名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

勝負師

2015-11-19 | 将棋本 断捨離
勝負師 (朝日選書)
2004年出版、内藤先生と米長先生の対談です。

二人のクニオは仲がいいそうです。少し内藤先生のほうが年長で、生涯成績は米長先生が上、でも内藤先生は今年の春まで現役でした。内藤先生の3回目のタイトルは米長先生から奪って九段になったはず。関東関西に分かれているから同世代でも仲がいいのでしょうか。内藤先生と有吉先生はライバル心が強すぎて不仲だといいますね。

貴重な対談です。二人の現役のころを知っている方には懐かしいでしょう。

メモ

謙虚になれば不安や恐怖心が無くなる。

大山名人にとっては将棋は宗教。いつも将棋に勝つことで救われてきた。劣等感や嫉妬心を闘志に昇華させた。

人間には分というものがある。何かを始めるなら必ず一番目か二番目の物を捨てる。

幸せになりたいと思ったら幸せと感じる能力も磨かないといけない。

勝負の女神だけに気をとらわれていてはいけない。人生をつかさどる女神に好かれているかどうか。
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20151119今日の一手<その212>; 自玉の堅さを優先する

2015-11-19 | 今日の一手
20151119今日の一手

先月10日の名南将棋大会からMさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。






昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損です。持ち歩があるのでカウントせず、損得なしとします。
玉の堅さは先手玉のほうが少し堅いです。大きな差ではありません。
先手の攻め駒は45桂と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は65桂1枚。
総合すれば互角です。

問題図の前、

ここから先手は66金後手は65桂で問題図なのですが、66金は自分から囲いを崩す手で疑問手。55銀とぶつけようということなのですが、勇み足。28飛から24歩とか、34歩と置いておくか。
後手の65桂もなにか技をかけられそうで怖い手です。31玉とか待つべきか。55銀なんて怖いことはありません。
で、問題図ですが、77銀を逃げるか、65桂を取るか、放置するか、ということになるのですが、考えるべきことは自玉が堅いかどうかです。少しでも堅い形で残るような変化を考えます。受けて勝ちという局面ではありませんから、攻め合いの変化の中で、自玉が堅いのはどれか、という基準で選びます。それが一番勝ちやすいのです。


△ 実戦は68銀でした。

自然なようで意外な手です。十字飛車が見えます。実戦は後手が避けたのですが
86歩同歩同飛

87歩66飛67銀上同飛成同銀57桂成

ここまでは進みますね。15角31玉71飛

銀を取り返せば少し先手がいいと読んだのです。

ですから、68銀に86歩同歩85歩同歩86歩と継ぎ歩に垂れ歩です。ここで55銀が強気。

まあほかにパッとした手もないのですが。55同銀同金87銀が怖すぎます。

79玉78銀成同玉87歩成69玉47金

ここから35飛45角15角

5段目に駒が横一列なんて初めてみました。びっくりしました。
41玉45金66桂

ここで32飛成から王手はあるのですが詰みはなく、後手の勝ちになりました。

敗着は35飛で、ここでは飛車取りは放置して15角(これも横一列)でした。

41玉54金同歩53銀

これなら先手の勝ちか。先手玉は詰まないですし、飛車を取られてもまだ詰みにくいです。


× 初志貫徹で55銀は

77桂成同金45銀

これで76桂を狙われます。これは後手優勢。


× 33歩は

77桂成同金33桂

55銀なら45銀

前の変化と同じようなものです。つまり銀取りを放置してはだめなのです。


○ 桂馬を取るなら65同金です。

65同銀に63歩成

56銀は52と同玉から銀を取り返されるので、63同金ですが、72角

71飛63角成同角65銀

角と銀桂の2枚換え、先手玉が安定していますし、攻めるにも困りませんから先手優勢です。

途中、63歩成では63角でも

同じかもしれません。63同金同歩成56銀は34桂31玉53と

ですから、56銀とはできないでしょう。


× 65同銀は

同銀63歩成に66銀と金を取られます。

52と同玉64桂41玉66銀86歩

これは後手有利か。先手玉が薄くて受けが利きません。


△ 有力なのは15角です。

31玉に65金同銀33歩同桂65銀

65同角33桂成同銀35飛

これで十字飛車なのですが。
後手が86歩の時に同歩は87歩

取れば79銀、逃げれば88銀があるので困ります。

86歩には同銀76桂77玉47角成で

33角成同金同飛成41玉

ここまで進んでみると後手玉は詰まないので先手の負けか。


問題図で実戦の68銀は十字飛車が大丈夫だとよく読んだ手です。ですが継歩に垂れ歩で少し苦しいかと思えます。その先は難解な終盤だと思います。

77桂成と取らせる手(55銀とか33歩とか)が大変だというのは気が付くでしょう。先手玉が薄くなるのは避けたいです。

65桂を取るときは(全部清算するつもりでも)金から取るものです。銀を取り返すところで別の手が指せるかもしれません。63歩成から72角か、63角か。その局面で少し考えれば見えるでしょう。

65銀とつい小さい方(玉より遠い方)で取りたくはなるのですが、どこかで手抜かれてひどい目にあいます。

15角は清算して十字飛車がみえれば指したくなるのですが、うまくいきませんでした。残念ですが、先手玉が薄い、ということに気が付けば避けられたかもしれません。

強豪の将棋を見ていると、あるいは指していると、玉の堅さは同程度だったはずなのに、気が付けば相手玉が堅くなっていて自玉だけ攻められているということが多いです。裏を言えば、自玉を少しでも堅くして攻めるというのが終盤の大事な心掛けです。極意と言えるでしょう。



*20171119間違いを直しました。

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