安倍自民党政権の傲慢さ、身勝手さがあらゆる対応策にでた名護市市長選挙、普天間移設問題でした。沖縄の善良な県民、市民の良心を踏みにじり、肉親が移設、基地反対などをめぐって争わなければならない関係を作り出し、強要するのが安倍、自民党政権、アメリカオバマ政権、アメリカ軍です。このようなことが永遠に続くことはありえず、必ず、沖縄県議会決議、名護市市長選挙に示された意思が実現することは確実です。
善良な市民に対して札束で意思を捻じ曲げる、転向を迫るような政治行為が有効であるはずがありません。原子力発電所設置、建設地域(その多くは過疎化、雇用がなくて経済的に疲弊している地域)住民、自治体を札束と補助金で買収し、従わせてきたか結果、福島第一原発事故を引き起こした。この構図と全く同じです。原子力行政、電力会社の傲慢な対応、原子力ムラの利益追求構造は白日の下に引きずり出され、誰もがそのどす黒い意図、彼らの非人間性を確認しました。
人間の尊厳を札束で踏みにじる安部、自民党政権、また、彼らに連なる利益集団、アメリカ政権、軍部の思惑が成功することはありえない。善良な沖縄県民、名護市民、善良な福島県民、汚染され避難する東北の避難者は安倍、自民党政権、電力会社、原子力ムラの非人間性、彼らの倫理観を告発し続ける。金で転んだ仲井真沖縄県知事、東電擁護した福島県知事佐藤、渡部恒三(当時の自民党議員)などを決して忘れない。
<毎日新聞記事>
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設の是非が問われた19日の名護市長選で、移設に反対する現職が、移設推進を訴えた新人を約4000票の差をつけて破った。勝敗を分けたものは、沖縄の人々の誇りを傷つけた政府・自民党の手法や、そのやり方に屈した仲井真弘多(ひろかず)知事への人々の怒りだったと思う。
告示前日の11日から4日間、名護市などを歩いた。両陣営の出陣式、街頭演説、住民集会、街の声。どこへ行っても出てきたのは、「カネさえあげれば沖縄の人は何でもオーケーすると思われるのが一番、悔しい」という声だ。
名護市辺野古で農業を営む比嘉英憲さん(70)は、辺野古で生まれ育った。移設に反対する現職の稲嶺進氏を支持した理由を「騒音もあるが、事件事故が心配だ。振興策で潤うのは企業だけ」と語る。比嘉さんは声を荒らげない。とつとつと絞り出すように話す。そして、最後にこう言った。「県民は反対しているのに、知事は交付金をいっぱいもらったからといって、首相に『驚くべき立派な内容。140万県民を代表して感謝する』なんてばかみたいなことを言って、逆効果だ。本土の人たちからメア(元米国務省日本部長)が言ったように思われるんじゃないか」
メア氏とは3年前、沖縄県民を「ゆすりの名人」と侮辱した発言をしたとされ、米国務省日本部長を更迭された人物だ。
仲井真知事が、政府から大規模な振興策を提示されて、県外移設公約と明らかに矛盾する辺野古埋め立てを承認したことにより、メア氏が言ったように、沖縄の反基地運動は結局カネ目当てだと本土から誤解されるのではないか。知事の言動は県民への冒とくであり、恥だ−−。比嘉さんや多くの市民はそう受け止めた。
辺野古も反対一色ではない。むしろ他の地域以上に移設容認派の動きも活発で、事情は複雑だ。もともと辺野古には、経済振興のために米軍キャンプ・シュワブを誘致した歴史がある。「銃剣とブルドーザー」で基地用地を強制接収された他の地域に比べると、基地と共生する意識が強いとされる。辺野古区は1〜10班の地区に分かれるが、住民はキャンプ・シュワブを「辺野古11班」と呼び、海兵隊員も参加して毎年、区民運動会を開くなど、親睦を深めている。
辺野古に住む無職、當山(とうやま)勇さん(68)は、移設推進を訴えた新人の末松文信(ぶんしん)氏を支持した。當山さん自身はキャンプ・シュワブ内のクラブで30年近く働いてきたが、移設を受け入れて街を活性化しなければ、このままでは若者の仕事がなくなることを心配している。「そのために基地を持ってくるんですね」と私が確認しようとすると、「基地を持ってくるんじゃない。カネで命を売ると言われるが、そんなものじゃないんだ。地域の活性化のためにはどうしても国のカネが必要なんだ」と怒ったように言った。
名護市長選で辺野古移設の是非が問われたのは1998年以来、5回目だ。結果は、移設への容認派が最初に3勝し、反対派が前回と今回で2連勝した。97年には市民投票もあり、反対派が勝利している。
いずれも市民を二分する厳しい選挙戦で、有権者は、悩み、怒り、中には親兄弟までもが争う中で、経済振興か基地反対かの選択を求められた。
そして今回、移設反対の地元民意が示されながら、防衛省は投開票の2日後には早速、辺野古埋め立て工事の受注業者を募る入札公告を行った。市民は地域が分断されるような選挙を長年にわたって戦わされ、移設反対の選挙結果が出ても、安全保障は国の専管事項だからといって考慮されず、工事が進められようとしている。
那覇市の首里城近くに住む大城立裕(おおしろたつひろ)さん(88)を訪ねた。沖縄初の芥川賞作家で、「小説 琉球処分」の著者だ。琉球処分とは、明治政府が、琉球王国を強制廃止し、沖縄県を設置して、近代日本に編入した過程をいう。
大城さんは「普天間飛行場を国外に移設できればそれに越したことはないが、せめて県外に移設すべきだ。県外移設はできないというが、政府からきちんとした説明を聞いたことがない」という。そして「沖縄に対する差別は民衆生活レベルではかなりなくなったが、政治の差別は残ってきた。政府は沖縄を軍事植民地化し、琉球処分の総仕上げをしようとしているようにみえる」と語った。
政府・自民党が、振興策に絡めて基地受け入れを迫るむき出しの「アメとムチ」の手法は仲井真知事らには通用したのかもしれないが、名護市民や県民からはかえって怒りを買ってしまった。それでも政府は、この道をひた走るしかないと思い定めているようだ。
地元に対する説得力に乏しく、行き詰まっても他の選択肢を検討する余力がない。そんな国の政治の力不足のつけが、沖縄に押しつけられているようにみえる。
■毎日新聞社説再録
○名護市市長選挙 移設反対の民意生かせ
沖縄県名護市長選で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対する現職が、移設推進を掲げた新人を破り、再選を果たした。
基地受け入れの是非が真正面から問われた地元の市長選で、反対派が勝利した意味は重い。地元の民意に背いて移設を強行すれば、反対運動が高まるのは確実で、日米同盟の足元は揺らぎ、同盟は弱体化しかねないだろう。
普天間飛行場の危険を一日も早く除去するため基地負担軽減策を進めるとともに、普天間の固定化を回避するためには辺野古への移設という選択肢しかないのか、今一度、再検討の必要がある。振興策と引き換えの基地押しつけでなく、発想を変える必要がある。(1月20日掲載)