“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

アベノミクスとナショナリスト本田の発言

2014年02月23日 12時59分47秒 | 臼蔵の呟き

とにかく、政府高官のびっくりするような見解にはアメリカのみならず、日本人もびっくりです。日本政府は思想的に異常だと宣伝するような告白には辟易します。

<ウォール・ストリート・ジャーナル>

【東京】本田悦朗氏。安倍晋三首相の経済再生計画で中心的な役割を担う顧問(内閣官房参与)だが、戦時中の話を熱く語るナショナリストでもある。

 本田氏はウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、第2次大戦中の神風特攻隊の「自己犠牲」について語りながら、涙ぐんだ。

 昨年12月の安倍首相による靖国神社参拝については、特攻隊員など戦争で死んだ数百万の兵士たちを追悼するために、首相が参拝したことを喜んでいるとし、「誰かがこれをしなければならなかった」と語った。その上で、「私は首相の勇気を高く評価する」と述べた。

 14人のA級戦犯も合祀されている靖国神社への首相参拝は、日本の隣国であり、かつての日本の軍事侵略の犠牲となった中国と韓国の怒りを買った。この参拝によって、東アジアでは大胆な経済再生計画によって安倍首相がどこに向かおうとしているのかという厄介な疑問が浮上した。安倍氏は、経済政策と同時に軍事力強化のため平和憲法を改正することを目標に掲げており、中国は安倍首相を軍国主義者だとしている。

 日本の力を誇示するかのような安倍首相の動きに対する東アジアの反応は複雑だ。フィリピンやベトナムなど中国の台頭に反発する国は、中国との勢力均衡上、より強い日本を歓迎している。実際、日本は両国に巡視船を提供しているのだ。

 安倍首相の経済分野での政策を練るブレインの1人である本田氏は、「アベノミクス」の背後にナショナリスト的な目標があることを隠そうとしない。同氏は、日本が力強い経済を必要としているのは、賃金上昇と生活向上のほかに、より強力な軍隊を持って中国に対峙できるようにするためだと語った。同氏は中国に「深刻な脅威を感じている」としている。

 急速に軍事力を増強し、経済的に拡大する中国に対する日本人の恐怖は根深く、この不安は「失われた20年」によって増幅されている。1990年代初めにバブルがはじけた時、日本のGDPは中国のそれより約10倍も大きかった。しかし、今ではその半分強でしかない。

 日本は中国のような核兵器を持ってはいないが、その通常兵力は強力な抑止力になっている。そしてもちろん日本はアジアにおける米国の主要な防衛同盟国だ。

 しかし、多くの日本人は東アジアにおける米国の力の持続性に不安を抱いており、毎年軍事費を2桁の伸びで拡大している中国は、2、3年(5~10年と言う人もいる)で、いざ戦争となれば日本を打ち負かせる力を持つのではないかと恐れている。両国は東シナ海の諸島の領有権をめぐり激しく対立し、そこで武力衝突が偶発的に起きる恐れもある。

 本田氏のナショナリスト的な感情は中国に対するものにとどまらない。同氏にとっては、中国の脅威から日本を守れるような経済力をつけるだけでは十分でなく、日本が世界の舞台で主体的行動を取れる活力があり、後見人としての米国にも頼らない、周辺国とのしがらみに左右されない国になることを望んでいる。

 これも同氏が首相の靖国参拝を支持する理由だ。同氏は「日本の首相が靖国参拝を避けている限り、国際社会での日本の立場は非常に弱い」とし、「われわれは重荷を背負った日本を見たくはない。自立した国としての日本を見たい」と語った。

 本田氏は大学教授でもあるが、その言わんとすることを強調するため神風特攻隊が米空母に体当たりするさまを頭の高さに上げた左手を落として表現した。同氏は「日本の平和と繁栄は彼らの犠牲の上にある」と、目を真っ赤にさせながら言い、「だから安倍首相は靖国へ行かなければならなかったのだ」と語った。

 安倍首相は周囲に率直な物言いの側近を集めており、その多くは日本政治の右派だ。彼らは新聞の見出しになり議論を巻き起こす一方、重要な問題について首相の考えを知る手がかりを提供している。

 人事に政治的な力が働いたとされるNHKの籾井勝人会長は先月の就任会見で、戦中の「従軍慰安婦」に関する発言で物議を醸した。この問題は韓国との関係において依然火種になっている。しかし、同会長は、大騒ぎすることではないといった調子で、このような女性は世界のどこの戦場にもいると述べたのだ。

 本田氏の主張は、日本は日本が望むように歴史を解釈し、それを表現する権利を持たなければならないというものだ。同氏はそれが「純粋に日本人の精神と魂に関わる問題だ」と述べた。


日米関係と靖国参拝問題

2014年02月23日 10時57分36秒 | 臼蔵の呟き

アメリカ政府の激怒、説明のほうが理性的です。また、世界の大国関係を考慮して、どのような行動が必要なのかも熟慮されています。私は、アメリカ政権の主要政治経済政策は、賛同できるようなものではないと思います。しかし、アメリカ政権が何を考えて、どうしたいかーー中米関係、アジア諸国との関係をより重視し、外交政策を組み立てていることはよく理解できます。中国、アジアの経済的な成長は、先進工業国が無視できるようなレベルをはるかに超えています。また、中国はアメリカ国債を大量に保有しており、政治的に邪険に出来るような関係ではありません。

安倍、自民党の右翼政治家たちのような幼稚で、後先を考えないような連中の行動、言動と同列でアメリカ政権を批判する、理解することに笑ってしまいます。少なくてもアメリカ政権は半世紀以上も世界の大国として君臨してきている歴史的な価値、重みをわきまえるべきです。ドイツ、日本のように第二次大戦敗戦国とは全く違う位置にいます。自民党右翼、安倍の取り巻きに浅はかで、思慮に欠ける言動、行為にはあきれるばかりです。

アメリカ政権、支配層にきちんと意見、意思を表明すべきとき、課題で何もせずに、どうでもよい靖国問題で揉め事を起こすような連中にはうんざりです。

<ウオール・ストリート・ジャーナル>

安倍晋三首相の側近の参議院議員が、首相の靖国神社参拝に対する米国の反応に驚くほど率直な批判を投げかけた。

 日本の政治家の間には東アジアの緊張に対する米国の対応に失望感が強まっている。衛藤晟一首相補佐官(66)は、昨年12月の首相の靖国参拝に対する米国の批判に「失望」していると述べた。この参拝には中国と韓国が強く反発している。衛藤氏は動画サイト「ユーチューブ」に投稿したビデオメッセージで、米国は同氏が言うところの膨張政策を取る中国にものが言えないとし、長年の同盟国である日本を軽視しているとの見解を示した。

 同氏は、戦犯も合祀(ごうし)された靖国神社に首相が参拝したあとに米政府が公式な反応として失望を示したことに触れ、「むしろわれわれの方が失望した」とし、「米国はなぜ同盟国の日本を大事にしないのか」と述べた。ビデオ全体での口調はおちついていたものの、「失望」という言葉にさしかかると身ぶりを交えて声高になった。衛藤氏は19日、記者団に対し、この13分間のメッセージは「個人的見解」だとし、発言を取り下げると述べた。菅義偉官房長官も、同氏の発言は個人的な見解であり、日本政府の見解を代弁するものではないと述べた。駐日米大使館の報道官は、衛藤氏の発言を本国の国務省に報告したとしている。

 衛藤氏の発言が重要なのは、同氏は首相が靖国参拝前に、米国の反応がどうなるか探らせるためにワシントンに派遣した少数の側近の1人だったためだ。同氏は昨年11月、ワシントンで、ラッセル国務次官補(東アジア担当)を含む米当局者や専門家9組に会い、首相が3年間の自民党総裁の任期中のどこかで靖国を参拝したい考えであることについて話し合ったと述べていた。同氏は、国のために命を犠牲にした人々を追悼することは指導者としての首相の務めだと説明した、と話した。その上で衛藤氏は、米側は参拝への首相の純粋な希望は理解したとしながらも中国と韓国が反発すれば問題なので日本に慎重に行動するよう求めたと述べ、少なくともこれが彼らの一般的な姿勢に対する自身の理解だ、と語った。

 しかし、何人かの米当局者によると、これは他の報告とは異なる。当局者らは、東アジアで緊張を高めるような行動は望まないということを、米政府は日本に繰り返しはっきりと伝えてきたと述べている。これらの当局者によれば、バイデン副大統領は12月初めの訪日の際、安倍首相に参拝はしないよう明確に求めたという。このため米政府は、3週間後にわずか数時間の事前通告で首相が参拝したときに激怒したのだ。

 日本を訪れたジェームズ・センセンブレナー下院議員(共和党)は19日、記者団に対し、靖国参拝は両国間関係に「役立たない」と述べた。その上で、「米国には首相がそうした方がいいと考えている人は1人もいないと思う」と語った。

 日本の多くの議員や当局者、特に安倍首相に近い人たちは、東アジアでの緊張が高まる中で、同盟国に対する米国の姿勢に苦々しさや疑念をこれまで以上にはっきりと表明。日中両国が領有権を争う諸島を含む形で中国が一方的に東シナ海上空に防衛識別圏(ADIZ)を設定したことへの米国の反応は弱すぎた、と感じている。ナショナリスティックな見方をする人たちは、米政府が日本に自制するよう圧力をかけ続けていることはおせっかいだとみている。衛藤氏は動画の中で、中国のADIZ設定発表は同氏がワシントンから戻った翌日だったとし、それにより「日本がいくら抑制的に努力しても中国の膨張政策はやまない」ことを理解したと述べた。また、20年近く努力してきたが役立たなかったため、これ以上自制するのは日本にとって有害だと信じるようになった、と語った。

 本田悦朗内閣官房参与は最近のウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、日本は自衛のために正式な軍隊を持つ必要があるとし、「われわれは重荷を背負った日本を見たくはない。自立した国としての日本を見たい」と述べた。

 作家でNHK経営委員の百田尚樹氏は、米国は第2次大戦中に日本人を「大虐殺」したとし、戦後に米国主導で行われた軍事裁判はこれを隠すものだったと述べて論議を呼んだ。同氏は安倍首相の親しい友人だ。


安倍、自民党政権外交姿勢の問題

2014年02月23日 06時46分12秒 | 臼蔵の呟き

安倍の靖国参拝、側近のアメリカ政権批判、NHK籾井、百田、長谷川などの暴言などと続く政治的な混乱は、安倍、自民党極右政権の本質から出ている問題であり、放置することは政治的にマイナス、危険でしかない。彼らにとって、公人、私人との区分、発言がもつ対外的影響力を思慮できないレベルの低さ、限界がある。

そもそも、自民党中枢、安倍、極右勢力には、戦争をしたい。戦争できる国にしたい。天皇を中心とした国家にしたい。自衛隊を国軍化したい。中国、韓国などを見下し、威圧したい。―――安倍、自民党極右勢力には国民にとって必要かつ、有益なことではない、きわめていびつで、卑屈で時代錯誤な歴史観に基づく国に歴史の歯車を逆転させたいとの思いしかない。このような、ことに日本人が胸を張って、そうだ。そういう国になって欲しいともろ手を挙げて賛成すると思っているのでしょうか。あまりにも幼稚で、レベルの低い思考には辟易します。このような安倍、自民党が国連常任理事国入りを実現したいというのですから、驚きです。世界の国々が、このような政治思想に賛同をすると思っていることに、彼らの理解力の低さ、思慮の浅さが露呈しています。

世界の大勢は、20世紀の二つの大戦を総括し、戦争のない時代、紛争を話し合いで解決する国家関係に移行しつつあります。そのことはアセアン諸国では現実に実行されています。また、シリア内戦におけるアメリカ、フランスの軍事介入を阻止し、国連主導の関与と内戦停止努力へと向かっています。軍事力に頼る紛争処理はアメリカ、イギリス、フランスなどにとっては簡単かつ、有利なのかも知れません。しかし、イラク政権転覆、イラク戦争、アフガニスタンへの米軍介入などを総括する中で、国連、参戦国(日本を除く)、主要な国家の結論、教訓となりつつあります。

21世紀が戦争のない世紀、核兵器のない世界へと向かうことはどのような人間であっても否定できないし、賛成できることです。核兵器、軍事力による威圧を有効と考えるのは安倍、自民党、右翼政治屋、アメリカ、イギリス、フランスの好戦的政治家、支配層くらいのものです。

21世紀は爆発する人口増加、地球温暖化、食料生産力を高めること。産業と結びつかない金融活動の抑制、民主的規制、貧富の格差是正、貧困の一掃などが各国の課題となるはずです。そのために、主要先進国がどのような国際貢献ができるかを思慮する、模索する時代となって欲しいと思います。

失望の失望

振り返ってみると、数学に苦しむようになったきっかけは、負の数との遭遇だった。マイナスにマイナスを足すと「マイナス」なのになぜ、マイナスにマイナスを掛けると「プラス」なのか▼その訳を習ったような気もするが、心にすとんと落ちないまま、「そういうもの」と自らに言い聞かせてやり過ごした。文豪スタンダールは、「負の数とは借金」との説明を聞いて、「そうなると、借金掛ける借金は財産になってしまう」と悩んだそうだ(小島寛之「数学でつまずくのはなぜか」講談社現代新書)▼この本では、故赤塚不二夫さんのマンガ「天才バカボン」のパパのせりふ「反対の反対は賛成なのだ」が、負数同士の掛け算の理解につながると教えてくれるのだが…▼さてそれでは「失望の失望」は―。どう考えても「希望」という答えを導き出せそうにない。安倍晋三首相の靖国神社参拝に「失望」を表明した米政府に対し、今度は首相補佐官(自民党参院議員)が、「むしろわれわれが失望だ」と言い返した▼動画サイトで“堂々と”世界に向けて発信したが、火消しに走る官房長官に注意されて、動画を削除し、発言も撤回したそうだ。NHKの会長といい、一部経営委員といい―。首相は“失点者”で周囲を固めるのが趣味なのか▼「失点に次ぐ失点は得点になる」という都合のいい算術があるなら教えてほしい。

<北海道新聞社説>

首相側近発言 自省なき批判は通らない

安倍晋三首相の周辺からまた問題発言である。

 衛藤晟一(せいいち)首相補佐官が、首相の靖国神社参拝に失望を表明した米国を「むしろわれわれが『失望』だ」と自らの動画サイトで批判した。首相の靖国参拝は近隣国との関係を悪化させ、国益を損なうものだった。その反省もないまま、他国の見解を批判するとは見当違いだ。

 衛藤氏は「米国は同盟関係にある日本をなぜ大事にしないのか」とも述べた。「米国は日本が何をやっても擁護するのが当然だ」と言わんばかりのおごりと甘えがある。

 首相を含め、政権幹部らは自らの立場をわきまえ、国内外に与える影響をよく考えて発言すべきだ。

 問題が発覚した後、衛藤氏は「何が問題なのか」と答えていた。菅義偉官房長官が取り消しを求めるとすぐに撤回したが、「個人としてがっかりした。皮肉の一つくらい言うのは当たり前」と開き直った。感情が先走り、問題を認識できていない。あまりに軽率な言動だ。しかも衛藤氏は、首相の靖国参拝前に米政府の反応を探るために訪米している。結果的に「失望した」と批判され、米側の出方を読み違えた。補佐官としての役目も果たしたことにならない。失格である。

 外交をもっと冷静に進めてもらいたい。日米同盟の有無にかかわらず、米国は自らの国益に沿って行動するものだ。日本の動きが米国の国益に反するなら自重を促すだろう。

 首相の靖国参拝はアジアの国際関係を不安定化させ、米国にとって不利益であるから支持できない。それが「失望」の真意だと理解できなければ、安倍外交はあまりに拙い。

 それにしてもなぜ、首相の周りから不用意な発言が続くのか。NHKの籾井(もみい)勝人会長や百田(ひゃくた)尚樹氏ら経営委員の発言はいまだに尾を引いている。本田悦朗内閣官房参与が首相の靖国参拝を擁護した発言が米紙に掲載され、批判を受けた。

 原因は首相の認識の甘さだ。

 首相は靖国参拝を「私人の立場」と説明している。トップが公私を都合良く使い分ける態度をとれば、周囲への影響も避けられない。衛藤氏や百田氏が「個人的考え」だと言い逃れを図る原因は首相にもある。

 重要な立場にあれば、私的言動にも責任が伴うことを自覚すべきだ。

 首相は第1次政権で、自分に親しい「お友達」を周囲に集め、批判を浴びた。その教訓が生かされていない。首相周辺の軽率な発言は政権の緊張感のなさの表れとも言える。

 まずは襟を正すべきだ。そして、首相に盲従するのではなく、むしろ行き過ぎを止めることが側近の本来の役目だと認識してほしい。