえずここまで。