Yukoの日記

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国岡商店

2014-04-07 09:57:38 | 日記
海賊とよばれた男(上)  


著者  百田 尚樹     1956年大阪生まれ  永遠の0、ボックス、風の中のマリア、モンスター、 影法師、錨を上げよ等、著者多数 

 
 「ならん」ひとりの馘首もならん」・・・敗戦の夏、異端の石油会社「国岡商店」を率いる国岡鐡造は、なにもかもを失い、残ったのは借金のみ。そのうえ石油会社大手から排斥され売る油もない。
しかし国岡商店は社員ひとりたりとも馘首せず、旧海軍の残油集めなどで糊口をしのぎながら、たくましく再生していく。20世紀の産業を興し、人を狂わせ、戦争の火種となった巨大エネルギー・石油。
その石油を武器に変えて世界と闘った男とは・・・出光興産の創業者・出光佐三をモデルにした本格歴史小説。



海賊とよばれた男(下)      2013年本屋大賞第1位  安倍晋三総理も愛読

 敗戦後、日本の石油エネルギーを牛耳ったのは、巨大国際石油資本「メジャー」たちだった。日系石油会社はつぎつぎとメジャーに蹂躙される。
一方、世界一の埋蔵量を誇る油田をメジャーのひとつアングロ・イラニアン社に支配されていたイランは、国有化を宣言したため国際的に孤立、経済封鎖で追いつめられる。
1953年春、極秘裏に一隻の日本のタンカーが神戸港を出港した・・・。
「日章丸事件」に材をとった、圧倒的感動の歴史経済小説、ここに完結。

★三代目、東雲忠司が社長を退任した時、店主こそは人生の師であった。世の人々は国岡鐡造を一代で財をなした大立者と見做すが、それは違う。店主の生涯はむしろ行者の一生だった。その生き方は修業に励む禅僧に似ている。
自分は39年も仕えてきたにもかかわらず、一度も言われたことがない言葉がある。それは、「儲けよ」という言葉だった・・・。
どのページを繰っても感動の涙なしでは見られない小説でした。電車での読書が主ですが、鞄に入っている本の重みは喜びの塊かも知れません。桜景色を眺めながら、所々で国岡鐵造さんひきいる国岡商店を思い出しておりました。
花びらの隙間から、社員たちの働きが見え隠れしたような気がします。