“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

アベノミックスの末路

2014年02月08日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き

アメリカの主要マスコミの主張です。日本の政権翼賛新聞社、マスコミとは異なり、冷静にアベノミックスを評価すれば、このように見られていることは確かです。日本経済の問題は人口減少、労働者の賃金低下・購買力の低下、多国籍企業の租税回避、生産拠点の海外移転です。これらの分析をまともに行いもせずに、異次元の金融緩和と称して日銀による国債の買取、通貨の市中への垂れ流しを通じての円安誘導を行ったことが日本経済を改善することにならないことはあきらかです。円安で利益を上げたのは多国籍企業、大手輸出企業です。また、株価の上昇でもう得たのは大手金融機関、富裕層、海外の投資集団です。

国民は、円安により物価の上昇に苦しんでいます。ガソリン、灯油の価格は従来の1.5倍くらいの価格になり、生活資金の枯渇に苦しんでいます。その中で社会保障制度の改悪、解体に遭遇し、生活保護申請も拡大しています。このようなことを続ければ、国民は苦しみ、死に遭遇することは確実です。

<ウオールストリートジャーナル>

3日の東京市場で日経平均株価がまた2%下落した。わずか1カ月ほど前につけた高値から10%下落したことになる。その理由についてはさまざまな説明が聞かれる。例えば前週末の米国株下落、アジア地域での旧正月に伴う取引減少、不安定な為替相場、世界的に広がっているはっきりしない不安感などが挙げられる。安倍首相はすでに多くの課題を抱えているが、そこに株価下落が加わったことになる。

 株式市場はこれまで、安倍首相の経済再生策、いわゆるアベノミクスを最も力強く支持してきた。2012年12月に安倍氏が首相に就任してから半年間で日経平均は60%近く上昇した。昨年5月にはいったん下落したが、再び上昇に転じた。

 これはとりわけ海外の投資家が安倍首相の下で利益を伸ばす日本企業に注目している証拠だ。資産価格の上昇はアベノミクスに基づく戦略の一環で、安部首相や彼のチームは、株価上昇は実体経済をよみがえらせるために重要な前向きなセンチメントを後押しすると考えている。

 しかし、投資家は安倍首相の政策を批判的にとらえ始めている。数週間後には今回の調整局面が昨年5月と同じ程度で終わるのか、あるいは永遠に風船がしぼんでしまうのかがはっきりするが、後者に備えるべきだと考える理由は十分にある。

 企業利益が拡大したのは、アベノミクスで円が下落したため海外での売上高が円建てで膨らんだためにすぎず、輸出数量は減少している。また、企業利益の拡大はまだ賃金上昇につながっておらず、今後もそうはならない可能性がある。

 しかもこのところ円は対ドルで反転しており、円安による利益押し上げ効果がいつまで続くのか疑問視する見方もある。4月の消費税率引き上げも企業利益に影響を与えるのではないかと懸念されている。

 安倍首相の改革案はこうした懸念に満足に答えていない。いわゆる「第3の矢」はあまり期待されていない。というのも、労働市場の自由化など主な課題が見落とされているからだ。国内への投資を刺激して生産性を向上させるために、政府に守られている経済を開放して海外から財やサービスを受け入れる、という取り組みに焦点が当てられている。しかし、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉を担うTPP対策委員会はもはや機能していないようだ。重要な交渉相手の米国で議会が大統領貿易促進権限(TPA)法案の承認を渋っているからだ。米国政府はTPAについて議会の承認を得られなければTPPをまとめることが難しい。

 政府は株式市場の期待に沿って政策運営すべきではないが、安倍首相は株式市場からヒントを得ることができる。2013年が日本の経済見通しを引き上げた年だとすれば、今年はそれを実行に移すべき年だ。


佐村河内守氏の作品と偽装事件

2014年02月08日 07時00分44秒 | 臼蔵の呟き

マスコミが取り上げ、面白おかしく報道している偽装事件です。時期が、国会審議時期と重なり、この偽装事件が大きく報道されることで、もっと、社会的に重要な出来事、事件が隠蔽されることを一番危惧します。

作曲者が、違うだけで、曲自体の音楽的価値は全く軽重が変化しているわ毛ではなく、その曲の価値は聞いた方が素直に自分としての評価を下せばよいのではないかと思います。曲以外の物語に左右されることは心情的に理解できなくはないのですが、純粋に曲が持つ価値、力はなんら変化するものでないことをはっきりさせる必要があると思います。

マスコミが、実像以上の物語を作り出し(佐村河内守さんの狙いでもあったのかも知れませんが)、作品として販売数を増加させたことは事実です。また、制作会社がそのような販売作戦を行ったこと。それらを検証することが必要だと思います。本人以外はある意味で分からないことであったのかも知れません。不幸な出来事です。いずれにしても、国家の命運を左右するような事件、社会的な問題ではありません。このような事件報道に血道を上げずに、国家の命運を制するような消費税率の引き上げ、TPP問題、原発の廃炉、再生可能エネルギーなどの議論、政策の行く末をきちんと関心を持ち、報道して欲しいものです。

<信濃毎日新聞社説>

広島出身の被爆2世で耳が聞こえない作曲家―。そんな触れ込みで脚光を浴びた佐村河内守さんの作品を別人が作っていたと分かり、波紋を広げている。

 代理人の弁護士が最初に明らかにした。きのう、桐朋学園大非常勤講師の新垣隆さんが記者会見に臨み、18年にわたってゴーストライターとして曲を作ってきたことを認めている。核兵器の廃絶を願って作曲したとされる代表作「交響曲第1番 HIROSHIMA」は2011年にCDで発売された。クラシック音楽では異例の14万枚以上を売るヒットとなった。

 影響は深刻だ。レコード会社は出荷を停止し、出版社は関連本の絶版を決めた。ソチ五輪に出場するフィギュアスケートの高橋大輔選手が演技で使う曲も新垣さんが作曲したという。東日本大震災の被災地でも佐村河内さんのものとされてきた作品が人々の心を慰めた。ファンや演奏家をはじめ、多くの人を裏切ったことになる。

 なぜ、うそをつき続けなくてはならなかったのか。佐村河内さんには自分自身の口で真実を語ってもらいたい。

 自伝などによると佐村河内さんは4歳からピアノを始め、作曲は独学したことになっている。35歳のときに聴力を失い、その後は自分の音感だけを頼りに作曲活動を続けたとされる。

 新垣さんは会見で、提供された図表のほか、自身が演奏した楽曲を聞かせて代作してきたことを明らかにした。「すべて彼との共同作品」との認識を示しつつも、「耳が聞こえないと感じたことは一度もない」と述べている。佐村河内さんの経歴自体にも疑義が出る事態となった。

 今回の問題の背景として、クラシック音楽業界が抱える悩みを指摘する声がある。CDの売り上げが減少する中、ファンを広げるために演奏家の個性や知名度に焦点を当てたセールスに頼る傾向があるというのだ。佐村河内さんの場合、耳が聞こえない逆境と闘う作曲家という“物語”が共感を集めた。マスコミも音楽そのものより話題を重視してしまった感が強い。

 気になるのは、こうした物語を必要としたがる風潮が広がっているように思えることだ。おいしい話を持ちかけられてだまされる事件も後を絶たない。消費社会の落とし穴でもある。物語の虚実や本質を見抜く力がますます求められる時代になっている。