今回も十二国記シリーズから。主人公の尚隆はほぼ全シリーズに登場する、十二国きっての快男児。

ストーリー:
雁の国の麒麟である延麒はまだ胎果の時に蓬莱に流されてしまい、室町時代の日本で六太という名で育った。が、戦乱の日本から戻った六太はとある海辺で妖魔に育てられた少年と出会い、更夜という名を与えた。
自分の使命を知った六太は再び日本に行き、瀬戸内海の弱小豪族である小松氏の元に厄介になる。そこで六太は、小松氏の跡取り・尚隆に出会う。
小松氏は村上軍によって滅ぼされ、尚隆は六太によって選ばれて雁の国の王・延王となった。当時の雁の国は前王の暴虐により国土は荒廃し、人口も激減していた。
だが王となった尚隆は自分に諫言をした二人の官吏を抜擢したこと以外はなすことなく、政務をまったく省みずに6年の月日が過ぎていった。
雁の国の中の元州から、治水工事の嘆願が3度に渡って尚隆の元に届いたが、尚隆はまったく手を付けない。尚隆は各州の長である州侯の権限を奪い取っていたため、州では治水工事ができないのだが…。
ある日、更夜が六太のところへ尋ねてきた。久しぶりの再開に喜ぶ六太だったが、更夜に拉致されて元州に連れ去られる。元州では数年前から州侯が病に臥せ、かわりに息子の斡由が政務を取り仕切っていた。民衆への思いが強い斡由は、その民衆を脅かす川の氾濫を防ぐため、治水工事の嘆願を王へ提出していたが、一向にその願いが叶えられないため、業を煮やして麒麟をさらったのだった。そして斡由は尚隆へ要求した。王の上に上帝の位をつくり斡由を上帝につけ、一切の権限を委譲しろと。
大騒ぎする廷臣たちを他所に、一向にあわてない尚隆は元州の討伐を決定する。だが、討伐しようにも兵が不足していた。それに麒麟を人質にとられている以上、尚隆の生殺与奪も相手の思うままだった。
そこで尚隆は国中に宣伝し、兵を募り、尚隆自身はいつのまにか元州の将軍にスカウトされ、斡由の懐に潜り込んでいた。
自身の思惑がことごとくはずれた斡由は、化けの皮がはがれ、尚隆と六太の前で罪を暴かれて斬首された。こうして元州の反乱は終わった。
感想:
シリーズの中で、年代順に並べると、この巻が一番最初にあたる。
作中では六太が尚隆を王に選ぶまでの話しと、現在の元州の反乱のストーリーが交互に描かれる。
結論からいうと、すべて尚隆の手のひらの上で踊らされたような感じで、尚隆が政務を省みず、下界に下りていたのも実は深謀遠慮があってのこと、そんな感じになっている。途中から筋書きが見えてきたのだが、最後の終わり方が爽やか。

ストーリー:
雁の国の麒麟である延麒はまだ胎果の時に蓬莱に流されてしまい、室町時代の日本で六太という名で育った。が、戦乱の日本から戻った六太はとある海辺で妖魔に育てられた少年と出会い、更夜という名を与えた。
自分の使命を知った六太は再び日本に行き、瀬戸内海の弱小豪族である小松氏の元に厄介になる。そこで六太は、小松氏の跡取り・尚隆に出会う。
小松氏は村上軍によって滅ぼされ、尚隆は六太によって選ばれて雁の国の王・延王となった。当時の雁の国は前王の暴虐により国土は荒廃し、人口も激減していた。
だが王となった尚隆は自分に諫言をした二人の官吏を抜擢したこと以外はなすことなく、政務をまったく省みずに6年の月日が過ぎていった。
雁の国の中の元州から、治水工事の嘆願が3度に渡って尚隆の元に届いたが、尚隆はまったく手を付けない。尚隆は各州の長である州侯の権限を奪い取っていたため、州では治水工事ができないのだが…。
ある日、更夜が六太のところへ尋ねてきた。久しぶりの再開に喜ぶ六太だったが、更夜に拉致されて元州に連れ去られる。元州では数年前から州侯が病に臥せ、かわりに息子の斡由が政務を取り仕切っていた。民衆への思いが強い斡由は、その民衆を脅かす川の氾濫を防ぐため、治水工事の嘆願を王へ提出していたが、一向にその願いが叶えられないため、業を煮やして麒麟をさらったのだった。そして斡由は尚隆へ要求した。王の上に上帝の位をつくり斡由を上帝につけ、一切の権限を委譲しろと。
大騒ぎする廷臣たちを他所に、一向にあわてない尚隆は元州の討伐を決定する。だが、討伐しようにも兵が不足していた。それに麒麟を人質にとられている以上、尚隆の生殺与奪も相手の思うままだった。
そこで尚隆は国中に宣伝し、兵を募り、尚隆自身はいつのまにか元州の将軍にスカウトされ、斡由の懐に潜り込んでいた。
自身の思惑がことごとくはずれた斡由は、化けの皮がはがれ、尚隆と六太の前で罪を暴かれて斬首された。こうして元州の反乱は終わった。
感想:
シリーズの中で、年代順に並べると、この巻が一番最初にあたる。
作中では六太が尚隆を王に選ぶまでの話しと、現在の元州の反乱のストーリーが交互に描かれる。
結論からいうと、すべて尚隆の手のひらの上で踊らされたような感じで、尚隆が政務を省みず、下界に下りていたのも実は深謀遠慮があってのこと、そんな感じになっている。途中から筋書きが見えてきたのだが、最後の終わり方が爽やか。