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読書感想文【月に繭 地には果実】

2005年07月05日 14時19分36秒 | 読書感想文
作者は映画化される「終戦のローレライ」「戦国自衛隊1549」「亡国のイージス」の原作者。
ちなみにイージスは読んだが、ローレライは挫折した。

月に繭地には果実

で、タイトルだけだとぴんとこないが、ターンAガンダムの小説版である。元々文庫で全3巻だったものを1冊にまとめたため量がすごい。
ストーリーも途中から大幅に変更されている。

ここではストーリー紹介ではなく、原作との違いをあげていこうと思う。
【原作との相違】
・テテスがフィルの愛人
・ギンガナムはウィルゲムがザックトレーガーに格納された時に襲撃してき、しかもやられた
・ターンAの機能に瞬間移動がある
・核爆弾がテテスとロランの戦いの最中に爆発した
・アグリッパがグエンと手を組んで地球に向かうが、ハリーがカイラス・ギリで殺してしまう。しかも地球にまで届き、フィルやミラン、ミハエルなども死ぬ
・ディアナ専用のモビルスーツがあり、蝶の形をしたファンネルを飛ばす
・ターンAは2発目のカイラス・ギリが地球に届くのを防ぐが、そのままボロボロになって地球に降下、コア・ファイターのみが脱出し、本体は消滅した。その後コア・ファイターが再びターンAとして再生をはじめる
・ディアナはグエンと刺し違えて死ぬ
・ロランは最後にソシエと結ばれるっぽい

【小説版では登場しないキャラ】
コレン、ヤコップ、ブルーノ、キャンサー、メシェー、リリ・ボルジャーノン(故人になってる)、ギャバン、ジョゼフなど

【小説で明らかにされた設定】
・グエンがホモなのは幼い頃に祖父に女装をさせられたトラウマのため
・地球の大地にはナノマシンが残っており、地球の建物の電力はこのナノマシンから供給されている
・ハリーの祖先は100年以上前のギンガナムの反乱に荷担した
・アグリッパ・メンテナーは代々同じ顔に整形して、さも同一人物が何千年も生き長らえているように見せている。実際はクローン技術により歴代みんな百年ちょっとしか生きていない。初代アグリッパは発狂して自殺した
・ソシエは最初から最後までロランが好き


感想:
原作とはだいぶ違い、凄惨な戦いが地球でも月でも繰り広げられる話になっているが、これはこれで十分面白い。また、SF小説としても、細かい科学知識などがでてきて興味深い内容となっている。
一番の見所は原作にもあった黒歴史の開放のシーンか。レビル、ギレン、デラーズ、ハマーン、シャア、鉄仮面、マリアなどの演説シーンが登場し、それぞれにロランが突っ込みを入れているのが面白い。
ラストは結構感動した。
また、月に行くという目標のために何代も命を繋ぐウィル・ゲイム家、月の統治のために冷凍睡眠で命を永らえさせたディアナ、クローン技術で何千年も生きるアグリッパ(実際は代替わりしている)の三者の対比が面白い。ウィル・ゲイムは特にこの物語では重要人物。