見づらいので昨日の記事を編集し直します。
・『金井秋彦歌集』 2013年7月 砂子屋書房刊
若描きのディフィの〈港〉の絵を貼りぬ春の日射しの明るむ壁に 金井秋彦
巻雲のかがやく朝の屍の髪に風の触れゆくやさしさが見ゆ
※「屍」に「し」と振り仮名。
一首目のような明るい歌がある一方で、金井秋彦には二首目のような歌が多々ある。対幻想のなかにある自身と女性をともに「屍」と呼ぶ歌が、歌集『水の上』にはいくつもある。ここには作者固有の秘められた悲劇があるのだが、その具体はついに明かされない。画家になることを断念してのち、生活者としてあり続けるほかはない作者の現実の仕事は痛苦に満ちている。
わがつくりしギルドも商人はみな狡くおおかたは掠めあいて潰(つい)えぬ
商圏という語さえ理解し得ざりし彼らにも生の怨みは重く
帰りきてしばし寝(い)ねまた係争の場へ出でてゆく病む身責(せ)めつつ
壮絶なリアリズムの歌である。ここをごまかしていくら歌を作ったってだめなのだ。今の時代は、そういうものが多すぎる。
・『金井秋彦歌集』 2013年7月 砂子屋書房刊
若描きのディフィの〈港〉の絵を貼りぬ春の日射しの明るむ壁に 金井秋彦
巻雲のかがやく朝の屍の髪に風の触れゆくやさしさが見ゆ
※「屍」に「し」と振り仮名。
一首目のような明るい歌がある一方で、金井秋彦には二首目のような歌が多々ある。対幻想のなかにある自身と女性をともに「屍」と呼ぶ歌が、歌集『水の上』にはいくつもある。ここには作者固有の秘められた悲劇があるのだが、その具体はついに明かされない。画家になることを断念してのち、生活者としてあり続けるほかはない作者の現実の仕事は痛苦に満ちている。
わがつくりしギルドも商人はみな狡くおおかたは掠めあいて潰(つい)えぬ
商圏という語さえ理解し得ざりし彼らにも生の怨みは重く
帰りきてしばし寝(い)ねまた係争の場へ出でてゆく病む身責(せ)めつつ
壮絶なリアリズムの歌である。ここをごまかしていくら歌を作ったってだめなのだ。今の時代は、そういうものが多すぎる。
私からすると私の母の父親(私の祖父)の唯一の弟との事ですのでこうしてweb上で名前を見られた事だけで嬉しく思います。