“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています
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12話より〈gooブログ〉からの公開となります
※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります
第17話 呪いの始まり
夜の庭園で 背中合わせで時を過ごすタファンとスンニャン
やがて落ち着きを取り戻したタファンは 寝所に戻り
スンニャンは いつものように書を読み聞かせる
何も見えず 何も聞こえないと言い タファンの憂いを包み込んだスンニャン
タファンは二度と あのような無様な姿を見せたくないと心に誓う
一方 ワン・ユは
庭園での2人の姿が目に焼きつき やるせない思いで弓を射る
振り払っても振り払っても スンニャンの顔が浮かび 心が痛むのだった
それからの丞相ヨンチョルは 堂々と私兵を宮殿内に引き入れていた
守備司令官として ペガン将軍の立場は愚弄され 完全に無視される
さらにヨンチョルは 祈祷中の皇太后を訪ね 血書を捜すなと警告した
皇太后は ヨンチョルの脅しに臆することなく反発する
互いに言い合いながら その腹の底を探り合うのだった
そしてヨンチョルは 皇太后が黒幕ではないとの確信を持ち
皇太后は 今こそ反撃の時機だと判断するに至る
怪文書の黒幕がつかめぬまま 膠着状態が続く
ヨンチョルは 皇太后に招かれたというワン・ユに
くれぐれも行動を慎むよう注意するが
まさか すべての計画がワン・ユの策と 疑っている様子は微塵もない
一方 皇后タナシルリは
本日の 皇后への挨拶は無用であるとの知らせに
それならば尚更行かねば! とほくそ笑む
こうして 皇太后殿の前で 皇帝と皇后 そしてワン・ユが顔をそろえた
来なくてよいと告げた皇后の訪問を 苦々しく迎えた皇太后は
一瞥するにとどまり タナシルリがここにいないかのように
招待に応じたワン・ユと 話を進めようとする
するとタファンが 雑用係のヨンファを差し置き
スンニャンに 茶を煎れろと命じる
別に茶の味が変わるわけでもないと 不満げに口を出すタナシルリ
『この者の煎れる茶でなければ 私は飲まぬ!』
憮然とするタナシルリを無視し 皇太后は本題に入る
こうしてワン・ユを呼びつけたのは 縁談を勧めるためであった
ワン・ユは すぐさま丁重に辞退した
縁談の話なのに 呼ばれなかったタナシルリは途端に不機嫌になるが
ワン・ユが断ったことで すぐに機嫌を直す
タファンは 茶を煎れるスンニャンの反応ばかりが気になっていた
そして自らも 縁談を受けるべきだと ワン・ユを説得していく
皇室と姻戚の関係になることは 今後の立場が変わるいい機会だと
重ねて断るワン・ユに 想い人でも?と聞くタナシルリ
もしそうなら 喜んでばかりもいられない
その“想い人”が自分であるならば また話は別だが…
その時 スンニャンの動きが止まり ワン・ユと視線が合ってしまう
想い人がいるかどうかも 縁談を断る理由も言わないまま
スンニャンが煎れた茶を飲み この場は失礼するというワン・ユ
縁談の話に動揺したのか スンニャンは 茶を運ぶ途中でつまづいてしまう!
転びそうなスンニャンを見て 咄嗟に身を乗り出すワン・ユ!
その肩に 熱い茶がかかり 苦痛に顔をゆがめる!!!
必死に平静を装い 自分は何ともないからと
くれぐれも この者を罰せぬよう言い置き去って行く
蒼ざめて涙ぐみ 皇太后に叱られながら退室するスンニャン
熱湯で煎れた茶がかかり 大丈夫なはずがないのだ…!
タファンは ワン・ユのため あれほど動揺するスンニャンに失望する
退室したスンニャンは 雑用係の詰め所でヨンファを締め上げる!
スンニャンがつまづいたのは ヨンファが足を引っ掛けたからであった
転んで恥をかくだけならいいが ワン・ユに火傷させたことは許せない…!
気を失いそうなほど締め上げられ 命乞いするヨンファ!!!
たかが茶を煎れる係を奪われた程度の ヨンファの嫉妬心など
スンニャンの殺気に 勝てる筈もなかった
自分から 3歩以上離れてはならぬと命じたのに
スンニャンは いつの間にかいなくなっていた
タファンは すぐに捜せ!とコルタを叱りつける!!!
きっと ワン・ユのところへ行ったのだと思うと
居ても立ってもいられないタファンだった
ワン・ユの火傷は かなりの重傷であった
タファンが懸念するとおり スンニャンが駆けつけている
シヌが持って来た薬箱を奪い 強引に中へ入る!!!
自分のせいでこんな火傷を… と涙ぐむスンニャン
口では下がれと命じながら ワン・ユは それ以上拒めなかった
やがて迎えが来て スンニャンはタファンのもとへ
怒りをひた隠し 寛大な笑顔で迎えるタファン
懐の深さと 皇帝としての余裕を見せつけようとしているのだ
火傷が酷く きっと今夜は高熱が出る
せめて今夜だけでも ワン・ユの看病がしたいというスンニャン
寛大さを装うのもここまでだった
では 眠れない自分はどうすれば?誰が書を呼んでくれるのかと!!!
寝付くまではそばにいろと 寝付いたら行くがよいと許しながら
タファンは 意地でも寝るものかと心に決めていた
何度も眠りに落ちそうになりながら 必死に眠るまいとするタファン
一方 ワン・ユは
もう来るなと言いながら 心のどこかで スンニャンの再訪を期待していた
怪文書の黒幕は 手がかりすら掴めず 血書の行方も知れない
ヨンチョルの焦りは 側近らへ怒りの刃となって向けられた
捕えた妖術師をすべて斬首し その首を掘りに捨てろと命じる!!!
それが 未だ姿を現さない黒幕への警告になると…!
すでに目玉をくり抜かれた妖術師らが 民の目の前で斬首された
さらに 血書について話した者を告発すれば 褒美を与えると告知し
今後一切 怪文書について語ることのないよう 民に警告した
怪文書がきっかけとなり 丞相ヨンチョルの暴政が始まったのである
すべては思惑通りに進み 次の段階へ進むというワン・ユ
そして自ら 次の怪文書を書いていく
“白蓮教の信者たちは 教主様に忠誠を誓い 崇拝している
教主様は 自分のことを玉皇上帝と呼んでいる
信じる者だけを祝福し 信じない者を呪い この世を混乱させ民を欺いて行く
今後 取り締まりを始めるから 承認を求めるものである”
またしても訳の分からぬ文章に チョンバギたちは首を傾げる
パン・シヌの膝が痛む夜 つまりは雨が近づく夜 一斉に怪文書が貼られた
翌日
参内の途中 通り雨に降られ 雨宿りするヨンチョル
その目に飛び込んできたのは 雨に打たれて変化する怪文書であった…!
“先の 皇帝 呪い 始まる”
この怪文書は 妖術師の惨殺以上に 民を震え上がらせた
4年も続く凶作すら 先帝の呪いだと噂が広まっていく…!
そして 皇帝タファンもまた 2度目の怪文書に驚き
まさに父上の無念が 呪いとなったのだと言い出す
前回は そんな皇帝を まだ時機ではないと戒めた皇太后であったが
間もなく好機が訪れると励ます…!
その好機の到来までは これまで以上に操り人形を装い油断させねばと!
“呪いが始まる”と詠ったからには 呪いを起こさねばならない
ワン・ユは さらなる恐怖で怪文書の呪いを 現実のものにしていく
手始めに ブルファとチョンバギが 城外でネズミを生け捕る…!
高麗(コリョ)村では
ようやく回復したヨム・ビョンスが 薪拾いをするまでになっていた
そこへ現れたブルファとチョンバギに気づき 慌てて隠れるビョンス!
2人は村長に会い この村のネズミを生け捕ることを
黙認してほしいと頼みに来たのだ
その話の内容を知ることは出来なかったが
ビョンスは この村とワン・ユが繋がっていることを知る…!
宮殿では
皇帝タファンが 大明殿に 将軍ペガンとタルタルを呼びつけ
“血書を捜せ”と命じていた
※大明殿:元の皇居の主殿
丞相に仕え 丞相の命令で動いている者に そんな命令を?
ペガンは そもそも血書などないと とぼけていく
血書を捜していることが丞相に知れたら? と問うタルタル
しかし これまでのタファンとは様子が違っていた
大青(テチョン)島で 自分を救った2人こそ
その事実を 丞相には知られたくないのだ
だからこそ2人に命令できるタファンであった
この大明殿の玉座から 初めて自分の意思で命令した
その姿を 是非ともスンニャンに見せたかった
玉座の後ろから出てきたスンニャンに 得意顔で笑いかけるタファン
そしてスンニャンは 初めてタファンに『協力する』と申し出た
ワン・ユにも タファンにも 共通の敵である丞相ヨンチョル
丞相を追い込む方法はただ一つ 血書を捜すことなのだ
『そなたさえ味方になってくれるなら この上なく心強い』
将軍ペガンは 皇帝に頼もしく命令され 気分が良かった
しかしタルタルは 人はそう簡単には変われないという
おそらく背後に誰かがいて 言いなりになっているに過ぎないと…
スンニャンの部屋に いつの間にか入り込んだノ尚宮が暴れ
トクマンや雑用係たちが駆けつけ 大騒ぎになっていた
自分は血書を見た!と 大声で叫ぶノ尚宮
トクマンが 殺されるぞ!と叱りつける
いくら気がふれていると言っても 丞相が許すはずがない
『私は血書を見た! どこに在るかも知ってる!
ずっと陛下のそばにいたから知っているの!!!』
ここは自分の部屋だと言い張るノ尚宮
それをなだめ 一緒に暮らしましょうというスンニャン
トクマンは 血書の話は真に受けるなと言うが どうしても気になる
『尚宮様のお世話は 私がします』
最期まで 陛下のそばにいたというノ尚宮
それが真実なら ノ尚宮は 血書の行方を知っているかもしれない
すぐに聞き出すことは難しいだろうが スンニャンは 待つことにした
その頃タファンは コルタに命じ 密かに影絵の準備を進めていた
丞相に 遊び呆けているように見せるためだとしながら
いよいよ今夜がその日だと ニヤケ顔になる
あれこれと口実を作ってはいるが すべてはスンニャンのためだった
ところが この計画を偶然に知ったソ尚宮が 皇后に報告してしまう…!
『きっと パク・オジンのためであろう?』
『あの者は お腹が大きいため そんな遊びは禁じられています』
『ならば…』
『皇后様のためではございませんか!』
久しく会うことのない皇后に対し 皇帝が仲直りを申し出るため
照れ隠しに影絵を催すのだというソ尚宮
そうまで言われて 悪い気のしないタナシルリであった
それなら今夜 影絵の催しに ワン・ユも呼べと言い出すタナシルリ
自分に気があるワン・ユを呼び 皇帝に嫉妬させようという狙いだった
勘違いも甚だしいと思いつつ ソ尚宮は命令に従った
溺愛されて育ったタナシルリは 皆が自分に好意を持つと思っている
その中から選ぶ立場が自分であり すべては思いのままだと信じているのだ
皇帝と皇后には 影絵を巡る待ち遠しい夜であったが
ワン・ユにとっては 数百匹のネズミを放ち災いを起こす大事な夜であった
やがて夜になり 縁談話を口実に招待され
タナシルリのもとへ集う タファンとワン・ユ
宴の料理を毒味するスンニャンに タナシルリが不機嫌になる
皇帝の自分が命じたのだと言われては それ以上責められない
縁談の件は ワン・ユが即座に断り もう話題はなくなった
この退屈な宴を早々に切り上げ スンニャンを喜ばせたいタファン
すると皇后タナシルリが 影絵の話題に触れた…!
ギョッとしてむせ込むタファン!!!
『私のために用意してくれたなら 行って差し上げても構いません
ワン・ユ殿も ご一緒にいかがですか?』
皇帝の嘆きを思い じっと目をつぶるコルタ
最も知られたくない皇后に 大事な催しを知られてしまった…!
『それにしても陛下 私が影絵を好きだと いつ知ったのですか?』
(知っていたなら 決して影絵などやらなかった…!)
スンニャンと2人だけで観るはずだった影絵
それなのに 左の席には皇后タナシルリが座り 楽しそうに観ている
そして右の席には 本来なら呼ぶはずのないワン・ユまで…
ため息をつき振り返ると コルタの隣に立つスンニャンが 影絵を観ていた
タファンに手招きされ コルタに促され 進み出るスンニャン
その気配にワン・ユが気づき 椅子をずらし タファンとの間に隙間を作る
よく見える場所で 影絵を楽しむスンニャン
ふと タファンが手を差し伸べ スンニャンの左手を握る…!
すぐ隣に皇后タナシルリが座っているというのに
スンニャンが いくら振りほどいても 執拗に手を握るタファン
それを目撃したワン・ユは 思わず自分も スンニャンの右手をつかむ!
それぞれに両手を握られ 身動きできないスンニャン…!
暗がりの中で ワン・ユと見つめ合う
あれほど自分を拒んでいたワン・ユとは思えないほど
その視線は情熱的であった