アメリカ軍が昨年、矢臼別演習場で、実弾が射爆場を外れて、民有地に着弾しました。その事故の原因、防止対策がまともに提示されないなかで訓練再開、しかも、オスプレイ飛行訓練も行う予定とのことで、アメリカ軍の軍事訓練の危険性が全国に拡散する気配が見えています。
アメリカ普天間基地移設問題で沖縄県民、普天間基地周辺住民、夏越の市民に危険性、基地被害を押し付けながら、そのことを理由に全国にアメリカ軍の基地被害を拡散させるなどは本末転倒もはなはだしいも問題です。アメリカ軍は普天間基地から無条件で撤退することが必要です。そのことで何の問題もありませんし、アメリカ自身にとっても軍事費が削減できる両得の解決策であることを自覚すべきです。
世界における紛争を軍事力、軍事的威圧によって解決できると考えるアメリカ軍、アメリカ政権、安倍、自民党政権は時代の変化についてゆけないガラパゴス政党、政権ということができます。
<北海道新聞社説:米軍の射撃訓練>
防衛省が沖縄駐留米海兵隊による実弾射撃訓練の新年度実施計画を発表した。 昨年6月、砲弾事故が発生した道東の陸上自衛隊矢臼別演習場では8月中旬~9月中旬に実施するという。深刻な事故を引き起こしたにもかかわらず、米軍は地元に対し安全対策などについて、その後、具体的な改善策を示していない。 地元の不安が払拭(ふっしょく)されないまま、一方的に訓練計画を発表するのはあまりに不誠実な対応だ。訓練を再開するには最低限、地元が求める万全の再発防止策や、速やかな情報提供などにきちんと応える必要がある。
現状のままで訓練を受け入れるわけにはいかない。
事故を振り返ると、数々の課題が残されていることが分かる。
米海兵隊は原因を隊員の照準機器の誤操作と結論づけ、確認作業の徹底を柱とする再発防止策をまとめた。泥縄的でその効果は疑わしい。訓練は一時中断されたが、地元の了解を得ぬまま一方的に再開したのも問題だ。事故の第一報を含め、地元自治体への連絡も遅すぎる。事故から半年が経過した昨年末、北海道防衛局が道や地元4町との会合で示した対応策は、満足するにはほど遠い内容だった。
米海兵隊に対し、安全対策の実施状況を公開するよう要請すべきなのに、「米側の運用に支障のない範囲で調整に努力する」としただけだ。情報伝達が遅れたことについても、「迅速かつ正確な情報提供に最大限努力する」にとどまった。
これでは、住民が納得できるはずもない。
今夏の訓練は具体的な規模や日程がまだ決まっていない。防衛省は情報共有などの課題への対応も含め今後、米軍側と協議する考えだが、それでは遅過ぎる。米軍側に地元の要望を伝え、反映させるには、今すぐ行動すべきだ。北海道も安全確保に向けて万全の対策を講じるよう、政府への要求をさらに強めていく必要がある。
政府は、沖縄の負担軽減へ新型輸送機MV22オスプレイを含む米軍の訓練を全国に分散させる方針だ。
北海道は移転先候補地の一つとされている。
現在受け入れている訓練さえ安全性が確保されていない状況では、さらなる増強など容認できまい。再発防止策や安全対策は、日米地位協定などによって「治外法権」が認められている在日米軍任せだ。政府の関与は限定される。問題の本質はここにある。この現状を変えない限り、沖縄の訓練を引き受ける地域の不安解消は困難だ。