“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています
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※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります
第23話 悲報
スンニャンは 逃げ延びた洞窟でたった1人きり 陣痛に耐えていた
苦しみ抜いた末 洞窟内に高らかな産声が響き渡る…!
生まれた子は男の子で その右足の甲には星のような3つのアザがある
同じ時 高麗(コリョ)のワン・ユが 突然に暴れ出した馬から落馬した
ふと胸騒ぎを覚え チョンバギに 元へ様子を見に行けと命じる
パン・シヌは 命からがら逃げ延び 倒れているパク・ブルファを発見する
そしてスンニャンは 産み落とした我が子を胸に抱き
王様が正式に名付けてくれるまで 息子の名を“星(ピョル)”とした
喜びも束の間 ヨム・ビョンス率いる親衛隊が迫り
赤子を背負って逃げ出すスンニャン…!
そして 追いつめられた先は断崖絶壁だった!
ひとりの兵士が迫り 赤子に手を伸ばす!
至近距離から矢で射抜かれたスンニャンは
兵士に取り縋って身を守ろうとするが
赤子もろとも 兵士を道ずれに落ちていく…!
そこへ現れたチョクホが 親衛隊の目を盗み絶壁の下を覗き込むと
スンニャンだけが 崖の途中の岩場に引っかかっている!
ビョンスは 女官のひとりが生き延びて 宮殿へ向かったと知り
わざと自分の足に斬り傷をつけ 山賊に襲われた様にみせかける
生き延びて宮殿に戻ったのは イ・ホンダンだった
そしてトクマンを介し 皇帝に謁見!
賊に襲われた一部始終を報告する
身重の側室パク・オジンは殺され 女官と雑用係も皆殺しに…!
途中まで一緒だったスンニャンは その生死さえ分からないと!
やがて親衛隊が帰還し 負傷したビョンスが涙ながらにひざまずく
タンギセが すぐにも討伐隊を差し向けると息巻き
皇帝タファンは 自分も同行すると言い出す!
『陛下の外出には 父上の許可がなければいけません!』
丞相一族の言い分など 到底信じられるものではない
タファンは コルタに スンニャンを捜せと命じた
オジンの亡骸を見つめ 涙ながらに謝罪するタファン
心から愛した相手ではないが 皇太后の野心のもと
皇帝の世継ぎを身ごもったばかりに 犠牲になったのだ
タンギセは 賊に扮しオジンを殺した者たちを 皆殺しにせよと命ずる
今回のことは 丞相にも内密に 皇后の頼みで動いたこと
決して真実が洩れぬよう 始末をつけなければならない
ここでビョンスが スンニャンの命も奪うことが出来たと報告する
タンギセにとっても厄介な存在のスンニャンを この自分が殺したと!
ところが 当然喜ぶはずのタンギセが 怒り狂って怒鳴り散らす!
生け捕りにしろと言ったのに!!!と
タプジャヘも なぜここまで兄が激怒するのか 訳が分からない
タンギセは スンニャンへの想いを気取られぬよう 必死に怒りを抑える
その夜
泣きながら山中を彷徨う パン・シヌの姿があった
シヌは ビョンスがスンニャンの胸に矢を撃ち込むところを目撃し
さらには 崖から転落する様子を見てしまったのだ!
せめて遺体だけでも連れ帰ろうと 必死に捜索していると
そこへ やはりスンニャンを捜しにトクマンが現れる
『すべては皇后様の命令だと 確かにこの耳で聞いたんだ!
オジン様を殺したのも… 黒幕はすべて皇后様だと…!』
トクマンは シヌを連れ 皇太后のいる感業寺へ向かう
すべての真相を知った皇太后は 皇后への怒りをあらわにする…!
『人でなしめ! 世継ぎを身ごもった側室を亡き者にするとは!!!』
それでも 丞相一族に対抗するだけの力を蓄えねば
怒りだけでは 迂闊に動けぬと 皇帝への伝言を託すのだった
続いてシヌとトクマンは 助けたパク・ブルファのもとへ…!
ブルファは 幸いにも一命を取り留めていた
陽物が斬られ もう子供を作ることは出来ないが
命が助かっただけでも よかったと言える
※陽物:男根
そしてスンニャンも チョクホに助けられ死なずに済んだ
その命を守ったのは ノ尚宮からもらったあの鏡だった
心臓を射抜くはずの矢が 鏡を割って威力を欠いたのだ…!
するとチョクホが 鏡の割れ目から布が見えると言い出す
スンニャンには そんなことなどどうでもよかった
確かに背負っていたはずの我が子 星(ピョル)の姿がどこにもない!
半狂乱で息子を捜すスンニャン!
崖下には スンニャンと一緒に落ちた親衛隊の兵士の遺体があった
その手には 星(ピョル)を包んでいた布が…!
赤子は死んでしまったのだと チョクホがどんなに言い聞かせても
スンニャンは 認めることが出来ない…!
同じ時
皇帝タファンのもとへ トクマンが駆けつける
そして 悲痛な思いでスンニャンの死を報告した
今 トクマンが 何を口にしたのか…
タファンは あまりに信じがたい知らせを認めることが出来ない
遺体は見つかっていないが 親衛隊の矢に胸を射られ 崖下に落ちたと聞き
一体 誰の命令でそんなことが? と 幼子のように泣き出すタファン
唯一の友として… 愛する女性として… 大切に思ってきたスンニャンが
もうこの世にいないなど どうして信じられるだろう
トクマンは 泣きじゃくる皇帝を見つめ 自らも涙が止まらなかった
一方 スンニャンは 我が子をくるんでいた布を抱きしめ
チョクホと共に 襲撃された輿がある場所へ戻る
そこには ノ尚宮と女官たち そして雑用係の遺体が放置されたままだった
スンニャンは 全ての遺体を埋葬し その死を悼む
宮殿を出た自分を見送ろうとして 行列について来たソ尚宮
スンニャンを庇い 斬り殺されてしまったのだ
山賊ではなく 親衛隊が皆を殺す光景を チョクホは目撃していた
この惨劇は自分のせいだと 思わずにはいられないスンニャンだった
やがて陽が傾き 山中を歩く2人
すると向こうから 怪しげな一団がやって来る
それは 手広く商売を仕切る“メバク商団”の行列だった
素早く隠れたスンニャンとチョクホだが
すぐに見つかり捕らわれてしまう!
皇帝タファンは コルタに 自分を殺してくれと頼む
もう この世に生きる理由が見当たらないと…
自分が大切にする者たちは 皆この世からいなくなった
ならば自分も死んで もう何もかも終わりにしたいのだと…
『この忌々しい命を終わりにしたい!』
『なりませぬ 王様!』
『私は 死ぬことすら自由に出来ぬのか!!!』
激しい心臓の痛みを訴え 喉をかきむしるように意識を失うタファン!
主治医の診察では 心痛のあまり意識を失い 声も出なくなったという
駆けつけた丞相ヨンチョルは 不敵な笑みを浮かべて皇帝を見つめる
どうせ 全ての命令は自分が出しているのだ
皇帝の意識がなかろうが 声が出なかろうが 何も問題はないと…!
皇覚寺では
諦めずに不妊治療を続ける皇后タナシルリ
主治医は まるで成果のない治療を強要され辟易していた
今ならばまだ 流産したと報告すれば済むというソ尚宮
それではダメだ!と叫ぶタナシルリ
そしてソ尚宮に ならば赤子を捜せ!と命ずる
子が流れれば 陛下はまた側室を迎えてしまう
たとえ何度始末しても 自分に子がない限り側室はやって来るのだと…!
ソ尚宮は 出世の足掛かりとして 皇后付きの尚宮になった
丞相の娘であるタナシルリに仕えれば きっと栄華を極められると…!
しかし この狂気じみた皇后に どこまで翻弄されるのか
すると どこからか赤子の泣き声が聞こえてくる
とうとう幻聴が?というタナシルリだが その泣き声はソ尚宮にも聞こえる
外へ出てみると 尼僧が 生まれたばかりの赤子を抱いている
聞けば 山中で息絶えた男が 赤子を抱いていたのだという
早産で生まれてしまったようで 体は小さいものの 泣き声は力強い
尼僧の手から赤子を奪うタナシルリ
奇跡のように現れた 願ってもない赤子であった
今日からこの子を我が子にすると 満面の笑みで宣言するタナシルリ
この寺にいる 3人の尼僧と大勢の使用人が事実を知っているのだ
完全なる口止めなど 到底無理な話だと呆れ果てるソ尚宮
『死人に口なしを言うではないか』
始末を命じられたソ尚宮は 青ざめていく…!
しかし 皇后自らの手を汚させるわけにはいかないと
この凶行を引き受ける決心をする!
高麗(コリョ)では
交鈔が偽物だという噂が広まり 民衆が混乱していた
秘密裏にしていたことが どうして噂になるのか…
※交鈔:元の紙幣
ムソンは 陰謀があるのではないかと進言する
ワン・ユは 偽造犯が高麗(コリョ)に潜んでいるかもしれないという!
高麗(コリョ)に潜み 噂を広めたのは あのヨンビスであった
紙切れ同然に価値がなくなった交鈔を 根こそぎ買い締めていくヨンビス
そして この交鈔の価値が 再び上がる策を講じているというのだ
交鈔を巡り 再びワン・ユと闘うとは… 因縁としか言いようがなかった
メバク商団の行列は 元に向かっていた
捕えられたスンニャンとチョクホも 荷車に放り込まれている
ようやく着いた場所は あの丞相ヨンチョルの屋敷だった…!
タンギセたちに気づかれぬよう 慌てて顔を隠す2人!
商団を率いるフクスが ヨンチョルに会う
このフクスこそが 交鈔の価値を上げるための交渉人だったのだ
交鈔1枚につき銀貨3つ この交換比率を高麗(コリョ)に命じてほしいと
商団が 奴隷の売り買いで儲けた資金が ヨンチョルの財源である
“お頭”の頼みとあらば 二つ返事で了解するヨンチョル
そして 姪を嫁がせたいので 嫁入り道具を準備してほしいという
その嫁ぎ先は 高麗(コリョ)の廃王ワン・ユだと…!
皇覚寺では
ソ尚宮が 3人の尼僧を呼び 茶を振る舞っていた
そしてヨンファに命じ 自分が立ち去ったら寺に火を放てという…!
寺の外で待機するタナシルリの一行
慌てて行列に加わるソ尚宮
行列を先導するのは 2人の兄
皇后となった妹の懐妊が まったくの嘘とも知らず
出産のため 宮殿に戻るのだと信じている
輿の中 タナシルリは その手に赤子を抱いている
薬で眠らされた赤子は 泣くこともなくピクリとも動かなかった
その可愛らしい右足の甲には 星のような3つのアザがある
この盗まれた赤子こそ スンニャンが産んだ星(ピョル)なのだった…!
宮殿に着くなり 急に産気づくタナシルリ
その世話をするのは ソ尚宮とヨンファのみである
ヨンファは すでに手に入れていた“へその緒”と“胎盤”を用意していた
大袈裟に悲鳴を上げ 出産の苦しみを演技するタナシルリ!
ソ尚宮は 必死に皇后を励ます演技をし
ヨンファは 寝台の上に豚の血を塗りつけていた
そして 部屋の外では 2人の兄と丞相が待っている
タファンは 皇后が産気づいたと知っても 反応すらしない
そこへ 皇子の誕生を知らせるソ尚宮!
ヨンチョルにとっては初孫であり 世継ぎとなる皇子の誕生であった
その喜びようは これまでに見せたことのない笑顔に表され
この初孫を “マハ”と命名するヨンチョルだった
高麗(コリョ)では
民たちが 価値が下がった交鈔を さらに安く売リ飛ばしていた
ここで交鈔の交換比率が 銀貨3枚に引き上げられれば もう買い戻せない
しかし父王は 元の命令とあれば従うしかないと言うばかりであった
ようやく部屋に戻ろうとするワン・ユ
すると部屋の前に 元へ偵察に行けと命じたチョンバギが立っている
そしてチョンバギの背後には 憔悴し切ったパン・シヌが…!
スンニャンの懐妊という 喜ばしい報告をするはずだったのに
シヌは スンニャンが亡くなったという悲報を伝えねばならなかった
皇后タナシルリが 2人の兄に命じ 側室を亡き者にした
その騒ぎに巻き込まれ 矢を射られて崖下に転落したと…!
ワン・ユは スンニャンとの僅かな幸せの時を思い出す
たとえ死んでもそばにいたいと 互いに想い合ったはずなのに
たとえ離れていても 心はひとつだと誓い合ったはずなのに…
もう スンニャンに会えないという現実は ワン・ユを打ちのめした
その頃スンニャンは
チョクホと共に メバク商団の商人フクスから査定を受けていた
フクスは スンニャンの顔相を占い 善と悪が混在する高貴な相だという
スンニャンは フクスを睨み付け むやみに人を売買するな!と言い放つ
フクスは なにも善良な民ではなく 罪人を売買していると言うが
自分も含め 捕えられた者たちは罪人ではないと叫ぶスンニャン…!
『貧しい家に生まれたこと 無力な国の民として生まれたこと
それこそが 人間に科された最も恐ろしい罪なのだ…!
つまり いなくなっても捜されない罪 何の役にも立たないことが罪だ!』
『その卑劣極まりない顔… 決して忘れぬからな!!!』
フクスは スンニャンの値段を決めかね保留にした
然るべき人物に交渉すれば こちらの言い値で売れるとほくそ笑む…!
牢に入れられたスンニャンは 僅かばかりの荷物を枕に寝転ぶ
すると 包みの中に鏡があったことを思い出し 開けてみる
そういえばチョクホが 矢傷で割れたところから布が出ていると言っていた
気になり引っ張ってみると 布にくるまれて古ぼけた紙が出て来た
(血書だ…!)