写真とエッセーの森

徒然の写真によせて

母の食用菊作り

2011-11-15 | 日記

ピンクの花はモッテノホカといっていた食用菊。

くせのない上品な味だ。黄色は香りが強いが、

母が初めて手掛けた食用菊。栽培が容易だったようだ。

 

 

雪の降る前のすこしの季節、我が家は菊の香りで息がつまるほどだった。

母が取り寄せ育てた菊が増えた。収穫した菊を

余さず始末して私に渡した。私は

せっせと料理したり冷凍保存していた。

そのうちに冷凍庫も冷蔵庫も菊でいっぱいになった。

なますやてんぷら、菊寿司にも飽きて

悪いと思ったが「もうたくさんでいらない」という意味のことを

言った。それからも母は菊作りを続けていた。

今までと違うことは収穫した菊を、すぐ食べられるように始末してから

ご近所や知り合いにもらってもらっていた。

そうしていると、苗をほしいと言われプレゼントする。

我が家の食用菊は減りつづけた。そんなとき、母は倒れて

菊作りはできなくなった。

昨日冊子で偶然、菊料理を目にする。懐かしさで胸が締めつけられた。

もっともっと優しくできなかったのか・・・

春になったら食用菊の栽培をして、あの食味をまた確めたい


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