“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

原発事故被害と数字

2011年07月24日 09時02分22秒 | 臼蔵の呟き
台風後の暑さが戻ってきました。山百合が綺麗に咲
いています。香りはきついのですが好きです。今年
は被災者、死者の慰霊の為に綺麗に咲いているよう
に思います。

日本の最大電力需要は18,269万KW(2001年7月)
です。現在の発電能力は火力18174万KW、水力4796KW
地熱50万KW=合計18836KWだそうです。原子力発電所
の稼動がしないのでピーク時の平準化が夏、冬の最
大の課題と考えられます。

福島大学の空中線量調査で分かったこと。2.5μsv
以上の地域は2500平方キロとの事です。原子力
賠償法が定める準備金額1200億円です。1平方
キロあたりの金額は1200億円÷2500k㎡=48円です。
1㎡48円で何が出来るか。素人でも何も出来ないこ
とがわかるはずです。
逆に、除染、土壌改良、廃棄処理、人件費などを合
計して1㎡1000円として試算すると2.5兆円がかか
ります。

放射性物質の放出量は空中に7.7×10の17乗です。政
府発表数値です。ウラン、プルトニウム燃料は推定
で2.72×10の20乗です。現在はこの大半が溶解して
圧力容器、格納容器の下部に溜まっていると推定さ
れています。
この大半が冷却水と一緒になって敷地内、設備、地
下水になって汚染が拡大してます。推定ではほぼ空
中に放出された放射性物質と同量が水中、海水、地
下に漏洩しています。福島沖の海水に大量に漏洩し
ているわけです。魚に取り込まれるのは時間がかか
りますが確実に汚染が広がります。
現在、冷却水の循環装置が一部稼動していますが、
そこで出てくる高濃度の放射性汚泥2000㎥とのこと
です。この処理が今後大問題となります。

福島県の15万人の健康被害調査、医療費は30年
間、1人あたり経費100万円(医療機関のコスト)で
試算し4.5兆円との事です。

核廃棄物の最終処理は決まっていません。ドイツで
は最終処分場が20年間検討されているが決まって
いません。日本も決まっていません。それをモンゴ
ルに依頼していたことがこの間表面化しました。自
國で処理できない、したくないような危険な核廃棄
物をだす原子力発電所を稼動させる、増設する事は
無責任極まりないと思います。

再生可能エネルギーの開発にいち早く舵を切り、節
電対策を並行させて原発の停止、廃炉に向けた政策
決定を行うことが国家的課題と思います。


原子力PA方策の考え方(国民の騙し方)

2011年07月24日 08時45分07秒 | 蜂助の呟き
おはようございます。蜂助です。
西日本新聞7月20日朝刊に、原発推進の指南書の記事が載っていたので長いですが全文をコピーし貼り付けます。国民を愚弄するにも程があります! 主要新聞は財界に首根っこを押さえられているようですが、地方紙では、かなり真髄に迫る報道が増えてきているように見えます。


九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開をめぐる九電の「やらせメール」問題は、意見投稿の例文集を取引先に渡すなど、電力会社による世論操作の実態を白日の下にさらしたが、原発にからむ世論対策は今に始まったことではない。チェルノブイリ原発事故後、旧科学技術庁(現文部科学省)が原発推進のため、政府機関や電力会社向けに“指南書”を作成していた。そこには、国民や報道機関、教育現場に原発の必要性を浸透させるための具体策が列挙されている。

 “指南書”は、文科省と経済産業省所管の日本原子力文化振興財団が科技庁の委託で1991年にまとめた報告書「原子力PA方策の考え方」。PA(パブリック・アクセプタンス)とは「社会的合意形成」の意味で、財団によると、文書の配布先は不明だが、「チェルノブイリ事故を受け、どんな広報が必要かを検討するために作ったのでは」(横手光洋専務理事)という。

 報告書の記述を転載した隔月刊誌「放送レポート146号」(1997年発行)によると、新聞社の論説委員、電気事業連合会や原発プラントメーカーの広報担当者などでつくる委員会の議論を集約した内容で、科技庁の官僚もオブザーバー参加。(1)市民対応(2)マスコミ対応(3)タイミング(4)学校教育-といった論点について、国や電力会社の広報のポイントと手法を提言している。

 原発の必要性をどうアピールするかでは「原子力による電力が『すでに全電力の3分の1も賄っているのなら、もう仕方がない』と大方は思うだろう」と記述。主婦層に対しては「現在の生活レベル維持の可否が切り口となろう」「自分の周りに原発がなければ、他人事(たにんごと)としか受け取っていない」などと説く。

 中学校の教科書での原子力エネルギーの取り上げ方を「原発や放射線は危険で、できることなら存在してもらいたくないといった感じが表れている。書き手が自信がなく腰の引けた状態で書いている」と指摘。「これではだめだ。厳しくチェックし、文部省(当時)の検定に反映させるべきだ」と踏み込んでいる。

 報道機関への対応の助言も具体的だ。「スポークスマン(役人を含む)を養成する。新聞記者が積極的に彼の意見を求め、記事に引用するようになる。一種のマスコミ操作法だが、合法的世論操作だ」と指摘した。

 報告書について、財団の横手専務理事は取材に「一部、不適切な表現がある部分は反省しなければならない」とした上で「広報戦略を立てること自体はどこでもやっていることで問題はない」と話した。九州電力は「報告書は社内に現存せず、受け取ったかどうかも分からない」(広報部)としている。

■情報公開の視点ない 福島第1原発事故「事故調査・検証委員会」の委員を務める吉岡斉(ひとし)・九州大副学長(科学技術史)の話

 原発推進の思想を注入することを重視した放言集のような印象だ。ここに書かれた大衆扇動のテクニックは事実上、最近まで実践されてきた。正確な知識の啓発活動は必要だが、それには原発のリスクを含めた情報公開や市民との対話が不可欠だ。その視点が抜け落ちている。

▼九電が手渡した意見投稿「例文集」(原文)

 (1)将来的には再生可能エネルギーへ転換していくことが望ましいかもしれませんが、現段階においては、安全対策を講じながら原子力発電を運転していくことが必要であると考えます。そのことが九州経済、ひいては日本の経済維持発展に大きく寄与するものと考えます。日本全体のことを考え、九州を含む西日本が元気を出して、生産や経済を回さなければならない中、電力不足は絶対にあってはならないことです。発電所の安全対策を強化し、徹底した監視のもと、早く(九州の)原子力発電を再開すべきと強く要求致します。

 (2)電力が不足していては、今までのような文化的生活が営めないですし、夏の「熱中症」も大変に心配であります。犠牲になるのは、弱者である子供や年配者の方であり、そのような事態を防ぐためにも、原子力の運転再開は絶対に必要であると思います。併せて電力会社の方には、万全な安全対策をくれぐれもお願い致します。

 (3)太陽光や風力発電を否定するわけではなく、推進することも必要であると考えております。しかし太陽光や風力発電は天候に大きく左右され、利用率が大変に低いと聞いております。また、火力や原子力発電に比べて広大な面積が必要になるなど、現在の技術面・コスト面から考えますと、補助的な電源にはなっても、代替の電源と成り得ることは到底無理であると思います。よって、当面は原子力発電に頼らざるを得ないと思います。

 (4)科学的データに基づいて、今回の福島原発事故の事象の要因は津波であるとの国からの説明がありました。各電力会社では「緊急安全対策」に加え「シビアアクシデント対策」を実施しているとの新聞報道がありましたが、安全対策については十分に実施されており、発電を再開することについて全く問題はないと思います。国も「発電再開しても問題ない」と示しているにも関わらず、何故発電再開が出来ないのでしょうか。

 (5)テレビにて「夏の電力供給力の見通し」の放送があり、電力供給の予備力が約3%しかないとのことでありました。もしも、現在稼働中の火力発電所でのトラブルや、全国的な猛暑などが続いた場合は、電力が不足し最悪の場合は停電が懸念されます。東京電力のお客さまは、計画停電の実施により大混乱を招いたと聞いておりますが、そういう事態を招かないためにも、一日も早い原子力発電の再開を強く望んでおります。

 (6)トヨタ自動車の豊田章男社長より、電力不足の広がりに対して「日本での物づくりは、限界を超えた」との記者団への発言がありましたが、電力不足が国内産業(生産)の空洞化に益々拍車をかけることが懸念されます。代替電源が直ちに準備できない現状では、原子力発電の再開は不可欠なものであります。

=2011/07/20付 西日本新聞朝刊=