“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

労働者派遣法の改悪に反対

2014年02月05日 11時00分41秒 | 臼蔵の呟き

どこまでも、労働者をいじめる政策に狂奔する安倍、自民党政権です。世界で企業が一番自由に活動する国とは何かがあきらかです。

それは、労働者の首を切ることが自由になることであり、正規労働を減らし、派遣労働、非正規労働をあらゆる分野に拡大することです。週四十時間労働の基準を取り外し、長時間労働を解禁し、残業時間に対する報酬を0にすることです。また、企業が支払うべき失業保険、社会保険料などの企業負担を0化することで、経費を極限まで低減化することを目指しています。このようなことを許せば、限りなく低所得者層の拡大、増加を招きます。しかも、そのことによる貧富の格差が固定化、拡大を招き、社会不安の要因を一層増すこととなります。

今必要なことは、社会保障制度を充実させて、低所得者層が安心して働き、生活を立て直すことができる安心感を保障することです。その上で、非正規労働の規制を通じて、正規労働を拡大し、低所得者を減らすことです。そのことにより消費の拡大、経済の活性化も可能となります。

<琉球新報社説>

労働者派遣法で上限3年と定める派遣受け入れ期間を廃止し、働く人を入れ替えれば企業は同一職場で派遣を無期限に継続できる-。厚生労働省の労働政策審議会の部会がこうした報告書をまとめた。
 民主党から自民党への政権交代を受け、規制強化から緩和へと大転換を迫るものだ。成長戦略で「世界で一番企業が活躍しやすい国」を目指すという、安倍政権の意向をくみ取ったものとも言える

 この方向性には強い違和感を覚える。

総務省調査で2012年の日本の非正規労働者は推計2042万人に上り、正社員中心の日本型雇用が不安定化。雇用者全体に占める非正規の割合は38・2%と過去最高を更新沖縄も全国一高い44・5%と、状況が深刻だからだ。
 従来の規制の背景には、1990年代後半からの労働市場の急速な規制緩和で、企業が低賃金や解雇の容易性という利点から安易に非正規労働者を増やすことへの歯止めの意味があった。それなのに、雇用の不安定化につながる可能性が否めない法改正をなぜ行うのか。

 報告書では専門26業務の区分も廃止。人材派遣会社が無期雇用している人などは、同じ職場で制限なく働き続けられるとした。
 部会で労働側委員は、派遣をめぐり、同じ仕事をする正社員と同水準の賃金を支払う「均等待遇」の導入を訴えた。派遣労働者の賃金引き上げや派遣労働拡大の抑止効果を見込んでのことだ。だが支持が広がらず盛り込まれなかった。
 報告書の労働者保護の取り組みは現行法に比べ進むとされるが、派遣企業頼みで十分機能するのか。政府は通常国会に改正案を提出し15年4月の実施を目指すが、丁寧な国会審議や国民論議を欠いたまま改正を強行してはならない。

 雇用問題に詳しい神野直彦東大名誉教授はかつて「製造業で派遣従業員を創り出し、非正規従業員を大量に形成してしまえば、必ず訪れる好景気の終わりとともに、こうした非正規従業員の大量解雇という地獄絵を見ることは自明の理である」と指摘した。08年のリーマンショック後、国内で横行した非正規労働者の大量解雇「派遣切り」を今こそ教訓にすべきだ。
 派遣労働規制の緩和は、雇用者所得全体の減少、消費と企業売り上げの低迷など悪循環を招きかねない。政権の目先の利益にとらわれ、この国の雇用を破壊してはならない。


後退する日本政府のモラル=韓国前駐日大使

2014年02月05日 07時00分54秒 | 臼蔵の呟き

安倍、自民党政権が隣国からどう思われているかがよく分かる主張です。掲載されたのはウオールストリートジャーナルです。

<ウオールストリートジャーナル>

 安倍首相が昨年12月に日本の現職総理大臣として7年ぶりに靖国神社に参拝した際、彼は個人的な信念に従って行動したのかもしれない。だが、世界中の辛辣な批判が示しているように、この軽率な行動は東アジアの壊れやすい信頼網を脅かした。また、パワーシフトが地域を変革しつつある時に、非常に重要な日本の国際的なリーダーシップの道徳的立場も台無しにした。安倍首相の靖国参拝は3つの重要な意味で戦略的な失敗だった。

 第一に、靖国参拝は安倍首相が外交政策の柱として掲げた「価値重視の外交関係」と「平和に向けた積極的な外交交渉」に打撃を与えた。平和に対する罪を犯して有罪となった14人のA級戦犯が合祀された靖国神社は戦時中に軍国主義化した日本の象徴である。またその境内に併設された悪名高い戦史博物館「遊就館」では日本の東アジア侵略が賛美されている。安倍首相の参拝の後では、日本政府の価値観と和解への努力に関する説明はほとんど信頼できない。安倍首相はアジアの犠牲者たちに不快感を与えるつもりはなかったと主張するが、これも信じ難い。アジアの過去の犠牲者たちにとって、靖国参拝は傷口に塩をすり込む行為としてしかほとんど解釈できない。

 第二に、軍国主義を美化しようとする日本政府の頑なな姿勢は、戦後に貫いてきた平和主義や東アジアの経済的活力への貢献を台無しにする危険性がある。日本は東アジアの経済発展の先頭に立ち、資本、技術、開発協力を通じて世界の製造業のサプライチェーン構築に大きな役割を果たした。日本政府はまた、防衛費の上限を国民総生産(GNP)の1%未満と定め、集団的自衛権を行使しないこと、核兵器を保有しないことを誓った。長く守られてきた軍事的制限を破棄したタイミングでこの靖国参拝が行われたことは非常に気がかりだ。

 第三に、安倍首相の靖国参拝は日米関係に亀裂を生じさせた。これは米国が公式に失望を表明したことで確認された。昨年11月、安全保障協議委員会(2プラス2)のため来日していた米国務長官と米国防長官は千鳥ヶ淵戦没者墓苑に献花することを選んだが、それは米国が靖国参拝を不快に感じていることを示唆するものだった。北東アジアの戦略的な不安定性を踏まえると、米国はその地域に追加的な緊張を生み出す挑発的な行動、特に中国と日本とのあいだの緊張をさらに高めるようなことは望んでいない。

 同時に、安倍首相の突然の靖国参拝は、昨年11月に開かれた日韓議員連盟総会や今月初めに提案された両国の外務事務次官による日韓戦略対話といった現在進行中の相互努力を通じた韓国政府と日本政府の関係リセットの希望をくじいてしまった。韓国がサミット後のこうした外交上の挑発による政治的後遺症を恐れるのにはきちんとした理由があった。安定した日韓関係は米国政府がこの地域の安全保障、戦略問題に取り組む上での重要な必要条件なのだ。

 安倍首相の靖国参拝は日本を含むどの国にとっても利益にならない。中国の巨大な経済力と軍事力に直面している日本が戦略的なバランスを模索するのは理解できる。しかし、安倍首相の靖国参拝は北東アジアの20世紀の痛ましい歴史を無視している。戦略的不安定性が増すなか、すべての国々は地域の緊張を悪化させ得るような行動を慎むべきである。米国との同盟を強化すると同時に、日本は地域の安全保障構造を追求すべきだ。「アジアを出て西洋に加われ」という明治時代の合言葉のように、日本がアジアとかかわらない戦略に戻ることはあまりにばかけている。

 70年前に米国の例がないほど寛大な和平調停を日本と結び、東アジアの戦後秩序を構築したとき、米国は不注意にも日本に歴史修正主義の種をまいてしまった。この地域の戦後秩序の設計者、そしてバランスを保つ国として、米国は地域の安定を台無しにするかもしれない歴史修正主義の復活を食い止める上でより積極的な役割を果たすべきだ。過去と正面から向き合い、近隣諸国と本当の和解を達成する日本は、地域の緊張の軽減に多大に貢献することだろう。今こそ時計の針を戻そうとするような愚行はやめ、安定と繁栄の未来に向かって動き出すときである。

(「申カク秀」氏は韓国の外交通商部の元事務次官で、2011年から2013年まで駐日大使を務めた)