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武士ペク・ドンス 第15話
『そんな運命! 無視すればいいんです! 俺が守ってみせます!!!』
沙彌尼ユ・ジソンは ドンスを信じてそばに駆け寄る…!
ここで「北伐の計」を奪われるわけにはいかないと ヨ・ウンが剣を抜く!
剣を交えながら 2人は 互いに心をぶつけ合う
殺手(サルス)などと言いながら 結局は自分を斬れないのだろうと
わざと我が身を差し出すように 隙を見せていくドンス
使臣と人(イン)テウンの目には 気づかれないが
ウンが ドンスを斬れないのは明らかだった
そこへ キム・グァンテクとフクサモたちが駆けつける…!
2人の勝負を止め 人(イン)テウンを睨みつけるグァンテク!
「北伐の計」を握りしめ 高笑いする人(イン)テウン
必死に逃げていた沙彌尼が 再び捕えられ今にも殺されそうになっている
その時!!!
火矢が「北伐の計」を貫き 人(イン)テウンの手からこぼれ落ちる!
ファン・ジンジュが 馬を駆るドンスを見て後を追って来ていた…!
拾おうとするそばから火矢が撃ち込まれ たちまち燃え上がる「北伐の計」!
そして沙彌尼のもとへは ヤン・チョリプが駆けつけ救出する!
ドンスは 運命を振り払うためにも 苦痛に耐えてほしいと叫ぶ
沙彌尼ユ・ジソンもまた それに応え ドンスに背を向け目を閉じる
2人が今 何をしようとしているのか…
ドンスの手には 燃え盛る松明が握りしめられている…!!!
上着を脱いだジソンの背中は ウンが服を斬り裂きあらわになっている
ドンスは その背中に 泣きながら松明の火を押し当てる
じりじりと背中を焼かれながら 苦痛のあまり気を失うジソン!
この光景に 慌てて船に乗り込む清の使臣と人(イン)テウン!
ヨ・ウンと芸妓クヒャンは その場に取り残されてしまう…!
倒れ込むジソンのもとへ ジンジュと芸妓クヒャンが駆け寄った
黒紗蝋論(フクサチョロン)の一味だったクヒャンは
思悼(サド)世子に頼まれたものの ジソンの入れ墨を消してはいなかった
ドンスの思わぬ行動で 背中に大やけどを負ったジソンだった…!
運命は変えられると断言し 愛するジソンの背中を焼いたドンス
ジソンもまた運命を変えたくて 死ぬほどの痛みに耐えた
これを目の当たりにしたヨ・ウンの心は揺らぐ…!
殺手(サルス)であることは 自分の運命だと思っていた
グァンテクやフクサモが止めても 自分はここへは戻れない
黒紗蝋論(フクサチョロン)に帰るしかないのだと 馬を駆るウンだった
黒紗蝋論(フクサチョロン)の砦では
天(チョン)がすでに砦を去り 地(カオク)だけが迎えてくれた
そして 今この時より ウンが黒紗蝋論(フクサチョロン)の天主だという
天(チョン)は 朝鮮全土にいる武芸の上段者と戦う旅に出た
その上段者の名簿には ファン・ジンギの名も挙がっている
倒すべき最後の相手は 剣仙(コムソン)キム・グァンテクだ…!
天主の座を蹴り 抜けようとすれば 全国から刺客が放たれる
自由の身になりたければ 天主の座に君臨するしかないのだと…!
結局ウンは みんなのもとへ帰ることは出来なくなった
ヨ・チョサンの息子として生まれたウンは
紛れもなく グァンテクにとって息子も同然の存在だった
ドンスと共に少年時代を過ごし 運命など忘れていた時期もあったのに
苦しい修行に耐え 壮勇衛(チャンヨンウィ)となり 宮廷にも入ったが
結局は 運命を振り払うことが出来ずに終わるのか…
ユ・ジソンもまた 運命を背負い生きて来た
幼い頃から“運命”を言い渡され その通りに生きろと教えられてきたのだ
高熱にうなされ もうろうとする意識の中で ジソンはドンスを見る
自分を 運命から抜け出させてくれた人…
心から感謝し いつまでも見つめ続けるジソンだった
その後のジソンの容態を 芸妓クヒャンがウンに報告する
一方 ドンスは 心から強くなりたいと決心し
剣仙(コムソン)キム・グァンテクの前にひざまずく
強くなるために… 愛する者を確実に守れるように…!
チャンミの酒幕(チュマク)に ジンジュが現れる
ジソンが生きていたことは 確かに喜ばしく 火矢で加勢したジソンだが
これで ドンスの心を振り向かせることは 永遠に叶わないと思うと
真昼間から酒を飲みたくなるのも 致し方ないことだった
すると そんなジソンに合席を求める男が…
その男は ジソンの体の入れ墨を転写した絵師キム・ホンドだった
船着き場の一部始終を目撃し ジンジュの後をついて来たようだ
やがて ヨ・ウンは ホン・デジュの屋敷に出向き
黒紗蝋論(フクサチョロン)の天主となったことを報告する
まだ若者のウンに対し 礼を尽くすことなく“タメ口”をきくデジュ
『お言葉を慎んでいただけますか』
『何? …今 何と言った?』
『言葉を慎めと言ったのです 以前 ご自分が言われたことをお忘れに?』
以前 ウンが訪ねた時に デジュは 強者には死に物狂いで礼を尽くし
また弱者に対しては 決して越えられぬ山となれと指南した
ゆえに ウンは山となり デジュを弱者と定めたのだ
デジュの護衛が 無礼者!!!と叫び剣を突き付ける
しかしウンは 兵曹判書(ピョンジョパンソ)の護衛ごときが
黒紗蝋論(フクサチョロン)の天主を斬れるはずがないと踏んでいる
天主として 堂々と去って行くヨ・ウンに
デジュは怒り心頭になり 歯噛みする…!
宮廷では まだ幼い世孫イ・サンが すでに書経を読んでいると聞き
可愛い孫を前にして 満足そうに笑う英祖(ヨンジョ)王
※書経:四書五経の1つ
貞純(チョンスン)王妃キム氏は 母として同席しながら心穏やかではない
キム氏の父キム・ハングは この世孫が王位を継ぐことを良しとしなかった
一族繁栄のためにも 思悼(サド)世子のように抹殺せねばならぬと…!
そこで王妃キム氏に「王家の秤」と呼ばれる課題を提案する
王妃の提案を受け入れ 孫に対し 課題を出す英祖(ヨンジョ)王
秤に 重りをどう乗せても吊り合うことはなかった
世孫イ・サンは 剣仙(コムソン)から渡された常平通宝を見つめる
真っ二つに割られた常平通宝は 亡き父の遺志でもあると聞かされていた
そして 吊り合せようと躍起になっていた世孫イ・サンは
あることに気づき ハッとするのだった…!
一方 ペク・ドンスは
師匠キム・グァンテクに 剣を握るには早いとまで言われ
まずは 全ての武術の基本となる 「歩法」から学ぶこととなる
「歩法」の神髄を習得しなければ どんなに巧みに剣を操ろうとも
それはすべて 砂上の楼閣でしかないというのだ
世孫イ・サンは 祖父である英祖(ヨンジョ)王の前で
「王家の秤」の理知を説いてみせる
つまり 揺らぐ秤は世情を表し 秤を吊り合せることではなく
王は常に 秤の中心にいろという教えである
党派に関わらず公平に扱い 反対意見だからと切り捨ててはならぬと
『老論(ノロン)派のことを目障りだと感じても その責任は王にある』
『王様 でも私は違う考えを持っています』
せっかく「王家の秤」の課題を説き 祖父を喜ばせたのに
世孫イ・サンは 自分の考えを言わずにはいられなかった
民こそが国の根幹であり 王たる者は民に従うべきだと…!
すかさず口を挟み 不届きだと叱責する王妃!
王と士大夫(サデブ)あってこそ この国が建てられたのだ
亡き思悼(サド)世子と 同じ考えを持つことは許されないと!!!
※士大夫(サデブ):科挙官僚・地主・文人の三者を兼ね備えた者
来る日も来る日も 剣仙(コムソン)との修行に耐えるドンス
そんなドンスを見守りながら ヤン・チョリプは考え込むことが多くなった
そして ある決意をしてドンスと向き合う
ウンは我が道を行き ドンスも武芸を極めようとしている
自問自答を繰り返し 学問をしたいと思い始めたチョリプだった
キム・グァンテクは ある日突然 ドンスと旅に出ると言い出す
ドンスが ペク・サグェンの息子と知り ホン・デジュが狙っているのだと…!
そこで サグェンと共に修行した麒麟峡にこもり 修行を続けるという
ドンスは ジソンも一緒に…と誘うが
自らの運命を切り開くため ここに残ってやりたいことがあるというジソン
互いの心を確かめ合い しっかりと抱き合う2人
それを目撃してしまうジンジュは さらに ドンスが遠くへ行くと聞かされる
そして 母カオクと一緒に 旅立つグァンテクのため朝食を用意した
全員に見送られ旅立つ2人
それとは別に 途中の道で カオクとジンジュが待っていた
『ジンジュ ジソンを守ってやってくれ!』
『あ… あぁ 任せて!』
ジンジュの想いを知らず 無神経な頼みをするドンス
傷つきながらも それがドンスの望みなら… と 快く引き受けるジンジュ
カオクもまた 告げられない想いを秘め グァンテクを見つめる
2人が去った肉屋で チョリプがフクサモを怒らせていた
自分の道を志したいと言われ お前もか!とため息をつくフクサモ
チョリプは 固い決意を持って学問の道に進むと宣言する
宮廷では
亡き思悼(サド)世子に仕えていた者たちが
引き続き 世孫に仕えていることに 老論(ノロン)派の官僚たちが不満を述べ
世子に関わった者たちは すべて罷免すべきだと進言する
英祖(ヨンジョ)王は 官僚らの進言を聞き入れる代わりに
未だ捕らわれの身であるソ・ユデを 将軍職に復帰させ
従二品の水軍統制使に任命することを交換条件とした
ユデを利用し 思悼(サド)世子を亡き者には出来たが
代わりに 将軍ソ・ユデという敵を作ってしまったホン・デジュであった
立派な剣士となって戻ると約束した ドンスを待ちながら
ユ・ジソンもまた 自分のすべきことを模索していた
自由に市場を見て回るジソンを 影ながら護衛するジンジュ
一体 ジソンが何をしようとしているのか 見当もつかない
ジソンは 朝鮮では容易に手に入らない “羊毛の帽子”を探し回っていた
「北伐の計」は消え 自らの役割を失ったことで 新たな目標を模索するジソン
それにはまず資金が必要であると考えるのだった
「貿易」をしたいというジソンの意志に
ファン・ジンギが協力することになる
盗品を売りさばいていたジンギは 少なくとも商売には明るかったのだ
その頃 麒麟峡のグァンテクとドンスは
寝食を共にしながら 来る日も来る日も修練に励む
グァンテクは 俺を越えろと ドンスに命じた
朝鮮の武芸を余すところなく完成してこそ そして師匠を超えてこそ
朝鮮一の武士となれるのだと…!