最近思う事は、国会でいま何が審議されているかというようなことについて、新聞をいくら読んでもほとんど書いていないということだ。「水道法」(水道事業に海外勢も含めた民間事業者が参入することを可能とした)にしろ、「漁業法」(地元漁協の優先的な漁場についての権限をうばった)の改正にしろ、編集デスクがトピックとして取り上げることに決めたことだけが、わずかに載っていたにすぎない。
昨年の「種子法」(コメなどの主要産品の種子の研究管理を公的機関が保障する義務をなくして自由化した)の撤廃については、私はその時期にあまりニュースに注意していなかったので事後に知った。これらの規制撤廃は、アメリカをはじめとする外国の政府・資本の要求、ТPP条約の締結などと深く関連しているだろう。
これに加えて、認可権を持つ官庁がどういう判断を下しているのかについても、いちいち新聞やテレビで丁寧に報道がなされるわけではない。3月19日の新聞を見ると、遺伝子組み換え技術によって登場する新たな産品については、監督する官庁が審査してそれが通ればすぐにも流通可能なのだそうだ。これは医薬品よりもずっと緩いと言わざるを得ない。
近年のゲノム編集技術の飛躍的な発展によって、簡単に遺伝子編集が可能になった。しかし、遺伝子の操作の過程で発生するリスクが十分に検証されているわけではない。
遺伝子を切り貼りする過程で、がんの発生等につながる有害なタンパク質が生成されることになっても、それはすぐにはわからない。何でも新しいことに飛びついて、すぐさまそれを産業化しようとする態度の危うさについて、われわれはもっと自覚的であるべきだ。自分の子や孫が知らないうちにガンのリスクにさらされているとしたら、安閑と座って茶飲み話ばかりしているわけにはいかない。
※ 追記。 9月20日の新聞によると、9月19日に、ゲノム編集された食品について、その表示義務がない、ということを正式に決定して発表してしまったようである。いたずらに不安をあおるつもりはないが、もしもの健康被害の可能性があるものを、一監督官庁の判断で強行してしまっていいのか。
私にはまったく理解できないし、許せないと思う。ラグビー・ワールドカップ初戦勝利のかげで、こういうことがやられている。と言うより、あえてこの日にぶつけたわけか。
※ 追記。 この問題についてのすばらしい参考図書が刊行された。それは、山田正彦著『売り渡される食の安全』(角川新書)である。これを読むと、種子法を廃止して、国家の根幹である米の種子についての農民の権利を奪い、日本の利害と日本の国民の健康を考慮しない行政当局のなりふり構わぬ海外資本への擦り寄りの姿勢が見えて来る。
昨年の「種子法」(コメなどの主要産品の種子の研究管理を公的機関が保障する義務をなくして自由化した)の撤廃については、私はその時期にあまりニュースに注意していなかったので事後に知った。これらの規制撤廃は、アメリカをはじめとする外国の政府・資本の要求、ТPP条約の締結などと深く関連しているだろう。
これに加えて、認可権を持つ官庁がどういう判断を下しているのかについても、いちいち新聞やテレビで丁寧に報道がなされるわけではない。3月19日の新聞を見ると、遺伝子組み換え技術によって登場する新たな産品については、監督する官庁が審査してそれが通ればすぐにも流通可能なのだそうだ。これは医薬品よりもずっと緩いと言わざるを得ない。
近年のゲノム編集技術の飛躍的な発展によって、簡単に遺伝子編集が可能になった。しかし、遺伝子の操作の過程で発生するリスクが十分に検証されているわけではない。
遺伝子を切り貼りする過程で、がんの発生等につながる有害なタンパク質が生成されることになっても、それはすぐにはわからない。何でも新しいことに飛びついて、すぐさまそれを産業化しようとする態度の危うさについて、われわれはもっと自覚的であるべきだ。自分の子や孫が知らないうちにガンのリスクにさらされているとしたら、安閑と座って茶飲み話ばかりしているわけにはいかない。
※ 追記。 9月20日の新聞によると、9月19日に、ゲノム編集された食品について、その表示義務がない、ということを正式に決定して発表してしまったようである。いたずらに不安をあおるつもりはないが、もしもの健康被害の可能性があるものを、一監督官庁の判断で強行してしまっていいのか。
私にはまったく理解できないし、許せないと思う。ラグビー・ワールドカップ初戦勝利のかげで、こういうことがやられている。と言うより、あえてこの日にぶつけたわけか。
※ 追記。 この問題についてのすばらしい参考図書が刊行された。それは、山田正彦著『売り渡される食の安全』(角川新書)である。これを読むと、種子法を廃止して、国家の根幹である米の種子についての農民の権利を奪い、日本の利害と日本の国民の健康を考慮しない行政当局のなりふり構わぬ海外資本への擦り寄りの姿勢が見えて来る。