繁栄の花

空き地や時にはアスファルトの隙間から生えていて
オレンジ色の花を咲かせる花は何という名前だろう？

この花は誰もが一度は見たことがあると思います。
私なんかは小学校の頃、帰り道でよくこの花を摘んでお地蔵さんに供えていたくらいです。
(翌日には取り払われていたので、管理する人からすると気に入らなかったようだけど・・・)

さてこの花はナガミヒナゲシと言います。
“花”ってさっきから書いてますが雑草ですね。

実はこの花は恐ろしい繁殖力のようで
かつ周囲の植物の成長を阻害する物質を出すようです。
（アレロパシー活性：他の植物の生長を抑える働き）
あとこの花は外来種だそうで、日本各地に一気に拡散みたいです。
近所にこの花が咲いていると気を良いかもしれません。

なんで畑や花壇に生えている場合は抜いた方が良いでしょう。
オレンジ色で綺麗で可愛いと思うので、
何も無い空き地なんかで咲いてる分には放置しても良いと思いますが・・・

さてこの花を見て繁栄の花を思いだしました。
星新一の小説です。ネットで見つけたあらすじはこんな感じ。

武器をもたず、植物を愛でる、極めて平和的なメール星という星と交易を始めようとする地球。そこへメール星から荷物が届く。
「繁栄の花」
そう名付けられた花は、大変美しく、地球人は、この花が地球環境に適しているか研究する。
花は、どんな苛酷な環境にも堪え、季節ごとに違った花を咲かせ、手入れも殆ど必要がないことが分かった。次に、この花を殖やそうと考えた。調べるまでもなく花は、季節ごとの花が散ると種をつける。
花の美しさに魅力された人々は、それぞれに持ち帰り育てた。種は、市場にも流通するようになり、高値で取引された。
花を購入したものは、種が出来たら高値で売れる。まさに、購入者に"繁栄"をもたらす花だった。


流通量が増えれば、価格は下がる。繁栄の花の価格が安定してくる頃、この花が決して枯れないことに皆が気付き始めた。
「繁り栄えるのは、花の方だったか…」
このままでは、地球の植物は繁栄の花ばかりになってしまう。そんな折、メール星から使者がやってくる。曰く、繁栄の花は、メール星にしか棲息しないハチにしか枯らすことが出来ない。メール星は、繁栄の花を送りつけ、ハチを買わせることで他惑星を支配する星だった。
以後、定期的にハチを運んでくる使者たちは、去り際に必ずこう述べる。


「私たちが、"繁栄の花"と名付けた意味がお分かりでしょう？」