トルコのトピックス

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クーデター後、エルドアン大統領はアメリカにギュレンの引き渡しを要請

2016年07月17日 | 国際
7月18日 エルドアン大統領は、7月15日のクーデター後、アメリカに住む宗教学者フェトフラー・ギュレンの引き渡しをアメリカに要請しています。

 Hurriyet

「私はアメリカ大統領に電話して、ペンシルヴァニアに住むあの人物(ギュレン)を引き渡すよう言っている」とエルドアン大統領は、イスタンブルの自宅の前に集まった群衆に語りました。「両国が戦略的な模範的パートナーなら、どうぞ貴国のパートナーの要請に応えていただきたい」と大統領は言いました。

大統領はまた、アメリカがギュレンをトルコに引き渡したら、多くのことが変わるだろうと言いました。大統領は「今回のクーデターの試みは“軍内部の少数派”から起こったものだ」とも言いました。「彼らは軍内部のガンのようなものだ。いま、このガンは除去している」


クーデターに関しては4政党が結束

7月16日午後、国会総会が特別会議を開き、4党がクーデターを非難し、民主主義の脅威に対する結束を強調する共同宣言を発表しました。

 Hurriyet

イスマイル・カフラマン国会議長の下に開かれた総会は、まれに見る結束を示しました。4党の党首も議員も、こぞって軍のクーデターを非難しました。「犯人は厳罰に処されるだろう」と,カフラマン議長は会議の冒頭で言いました。

現政権・公正発展党(AKP)、最大野党・共和人民党(CHP),愛国者運動党(MHP),人民民主党(HDP)の4党の共同宣言が、議長スピーチの後、読みあげられました。ビナリ・ユルドゥルム首相は「確固たるスタンスに立つエルドアン大統領に感謝する。各政党と議員諸氏に感謝する。わが国の警察に敬意を表する・・・わが国を愛するトルコ軍当局に感謝する。朝まで祈りを呼びかけ、声明を発したイマームたちに感謝する。そして兄弟であり友である国民に感謝する」と言いました。

「わが国の国会は、1920年4月23日以来の困難な一夜を過ごした」と首相は、トルコ国会の設立された日に触れて言いました。「1980年9月の軍のクーデターのときでも、国会が砲撃されるようなことはなかった」

CHPのケマル・クルチュダルオール党首は、トルコ共和国が“痛みと血と涙”によって設立されたことからスピーチを始めました。「クーデターはわが共和国とその歴史に対する明らかな攻撃だった。しかし、わが国には変えられない憲法がある。民主主義の擁護、法の優先性、世俗主義が、われわれすべての義務である」と言い、民主主義に対する攻撃を非難しました。

MHPのデヴリュト・バフチェリ党首は全国の市民に感謝し、「国民の意志が公然と攻撃された」と言いました。HDPを代表してイドリス・バルケン氏は、クーデターを起こした反乱軍を非難し、「軍にも、官僚にも、市民にも、クーデターを起こす合法的理由はない」と言いました。


「政府は野党と死刑の再導入を検討する」エルドアン大統領

7月15日のクーデター後、「政府は死刑の再導入について野党と討議する」と、エルドアン大統領が明言しました。

 Hurriyet

「政府は(死刑について)野党と討議します。私たちは、政府として、国家として、皆さんの要請があることを知っています」と、エルドアン大統領は、7月17日、イスタンブル・クスクル地区の自宅の前で、集まった群衆に語りました。

ヌマン・クルトゥルムシュ副首相も、民放CNNトルコで、「政治は社会的感性に鈍感であってはならない」と言い、クーデター以後、死刑の問題について、“共有の要請”があると付け加えました。


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全国で何千人もがクーデターに抗議

2016年07月17日 | 国内
7月17日 16日、全国で何千人もの人々が街頭に出て、クーデターに抗議しました。抗議者たちは国旗を振り、イスタンブルのタクシム広場に集まり、イスティクラル通りへ行進を始めました。

 Hurriyet

首都アンカラでは、何千人もがクズライ広場に集まって、クーデターに抗議し、クーデター反対のスローガンを叫びました。ビナリ・ユルドゥルム首相が演説をすることになっていましたが、演説は延期されました。広場は交通止めになりました。

エーゲ海岸のイズミル県では、抗議者たちはコナック広場に集まり、クーデター反対のスローガンを叫びました。アメリカのペンシルヴァニアに住む宗教学者フェトフラー・ギュレンの住居前にも抗議者たちが集まり、バナーを掲げ、スローガンを叫びました。


総計2839人がクーデターで拘束された

総計2839人の軍人が、クーデター関与容疑で拘束されたと、ビナリ・ユルドゥルム首相が、7月16日の記者会見で言いました。拘束された者の中には上級将校もいます。

Hurriyet
トルコ海軍地中海地方司令官ネジャト・アティラ・デミルハン提督も、メルシンで拘束された。


CNNトルコは、彼らの中には4人の将軍と29人の大佐がいると報じました。ベキル・ボズダー法相は、全国81県の国家検事たちが、すでにクーデター画策の調査を始めていると言い、「拘束は、大半はアンカラとイスタンブルで行われたが、トルコの他の場所でも拘束者は出ている」と言いました。

第3陸軍の作戦参謀長エクレム・チャーラル准将も拘束されたと、CNNトルコが報じました。


空軍司令官は結婚式出席中に人質にされた

トルコ空軍司令官は、7月15日、結婚式に出席中に、クーデターに加わった兵士たちによって人質にされました。

 Hurriyet
結婚式出席中に人質にされたトルコ空軍トップ


アビディン・ウナル空軍司令官は、エスキシェヒル戦闘空軍部隊のメフメト・シャンヴェル司令官の娘さんの結婚式に出席していました。結婚式はイスタンブルのアジア側のモダ・シー・クラブで行われ、ウナル将軍のほか、空軍の幹部たちも出席していました。

Daily Hurriyet によると、結婚式中、5機のヘリが式場の庭に着陸し、発砲しはじめました。反乱兵士たちはヘリを下り、ウナル将軍とシャンヴェル将軍のほか、他の司令官たちも人質として連れ去りました。司令官たちの救出のための活動はつづいています。

・・・花嫁花婿もショックだったでしょうね。


ギリシャは8人の反乱兵をトルコに返すだろう

トルコのメヴリュト・チャウシオール外相は、ギリシャのアレクサンドロポリスに逃げ込んだ8人の反乱兵たちを返すようギリシャ政府に要請しました。

 Hurriyet

「ギリシャのニコス・コツィアス外相は、私に電話で、トルコからギリシャに逃げ込んだ8人の裏切り者らを返すと言った」と、16日、外相はツイッターに書き、「兵士たちは逃げられないだろう」と言いました。ギリシャ当局は協力する用意があると、チャウシオール外相に言ったそうです。

反乱兵の乗ったヘリコプター「ブラック・ホーク」は、ギリシャ北部のアレクサンドロポリス空港当局に遭難信号を送った後、着陸しました。8人の中の7人は軍服を着ていて、全員がクーデターにかかわったと思われると、ERTテレビは報じました。

  ◆クーデター関連の記事は昨日(16日)の頁にも。


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クーデターは17時間で鎮圧された。エルドアン政権これで盤石

2016年07月17日 | 国内
7月16日 トルコの軍内部から起こったクーデター、日本でも大きく報道されているので、皆さま、すでに相当の情報を得ておいでと思いますが、トルコの Hurriyet Daily Newsの最新記事を一部、要約しながらご紹介します。


「ギュレニストのクーデターは鎮圧された。死亡194人」と軍が発表

将軍を含む多くの兵士たちによる流血のクーデターが、7月16日、治安部隊によって鎮圧されました。トルコの民主主義に汚点を残した夜、全国で多くの市民が街頭に出て、反乱兵たちに反対の意志表示をしました。

 Hurriyet

「反乱軍によって人質にされた司令官たちの中で、トルコ軍参謀長フルシ・アカル将軍のみ救出された。他の司令官たちの居所は不明」と、16日、参謀長代理ユミト・デュンダル将軍が言いました。「空軍司令部、憲兵隊司令部、武装部隊の一部もクーデターの陰謀に与していたが、すでに鎮圧された」とデュンダル将軍は言いました。

反乱兵たちは政府・軍・民間のビルを占領しましたが、16日にはほとんど撤退し、アクンジュラル空軍基地にいたトルコ軍のトップ、アカル将軍は解放されました。将軍はアンカラの参謀本部で、他の司令官たちとともに反乱兵たちによって、人質になっていました。

約5000人の市民グループがクーデターに反対して基地内に押し入り、うち6人が反乱兵に殺害されました。アクンジュラル基地はクーデターの首謀者たちが、司令部として使っていました。トルコの治安部隊は、クーデターの首謀者らがいた軍の参謀本部に対する作戦を終えたと、16日、CNNトルコが報じました。

エルドアン大統領が宿泊していたホテルを攻撃
クーデター陰謀者らはエルドアン大統領も標的にしていました。大統領が泊まっていた、エーゲ海岸のリゾート地マルマリスのホテルを、多くのヘリコプターが空爆しましたが、大統領はその2時間前にホテルを出て、イスタンブルに帰り、アタテュルク國際空港の大集会で演説していました。ホテルでは警察と反乱兵の戦闘が起こり、少なくとも警官1人が死亡しました。

CNNトルコによると、反乱軍側が操縦するF16ジェット機が、16日朝、アンカラの大統領宮殿近くを爆撃しました。エルドアン大統領はCNNトルコの電話インタビューで、軍内の“少数派グループ”がこのクーデターを計画したと言いました。

大統領は市民に街頭に出るよう呼びかけた
エルドアン大統領は、アメリカに住む宗教学者フェトフラー・ギュレンが、このクーデターを起こさせたと言っています。大統領は反乱軍による“占領”を終わらせると誓い、国民に空港や広場で団結の意志表示をするよう呼びかけました。大統領はイスタンブル空港で、この呼びかけをくり返しました。イスタンブル中のモスクのイマーム(イスラムの指導者)たちが、夜遅く、市民たちに礼拝を呼びかけ、国家防衛のために街頭に出るよう訴えました。

「状況は大きく抑制された」と首相
ビナリ・ユルドゥルム首相は、16日朝、「反乱軍がヘリと航空機でアンカラとイスタンブルを手あたり次第に空爆している。15日の深夜から反乱軍のクーデターがつづいている」と発表しました。首相はまた、CNNトルコに、「反乱軍はアンカラとバルケシルの空軍基地から、無差別に空爆を行い、アンカラとイスタンブルで大きな被害を出している」と言いました。

首相は空軍司令官に“必要なことをする”よう命じたと言いました。「トルコ国会も空爆されたが、現在は抑制され、4党の議員たちは国会内にいる」ということです。首相はまた、「私は野党のリーダーたちに感謝している。彼らは民主主義を守った。彼らはクーデターに反対する立場をはっきりと示し、政府の側に立ってくれた」と語りました。

政府はアカル将軍の不在中、デュンダル将軍を第1陸軍司令官に任命しました。このクーデターは、反乱兵のグループが、15日夜、アジアとヨーロッパを結ぶボスフォラス海峡の2つの橋を封鎖したときから始まりました。クーデターに加わった兵士たちは、ボスフォラス橋上にとめた戦車から、市民や警察の水砲車を砲撃していましたが、16日の朝、投降しました。CNNトルコは50人が投降したと報じました。

2人の市民 ー 広告業界のビジネスマン、エロル・オルチャクさんと彼の息子が、ボスフォラス橋上で撃たれて死亡しました。市民3人も砲撃で負傷しました。

憲兵隊本部で16人死亡。250人が拘束された
ジェラレッティン・レケシズ・トルコ警察本部長は、16人の反乱兵が憲兵隊総司令部で殺害され、総司令部は反乱軍から奪還されたと発表しました。「反乱軍は全国81県の憲兵隊を支配し管理しようと試みた」とレケシズ本部長は言いました。

「大統領宮殿もあるベシュテペ地区の警察署では、まだ作戦がつづいているが、おおかたは終わった。彼らの中の16人は殺害され、250人が拘束された」と、彼は言いました。イスタンブル知事によると、反乱軍は、アンカラのギョルバシュの特殊部隊本部を攻撃中、警官17人を殺害しました。トルコのサテライト・オペレーターTURKSTATでは、従業員2人が殺害されました。

反乱軍に占領されていた国営放送TRTは、治安部隊によって奪還されました。“国家協議会の平和”と名乗るクーデターの陰謀者たちは、TRTのアナウンサーに宣言文を読ませ、この国を制圧したと主張しました。他のメディアも、親政府メディアとして、侵入され攻撃されました。

ジャーナリスト死亡
イエニシャファク紙は同紙の写真家ムスタファ・ジャンバスさんが頭を撃たれ死亡した、と報じました。ヒュリエット、ヒュリエット・デイリー・ニュース、CNNトルコ放送、その他ドーアン・メディア各社が入っているイスタンブルのドーアン・メディア・センターにも、16日朝、反乱軍が押し入り、数人のジャーナリストとビル内の職員を、一時、人質にしました。その後、彼らは拘束されました。

国会の首相オフィスにも爆弾があたった
反乱軍は、議員たちが会議中に、国会を砲撃しました。議員たちはビル内のシェルターに避難しました。首相オフィスも激しく破壊されました。国営アナドル通信は、戦闘機とヘリがアンカラ警察署を2度空爆したと報じました。

ベキル・ボズダー法相は「クーデターは成功しなかった」と言いました。法相は、すべての政党と放送局が民主主義を貫いたことに感謝しました。法相は兵士たちに、反乱軍に従わないように呼びかけました。

第1陸軍司令官デュンダル将軍は、反乱が起こってすぐ、イスタンブル知事に連絡をとったと語りました。ビュレント・ボスタンオール海軍司令官は「司令官として、われわれはこのクーデターを公然と拒否する」と言い、参謀本部特殊部隊司令官ゼカイ・アクサカルル将軍は「無法者たちの試みは成功しない」と言いました。

自称“協議会”は戒厳令も宣言しましたが、フィクリ・ウシュク防衛相は、「これは盗賊どもの宣言で、軍司令部とは関係ない」と言いました。NTV放送によると、トルコ軍のF16ジェット戦闘機が、反乱軍が乗ったヘリを撃墜しました。CNNトルコは1機のヘリが、アンカラの参謀本部を砲撃したと報じました。

現政権・公正発展党(AKP)のイスタンブル支部長は、CNNトルコに電話で、反乱兵のグループがビルから彼らを追い出そうとしていると報告しました。アメリカのフェトフラー・ギュレンは、クーデターとの関与を否定し、最大級のことばでクーデターを非難しました。


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