多くの新聞が社説、主要記事で安倍、自民党極右政権の暴走、独善的態度、憲法を無視する態度などを批判し、国家の与野党議員に警笛を鳴らす主張を掲載しました。自民党が改憲を綱領的文書に掲げていることは、誰でもが知っていることです。しかし、現実の政治日程、国会審議でこれほど、傲慢な姿勢で憲法を蹂躙し、立憲精神を否定する態度で答弁を繰り返す政権は初めてではないかと思います。安倍のおごりと憲法無視、非民主的な政権運営を見て常識的な政治家は戸惑っている(社会的常識が通用しない極右勢力に)とも思います。このような人物を総裁として処遇する政党、自民党とは亡国の政党、政治集団、世界の政治的な潮流を理解できないガラパゴス政党です。
もう1つの問題は、公明党、みんなの党、維新の会(もともと靖国派ばかりで更正される議員集団)などが安倍を批判するのではなく、擁護、追随する態度を取っていることです。国会内での自公議席+みんな+維新の会=圧倒的多数議席を占める中では「大丈夫、自分が何をしても危険なことにはならない」と思わせる大勢翼賛政党状況になっていることがこのような安倍の政治姿勢につながっています。反対するのは共産党、社民党くらいのものです。本当に、出来るだけ早く安倍、自民党政権を打倒するしか有効な手立てはないと。そのためにも、安倍、自民党政権の政策、政権運営を徹底して批判し、その本質を暴露することが必要です。そのことを多くの国民が理解し、「轟々たる安部に対する国民的な批判」を巻き起こすことが必要です。国会内の議席数と多くの国民の意向、世論調査とは大きな差、乖離があることを安倍、自民党に自覚させる必要があります。
<北海道新聞社説>
憲法9条の解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能にしようとする安倍晋三首相に対し、与野党から異論が噴出している。
「最高責任者は私だ」と言い放って解釈改憲に突進し、国会の存在を軽視するような態度に危機感を抱いたものだ。首相の暴走を止めるのは、与野党を問わず国会の責任だ。各党とも党内に課題を抱えているが、議論を深め、立法府としての責任を果たしてもらいたい。
強く異論を唱えたのは民主党だ。
海江田万里代表は「集団的自衛権はあるが、憲法9条は政府に強いたがをはめている。これが立憲主義だ」と訴えた。岡田克也元外相も「海外で武力行使をしないという従来の方針を変えるのか」と迫った。指摘はその通りである。ただ、民主党は解釈改憲ではなく条文改正でなければ集団的自衛権は行使できないとの立場だ。その道へ実際に進むのかはあいまいなままだ。 さらなる党内論議が不可欠と言える。「占領軍の押しつけ」との認識に基づく自民党の改憲論と同じ土俵に乗るのは避けるべきだ。
与党である公明党にも異論が広がっている。井上義久幹事長は「内閣法制局は法の番人の役割を果たしてきた」として首相をけん制した。しかし、同党の太田昭宏国土交通相は首相に同意するという。閣内不一致との批判を避けたいのだろう。だが「平和の党」を自任するのなら、もっと毅然(きぜん)とした態度で解釈改憲に走る首相を止めるべきだ。
独善的な首相の態度に、自民党からも反発が表面化した。村上誠一郎元行政改革相は「首相の発言は、選挙に勝てば勝手に憲法を拡大解釈できることになる」と疑問を呈した。 根底にあるのは官邸主導への不満だ。自民党は改憲草案で集団的自衛権どころか、国防軍創設を唱えている。解釈改憲を批判して9条変更に進むなら危険極まりない。まず問題点の多い改憲草案を撤回すべきだ。
日本維新の会とみんなの党は、首相と基本的方向性が同じだ。
維新は最近まで憲法を「絶対平和という非現実的な共同幻想を押しつけた元凶」と批判してきた。憲法への姿勢そのものが問題である。
みんなも憲法問題で歩調を合わせて、自民にすり寄るかのようだ。
与野党ともに注意すべきなのは、時の政権の判断で憲法解釈の変更が繰り返されれば、最高法規としての憲法の安定性が損なわれることだ。
「国際情勢が激変している」「脅威は国境を越えてやってくる」との言葉に惑わされてはならない。内外の重要局面であればこそ、国の基盤をしっかり支えることが大事だ。
<東京新聞:安倍発言と憲法>
安倍晋三首相が集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更について「私が責任を持っている」とした国会答弁に、与野党から批判が相次いでいる。野党は、憲法が国家権力の行動を厳格に制約する「立憲主義」の理念や、内閣法制局が担ってきた憲法解釈を否定する発言だとして今後の国会で追及する構え。政府内からも、くぎを刺す動きが出た。
首相は十二日の衆院予算委員会で、憲法解釈の変更をめぐり自らが「政府の最高責任者」と主張。「政府の答弁に(内閣法制局長官ではなく)私が責任を持って、その上で選挙で審判を受ける」と強調した。
この答弁に関して、公明党の井上義久幹事長は十四日の記者会見で、内閣法制局の役割について「事実上『憲法の番人』で、政府が法案提出する際、憲法との整合性をチェックしてきた。権力を抑制的に行使するという意味で大変重い」と指摘。歴代内閣と同様、内閣法制局の解釈を踏襲するよう安倍首相に求めた。
結(ゆ)いの党の小野次郎幹事長は「行政の最終責任者であることは分かるが、憲法解釈でそういう言い方をするのは違う」と指摘。生活の党の鈴木克昌幹事長も「二〇一四年度予算案成立した後、一気呵成(かせい)に(解釈改憲の)流れが進む」と危機感を示した。共産党の志位和夫委員長、社民党の又市征治幹事長も首相発言を厳しく批判している。
民主党の枝野幸男憲法総合調査会長は十四日、会合で「権力者でも変えてはいけないのが憲法という、憲法の『いろはのい』が分かっていない」と首相を批判した。
首相は国会答弁で「立憲主義」の考え方を「王権が絶対権力を持っていた時代の主流的考え方だ」と説明。枝野氏はこれについても「世界のほとんどの国が立憲主義に基づいて国家統治を行っている。こうした発言が外国に出て行くことは非常に恥ずかしく、国辱的だ」と反発した。
自民党の石破茂幹事長は「首相は立憲主義をないがしろにしたのではなく、自分が言えば何でもできると言ったわけではない」と擁護。だが、自民党内でも「三権分立を崩す」などと首相を批判する声が多くある。谷垣禎一法相も十四日の記者会見で「憲法解釈は時代で変遷する可能性も否定できないが、安定性もないといけない」と語った。(東京新聞)