韓国ドラマ 散歩ガイド~散る花と咲く花がいつもここにある~

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奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第16話 妖術師

2017-08-22 07:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

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1話~11話はこちらで公開しています

12話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第16話 妖術師 

 

“先帝の慟哭は地に埋められ ヨンチョルの笑いは天を衝く

先帝の血書が現れる日 天は激怒し血の雨が降る”

 

蹴鞠の競い合いの場に現れた丞相ヨンチョル

スンニャンが ワン・ユが そしてシヌたちがその表情を見つめる

思惑通り 憮然としたヨンチョルは 側近たちを順に睨んでいる

上奏文に“挑戦状”を忍ばせることが出来る人物は 一体誰なのかと…!

 

(ペガンとタルタルに その度胸があるはずもない

チャン・スニョンに至っては そんなことすら考え付かないだろう

ワン・ユはよそ者であり この国の権力に興味はない

自分に刃向かえる者は皇太后くらいだろうが… 方法が違う

一体… 誰だ?!)

 

一方 蹴鞠の勝負は熾烈を極めていた

元と高麗(コリョ)の戦いと言いつつ 実際は…

タファンとワン・ユが スンニャンを巡って争っているのだ

タファンはスンニャンを独占しようとし ワン・ユは自由を求めた

 

2対2の同点となり ワン・ユが渾身の蹴りを入れた

しかし タファンとて負けてはいられない…!

我が身を呈して防ごうとし そのまま気絶してしまう!!!

 

トクマンが 意識のない皇帝を担ぎ 寝所に運ぶ

同じ時 丞相ヨンチョルは…

 

上奏文を扱う官吏をすべて捕え 惨い拷問を続けていた…!!!

ただ上奏文を運んだだけのチャン・スニョンは捕えられず

身に覚えのない官吏らは 死んでも構わないと明言され締め上げられる!

 

ワン・ユは ようやく意識を取り戻したという皇帝を按じつつ

ヨンチョルの怒りが頂点に達していることを予測し シヌを労っていた

 

丞相ヨンチョルは 2人の息子とペガン そしてタルタルを呼び

血書にも見える怪しげな上奏文を見せていた

 

タルタルは 血文字に見えるがそうではなく しかも筆跡を隠そうと

左手で書いたか もしくは字を知らぬ者が書いたと見破った

 

いずれにしても 堂々と上奏文に細工し 丞相に挑んでいるのだ

ペガンは そもそも血書は実在するのかが気にかかる

タンギセも 最期まで先帝に仕えた者がいるはずだという

 

女官も宦官も 当時の側近はすべて殺したというヨンチョルだが

その時の死体が 何度数えても1つ足りなかったのだと…!

 

“その者”は 先帝に仕えた護衛であり チョクホという

槍の使い手で高麗(コリョ)の出身だということ以外に情報はない

 

そこで2人の息子は ヨム・ビョンスの話を切り出す

ビョンスは 親衛隊長の遺体から疫病に感染した

何者かが 疫病が蔓延している高麗(コリョ)村から遺体を運んだのだと…!

ヨンチョルは 直ちに高麗(コリョ)村を調べよと命じ

ペガンとタルタルは 無言で視線を交わす…!

 

寝所の皇帝タファンは…

 

顔面を強打し 青あざができ始めていたが 誰にも触らせようとしない

侍従コルタは困り果て スンニャンに一任する

甘え声でスンニャンに身をまかせ 薬を塗ってもらうタファン

本当は ワン・ユが勝って嬉しいのだろうと拗ねてみせる

たとえ嘘でも 皇帝を応援していたと言わないスンニャンが憎らしいのだ

 

そこへ 皇太后が来て スンニャンに下がれと命じた

ただ皇帝の怪我を心配して 現れたのではない

丞相ヨンチョルの動きを察知し タファンに真実を伝えに来たのだ…!

 

タファンは 父である先帝の死因を 食あたりだと聞かされている

殺された父親が 死の間際に指を切り 血書をしたためたのが真実であれば

どれほど無念だったことだろうと さめざめ泣き出すタファン

 

しかし 今は悲しむ時ではなく

現状を見据え 敢然と立ち向かうべき時だと諭す皇太后

 

一方 スンニャンは

 

客人の着替えを運ぶ雑用係として ワン・ユの元を訪れる

チェ・ムソンと剣を交え 鍛錬するワン・ユを遠目に見つめるが

会いに来た相手はワン・ユでなく パン・シヌだった

 

それを見かけたチョンバギは なぜスンニャンが?と思い

ワン・ユに 何気なく2人が会っていることを告げてしまう

 

スンニャンとシヌは 怪しまれないよう次々に連絡方法を変えていた

今度は 衣服を届けることを口実にしていたのだ

 

手短に打ち合わせを終え 早々に立ち去ろうとするスンニャン

そこへ 憮然としてワン・ユが現れる

 

なぜ シヌへ下した任務を スンニャンが請け負っているのか…!

スンニャンは すべて自分が申し出たことだと シヌを庇った

 

『二度と… 私の前に現れてはいけない!』

 

ワン・ユは こうして訪ねるのも 自分を按じるのも禁ずるという

冷たく突き放すことこそが スンニャンを守ることだと信じて…!

 

傷心のスンニャンを見かけ タンギセが呼び止める

頬に残る涙の痕を 見逃さないタンギセ

 

『なぜ他の者のために泣く! お前を泣かせるのはこの私だけだ!』

 

そう言い捨て タンギセは高麗(コリョ)村へ向かう

村長マクセンが連行され 尋問が始まった

とぼけた皮肉混じりの答えなど タンギセには通用しない

 

よそ者の死体が 村の外へ運び出された件について

真実を話さなければ 村ごと焼き尽くすというタンギセ!

 

確かに 死体を運び出した人物はいるが… と口を濁すマクセン

運び出した張本人のペガン将軍が マクセンに向かって剣を突き出す!

その脅しが何を意味するか マクセンには分かっている

 

するとひとりの村人が “高麗(コリョ)王”と名乗る者だと叫んだ!!!

 

村長を庇い 自分たちを見捨てた廃王に恨みを晴らせるなら

真実などどうでもよかったのだろう

 

ペガンとタルタルは 一瞬 視線を合わせ ため息をつく

確かに自分たちが告発されることなく済んだが

何だか 話が複雑になってしまったと…

 

報告を受けた丞相ヨンチョルは すぐにワン・ユを呼びつける

 

なぜ 疫病が蔓延する村へ行ったのだと問われ

ワン・ユは 動じることなく即答する

“自分の民”に会いに行くのに なぜ疫病など恐れるのかと

 

ヨンチョルは ワン・ユに ただ警告するのみで放免した

タンギセは なぜもっと追及しないのかと 不満げに訴える

 

『有能で危険な人物であればこそ 近くに置くべきなのだ

それが 人の扱いというものだ!』

 

こんなことも分からないのかと ギロリと息子を睨むヨンチョルだった

 

スンニャンは 抜け殻のようになっていた

皇帝タファンに仕えながら 心ここにあらずで茫然としている

ワン・ユに疎んじられたことで 憔悴していた

 

タファンは そんな様子のスンニャンを責められなかった

今まさに自分も 同じ心境なのだ

先帝の死の真相を知り 血書の存在を知った今

ただ生き長らえるために 愚かな皇帝のままでいいのだろうか…

しかしだからといって 何をすればいいのか分からない

皇太后は ただ血書を捜してはならないと言うだけであった

 

同じく やるせない心境の者同志 酒でも飲もうと言い出すタファン

卑しい者と同席し 酒を飲むなど… と進言する侍従コルタ

しかし そうは言いつつ タファンの恋路を応援したいコルタだった

 

同じ時

 

ワン・ユは ヨンチョルに対抗する次の一手を考えていた

上奏文を使い 突破口を開くことが出来たのだ

ここで果敢に攻め 宮中を混乱させる策が必要だ

 

するとシヌが 妖術師の見世物で観た“アレ”を利用しては?と提案する

それは 一瞬にして文字が消えるという見世物であった

もちろん仕掛けはあるのだろうが 皆が妖術だと驚いたのだ

 

この大都には 妖術師を名乗る者が大勢いるのだという

どういう仕掛けでそうなるのか 調べれば分かるだろうと…!

 

夜も更けて

 

いよいよ困り果てたコルタが ヤンを下がらせては… と進言する

しかし したたかに酔ったタファンは 聞く耳を持たない

 

『今も… ワン・ユの隣にいたいのか? それとも… 私のそばがいいか?』

 

酔った勢いで聞いたタファンに

負けじと飲んだくれ 泥酔しているスンニャンが答える

スンニャンには 目の前のタファンが ワン・ユに見え始めていた

 

『思うまま 申してみよ』

 

そう急かすのは タファンでなく ワン・ユに見えているスンニャン

うっとりと鼻にかかった声になり 甘えた口調で拗ねてみせる

 

『お力になりたいだけなのに… なぜ分かってくれないのですかぁ…』

 

酔いつぶれたスンニャンを 寝台へ運ぶタファン

意識のないまま 皇帝が眠るべき寝台で 寝息を立てるスンニャン

その時 『王様…』とつぶやいたのを タファンは聞き逃さなかった

 

やはり スンニャンの心には ワン・ユが存在しているのだった

しかし何がどうであろうと ワン・ユに渡すことは出来ない

 

タファンは 意識のないスンニャンを どうしようかと考える

でも 同意なくどうにかなることは出来ず やがて眠りに落ちていく…

 

翌朝

 

2人を目覚めさせたのは 皇后の来訪を告げるコルタの叫び声だった…!

陛下は“お通じの最中”だと 実に苦しい言い訳で 皇后の入室を遮るコルタ

舌打ちをし 済んだら呼べと言い 一旦は立ち去る皇后タナシルリ

その隙に寝所から飛び出たスンニャンは お付きの尚宮の後方に並ぶ…!

 

再訪したタナシルリが スンニャンの存在に気づかぬはずがない

寝台の脇の食台に 2つ並ぶ盃を これもまた気づかぬはずがない

執拗なタナシルリの追及に 明確な答えを避けるタファン

雑用係として並ぶスンニャンは あり得ないほど酒臭かった

 

側室と過ごしても許せないタナシルリなのに

相手が雑用係とあれば みるみる怒りが込み上げる…!

スンニャンは 一緒に飲んだことを否定せず 挑戦的に睨み返す

その毅然とした居直りが さらにタナシルリの自尊心を傷つける

 

一方 パク・ブルファとチョンバギは

 

大都で有名な妖術師のもとを訪れていた

口の軽い妖術師は 文字が消える秘密は 特別な墨によるものだという

西域の謎の液体を混ぜた墨で書けば 湿気によって文字が消えると…!

 

ブルファは大金を積み その墨を譲り受ける

そして 湿気に触れても消えないという墨も譲り受けることを忘れなかった

さらに大金を積み すぐに大都を離れてくれと頼む

妖術師は金に目が眩み 二つ返事でそれを了承した

 

命令通り 妖術師から墨を手に入れたが

ワン・ユがそれをどう使うか 2人にはまったく分からなかった

 

『元の民が最も恐れるのは 丞相ではなく天だ

この墨で 天の呪いをかけてやる』

 

天気は下り坂で 今にも雨が落ちてきそうである

ワン・ユの目論見に 天も味方しているかのようであった

 

〈息子が失踪すると 父は恐れおののき 啼いて血を吐く

やがて犯人から書簡が届き それを見た父親は 家から出ようとしない

結局 息子は死んでしまった

捕えられた犯人は 都へ護送する途中 父親に 鉄槌で3度打たれた

これは前代未聞の事件である 殺された者の家門は没落してしまう

父親の処分が決まっておらぬゆえ 判断を求めるものである〉

 

ワン・ユが書いた“嘆願書”は まったく意味不明だった

これを提出すれば 司法担当の刑部の前に 貼り出される

 

さらにワン・ユは同じ物を何枚も書き 大都の民にも配布せよと命じた

息子を殺された父親が その犯人を殺したという文面は

よくありそうな事件であり 読んだ者の関心は低かった

 

しかし シヌの予報通り雨が降り出すと

貼り出された嘆願書に変化が起きる…!

ワン・ユが 何度も筆を替え 墨を違えて書いたのは

雨によって消える文字と 残る文字を書き分けていたのだ

そして 残った文字だけを辿ると…

 

“先の皇帝 血書 出ずる ヨンチョル 3代没落”

 

これは 西域の妖術の一種であるというタルタルの言葉に

都じゅうの妖術師を捕えろ!!! と激怒するヨンチョル

 

これを仕掛けた犯人が 血書を捜す者であれば なぜ公にしたのか…

タルタルは 怒りの矛先が自分たちに向かわぬためにも

ヨンチョルの命令通り 妖術師をすべて捕えるべきだという

 

ワン・ユは 側近たちに くれぐれも言動には気をつけろと忠告する

今は決してヨンチョルに弱みを握られてはならないのだ…!

 

その頃 高麗(コリョ)村では

 

村の様子を探る男が捕えられ 村長マクセンの前に引き摺り出されていた

その男とは 疫病に感染したヨム・ビョンスだった…!

同じ高麗(コリョ)の出身のよしみで

村に置いてほしいと 涙ながらに懇願するビョンス

 

きっとこの村に 隠された秘密があると

それを突き止めれば 再び出世の機会が巡って来ると信じるビョンスだった

 

貼り紙の文字が消えて 恐ろしい内容の文字が浮かび上がったことを知り

スンニャンは 慌ててワン・ユのもとへ走る…!

 

しかしワン・ユは スンニャンを完全に無視し立ち去ってしまう

そしてシヌに 自分の代わりにスンニャンを守るようにと命じる

 

同じく 貼り紙の内容を知った皇帝タファンは

すぐにも朝廷で 臣下たちと議論すると言い出す

すでに丞相の罪は 民の知るところとなった

今こそ丞相を追い詰める好機だと…!

 

皇太后とチャン・スニョンは 必死に皇帝の暴走を止める

 

血書の存在と 丞相の罪が示されたところで

証拠となる血書が見つからないままでは 単なる噂に過ぎないのだと

 

いずれにしても タファンが これほどまでに怒りを感じたことはない

ただただ生き延びるため 泣いて命乞いをした皇帝は

丞相に戦いを挑み 討ち勝とうとする意志を示すほどになっていた

 

丞相ヨンチョルは これまでになく追い詰められていた

しかし今まで 何度も危機はあったのだと 息子たちに言い放ち

皇帝を 大明殿へ呼び 直ちに私兵を召集せよと命ずる…!

 

皇帝タファンが 大明殿に入ると…

 

丞相ヨンチョルは 玉座から見下ろし 座したまま迎えた

タファンはその光景を目にした瞬間 怖気づいてしまう

あまりに大胆なヨンチョルの振る舞いに 侍従コルタは絶句し

スンニャンも 表情を強張らせたまま ただ進むしかない

 

しかし一行は その玉座の前に辿り着く前に 私兵に囲まれる!!!

 

この国の皇帝を私兵で取り囲むなど 明らかな謀反であるが

丞相ヨンチョルには それが許されているのが現状だ

タファンは 父親が書いたという血書のことなど 何も知らないと…

声を震わせ自分は何も知らないのだと 懇願するしかない…!

 

『陛下がご存知かどうか… どうでもいいことだ!

困るのは 陛下が何者かに操られ 利用されること…!

この国の民は 私を “皇帝の首を2度挿げ替えた男”と呼びます

ならば… 3度目があっても不思議ではない!』

 

今こそ丞相の罪を 朝廷で議論する時だと息巻いて

あれほど奮い立ったタファンは もうどこにもいない

一体どうすれば… と 今にも泣きそうに問うばかりである

 

丞相ヨンチョルは 何もしないことだと言い放つ!

生きながらの亡霊のごとく 何も考えず 何もしないことだと…!

 

消え入るような声で 何もしないと誓うタファン

自分が座るべき玉座の前で ヨンチョルに見下ろされたまま…

 

やがてヨンチョルの目くばせで タンギセが 私兵を下がらせる

包囲され 剣を突き付けられていたタファンは

侍従コルタに支えられ 立っているのがやっとである

 

その夜

 

タファンは 傷心のあまり寝付けなかった

今も恐怖心で震えが止まらない

真っ暗な庭園の 池にかかる橋に座り込み 憔悴し切っている

 

今の皇帝を慰められる者は スンニャンしかいないと

コルタが 傍へ行くよう命じた

 

しかしスンニャンでさえ 今のタファンには容易に近づけない

この上ない屈辱を受けたのは おそらく先ほどのことだけではないだろう

皇帝タファンは 飾り人形のように扱われても 屈辱に耐え生きているのだ

 

スンニャンは タファンと背中合わせに座り 目を閉じ耳を塞いだ

何も語らず ただ背中と背中をくっつけ タファンに寄り添う

 

そんな2人の光景を 通りかかったワン・ユの一行が目撃する…!

 

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