名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS4-5 ノーマル中飛車に袖飛車(6)

2024-09-30 | 基本定跡の研究

先手の中飛車ならばどうなるでしょうか。居飛車はより苦戦しそうですが。

先手は46歩を突いています。手順のおさらいで、この72飛に対して79金75歩同歩同飛78飛

74飛65歩77角成同飛

75歩64歩同銀82角73桂

ここは91角成65桂78飛57桂成69香・・・というのもありましたし、66歩76歩78飛77角

75歩84飛91角成99角成76飛

この図の評価値は+68、先手に振れています。46歩を突いているかどうかは関係なさそうです。

ところが、途中をAIで確認していくと、角を交換したところで

最善は75歩ではなくて76歩だと。78飛には44角で後手ペース、なので76同飛と同銀に岐れますが、76同飛同飛同銀57角

この図の評価値は0付近の互角です。69金66角成71飛62銀81飛成76馬22角49馬同銀71金

難しい攻防です。

ところで

後手中飛車で46歩を突いていない場合は、88角79角成同角78飛

88角打76飛成11角成

22銀同馬同玉

46歩を突いていなければ46角と出て(先後入れ替えて) 評価値は-48と振り飛車側に振れていたのですが、この図の評価値は-340の後手有利です。

戻って

76歩に同銀も66角

この図の評価値は-92の後手ペースです。

なんと79金~78飛の迎撃策は後手が互角以上になるのでした。

 

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SS4-5 ノーマル中飛車に袖飛車(5)

2024-09-29 | 基本定跡の研究

後手の工夫として、「英ちゃん流」の

64歩の形の実戦例もいくつかあります。38飛31金35歩同歩同飛32飛

22角32飛成同銀の形になると後手良しなので、36飛45歩33角成同飛35歩

手順としては54歩型の時と同じなのですが、46歩同銀に27角26飛54角成

後手は馬を自陣に作ることができます。この図の評価値は-72、後手ペースとして良いでしょう。先手が好む形ではありません。

ということで

38飛に31金の時には55歩を突けと。

後手は手損で位を取られては面白くないので、54歩同歩同銀に35歩

35同歩同飛32金37桂

加藤先生は先手が指しやすいとしていますが、評価値は+78、簡単ではありません。43金ならば34歩51角55歩65銀45歩同歩54歩

54同飛11角成と進めば先手有利ですが、62角が厄介で、評価値は0付近の互角です。AIに聞くと途中55歩のところで、53歩同飛45歩・・・というのもあるのですが、37桂の前に34歩22角を入れておけば

51角と引かれることがないので、より分かりやすいようです。ただし38歩の垂らしが最善のようで、評価値は+78と変わらないのですが。AIで掘り下げると、96歩94歩37桂とすれば38歩が怖くないようで、端攻めが関連しているのでしょうか。24歩同歩56銀39歩成55銀

こうなれば評価値は+248の先手良しです。飛銀の総交換は先手に分があります。どこかで23歩を打てるのも大きいので。

後手としては銀をぶつけられないように、39歩成の前に43銀55銀54歩と受けることはできます。

64銀63歩75銀39歩成95歩

端攻めがあるので先手ペースです。端を突き合っていない場合は互角です。

後手の変化 (実戦例) としては54歩同歩同飛というのもありまして

55歩51飛56銀42金

ちょっと好手順のようにも見えます。35歩同歩同飛31飛

36飛22角35歩34歩

26飛33角45歩

35歩24歩同歩44歩34銀54歩

ここまで進むと評価値は+263、加藤先生の言うように、先手有利になるでしょう。

というように「英ちゃん流」中飛車には先手がうまく攻めることができます。でも”ノーマル中飛車に袖飛車(2)”で調べた、54歩型の31金が難敵で、加藤流の袖飛車はうまくいかないようです。

 

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第258回名南将棋大会(弐)結果速報

2024-09-28 | 名将会

本日は第258回名南将棋大会(弐)を開催しました。結果速報です。

F級優勝

八木正行さん

森巌さん

G級優勝

地下好さん

髙木弘志さん

H級優勝

長谷川智也さん

I級優勝

栗本聡さん

J級優勝

大西啓雄さん

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様、ありがとうございました。

 

今日のトーナメント表の画像です。

過去12か月分の優勝記録です。

半分にして拡大します。

 

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SS4-5 ノーマル中飛車に袖飛車(4)

2024-09-28 | 基本定跡の研究

後手はおとなしく指していると不利になりやすいので

35歩同歩同飛の時に45歩とカウンター攻撃をしてみます。33角成同金38飛

44角と打たれないように飛を引いておきますが、55歩同歩46歩同銀27角37飛63角成41角

後手は馬を作りました。先手は角飛交換あるいは角馬の交換をねらうのですが、この図の評価値は+13の互角です。加藤先生は先手やや有利としているのですが。

これがもっと早くに9筋を突き合っていると

評価値は-206の後手良しです。後手から95歩同歩97歩・・・端攻めがあるというのが理由です。

なので加藤先生は

端歩を受けずに攻めなさいと。35同歩同飛45歩33角成同金38飛

後手は64歩を突いていないので、27角~63角成の筋をねらえません。代わりに64角があって、先手は77角と打って・・・という解説ですが、AIに聞いてみると46歩同銀64角

手を決める方が優るようです。36飛45歩37銀55歩

55同歩同角77銀57歩48金34金

後手は他の変化を選ぶこともできます。この図の評価値は-143の後手ペース。

端歩を手抜いても先手がうまくいかないようです。

なので先手の最善手順としては角交換を避けることで、

45歩には77銀とします。なお9筋の突き合いは97角の余地があるので先手にちょっとプラスでしょうか。55歩同歩同飛37桂56歩66銀右51飛

45桂22角34歩44銀

52歩同飛53歩42飛

この辺りは必然ではなく、進行例です。飛を取り合うのもありました。36飛48歩 (同金に45銀同歩同飛の意味) 68銀49歩成

この図の評価値は+28の互角です。変化は多いので、まあ角を交換しなければ互角だろうということですね。先手としてはつまらないですが。

 

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SS4-5 ノーマル中飛車に袖飛車(3)

2024-09-27 | 基本定跡の研究

次は後手がおとなしく待った場合です。31金ではなくて64歩としてみましょう。

なお加藤一二三先生は96歩94歩を入れないことが多いです。後手から94歩を突かれたら受けるのでしょうけれど。また早くに (76歩34歩26歩44歩の時に) 25歩33角を決めるのも好みです。

35歩同歩同飛34歩36飛63銀37桂72金

後手は両方のツノ銀を作って待ってみます。ここでの先手の仕掛けは、24歩同歩45歩が手順です。

45同歩33角成同桂44歩

44同銀34飛43金24飛

これがねらい筋で、評価値は+685の先手有利。

ちょっと戻って

44同銀34飛に42飛は (本に書いていないのですが) 難しいようです。

43歩同飛21角32歩

32角成同歩24飛41飛22飛成14角

この図の評価値は+54の互角です。先手に有効な手は16歩しかなく、55歩15歩58角成

58同金56歩48銀46歩

ここまで進んで評価値は+162の先手ペース。仕掛け前の後手の駒の配置が違うと評価が変わる可能性があります。

後手の変化としては、33角成を同金と取ることはできます。

45桂32金22歩・・・という攻め方もあるのですが、単に22歩のほうが明快です。22同飛には45桂44金53桂成

駒得で攻められるので先手有利。

戻って

22歩に35歩16飛44銀21歩成

これも駒得ですし、16飛も使えるでしょう。先手有利。

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SS4-5 ノーマル中飛車に袖飛車(2)

2024-09-26 | 基本定跡の研究

定跡本として、加藤一二三先生の「プロの中飛車破り」を使います。古い本 (昭和57年出版) なのですが、加藤先生がこの袖飛車について書いてある本を、他には知らないです。

昨日みた袖飛車と違うのは、47金と上がらないことです。

すると金銀4枚の舟囲いは、片美濃よりも堅いのです。あとは攻撃力があれば優秀だとなります。ここで31金と引くのが大山流ですが、指されたのは少し違う形だったと思います。35歩同歩同飛32飛

後手は22角から飛交換をねらいます。36飛には45歩33角成同飛35歩

先手が飛交換はしにくく、ちょっとひるんだ感じです。46歩同銀28角37桂

ここで分岐です。19角成45桂32飛53桂成41香

43成桂同香45歩18馬47銀

36馬同銀と進んだ局面を、加藤先生は先手十分だというのですが。飛桂香と角銀の交換は駒損、先手玉は堅いです。攻め駒は2対4でちょっと苦しいか。先手は3,4筋を押さえこめるかどうかなのですが、評価値は+20、互角です。

戻って

後手は44歩と受けることもできます。34歩と突きだしてまた分岐です。

34同銀には15角

32歩35歩43銀33角成同歩29飛

これは角が死んでいますね。評価値は+686の先手有利。

ちょっと戻って

34同飛は同飛同銀53角41飛

この自陣飛車は米長先生が指した手です。「米長の将棋」にも載っています。加藤先生は互角だとしています。AIに聞くと、31角成同飛29金が正しく (実戦は35歩43銀31角成同飛42金33飛41飛32銀・・・)

先手良しだと。45歩28金46歩22角41飛48歩

駒の損得はほとんどないのですが、後手陣に角や飛を打ち込めます。

また戻って

本には書いていないのですが、AIの最善手は32飛です。33角の勝負手に35歩の返し。

35同銀は33桂、35同飛は34銀同飛33飛、なので26飛19角成11角成34飛と進むのですが、

この図の評価値は-90、後手ペースとして良いでしょう。

2通りの変化を調べましたが、先手はどうにか互角というくらいです。

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SS4-5 ノーマル中飛車に袖飛車(1)

2024-09-25 | 基本定跡の研究

古い形から見ていきますが、

先手は45歩急戦の誘惑に乗らず、57銀左とすれば、後手は32金と備えるでしょう。ここから棒銀でも良いのですが、68金上94歩96歩64歩47銀74歩38飛

先手は袖飛車にしてみます。63銀35歩同歩同飛34歩38飛

ここで分岐ですが、72飛には66銀

この受け方が良いようです。この図の評価値は+45、36銀~35歩の攻めがねらいですが、それほど厳しくはないので、力将棋となるでしょう。

また

72金36銀51飛35歩

後手がこちらを選んでも、評価値は+37、先手の銀の動きはスムーズなのですが、手数がかかっているので棒銀よりも良いとも言えません。

また先手は57銀右~47金の形での袖飛車を選ぶこともできます。

35同歩同飛34歩38飛63銀36金

先手は早く攻めることができるわけです。72飛には66銀の受けよりも、66歩75歩同歩同飛77銀

この形のほうがわずかに優りますが、評価値は+37、金銀4枚が離れているので、指しこなすのは難しそうです。

戻って

72金35歩同歩同金45歩

後手は強く戦うこともできるようです。それは33角成同桂34歩に47角

ここに角を打てるというのが理由で、28飛55歩同歩56歩48銀46歩

この図の評価値は-21、わずかに後手に振れています。金を攻めに使うと、振り飛車の反撃を抑えやすいという意味はあるのですが、玉が薄くなるので難しいようです。

という2つが、初期のころの袖飛車です。子供のころに加藤一二三先生の本で読みました。書名を思い出せませんが。

 

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SS4-4 ノーマル中飛車に45歩急戦(6)

2024-09-24 | 基本定跡の研究

45歩に55歩と応じて

24歩同歩55角

32金37桂

ここで後手としては45歩は難しく、AIに聞くと51飛が最善のようですが、大山先生は54飛を指しています。(PCで見ている方は、左下カラムで「中飛車に45歩」で検索してみてください。)

加藤一二三先生は実戦で44歩同銀77角56飛25歩

継ぎ歩で攻めているのですが、当然取ってはもらえず、76飛24歩22歩

この図の評価値は-92、後手ペースです。対抗型で2筋の継ぎ歩は良い手にはなりにくいです。

戻って

AIに聞くと、22歩同金47金

32金44歩同銀66角

この図の評価値は+48、改善しましたが、先手としてはつまりません。

他には

57銀左45歩22歩

22同角同角成同金66角

44銀45桂23金53桂成

53同銀11角成44角

21馬99角成55香

これで先手の駒得となるのですが、84飛53香成89馬

89同玉87飛成79玉

98竜78銀77香75歩87桂

68玉78香成同金86桂46銀

ここまで来て評価値は+118、何とか玉を逃げだして先手のペースですが、難しい変化です。

結論としては、先手は挑発に乗らないほうが良く、46歩54歩57銀左64歩には45歩

1手待ってから仕掛けると、この図の評価値は+148です。55歩には同歩45歩56銀・・・とできるので。後手は結局64歩ではなく32金と備えねばならないでしょう。棒銀に持ち込めます。

また54歩に57銀右64歩45歩も

評価値は+148なのです。後手は64歩ではなくて32金とするでしょう。

 

 

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SS4-4 ノーマル中飛車に45歩急戦(5)

2024-09-23 | 基本定跡の研究

45歩に55歩と応じて

24歩同歩55角

55同飛は先手が指しやすいとわかりました。次は32金です。37桂と使って

加藤先生の解説は、45歩33角成同桂44歩同銀41角

42飛32角成同飛43金

これで先手優勢としています。でも評価値は+156、先手ペースですが、まだ難しいようです。AIに聞くと、25桂 (25同桂22飛は難しいので) 32金64角

37桂成を受けるよりも、41飛37桂成同銀同角成24飛

飛をさばく方が優るようです。53銀21飛成51歩

51同飛成同金同竜62銀打では寄らないから難しいみたいです。この図の評価値は+120、先手ペースではありますが。

戻って

後手としては角の割打ちを食らわないように、51飛としておけば良さそうで、57銀左35歩26飛45歩

これくらいのタイミングで角交換を求めるのが良いのです。33角成同桂35歩36歩同飛28角

22歩 (22同金に65角のねらい) 19角成21歩成18馬47角

この図の評価値は+23、互角です。つまり後手の誘いに先手が応じたのは失敗でした。悪いわけではないですが。

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第258回名南将棋大会(壱)結果速報

2024-09-22 | 名将会

(研究会があって遅くなりました。) 本日は第258回名南将棋大会(壱)を開催しました。結果速報です。

A級優勝

黒川和樹さん

B級優勝

瀧本洋満さん

成田広文さん

C級優勝

森七郎さん

荒木昭一さん

佐藤翼さん

D級優勝

黒岩頼さん

近藤悟さん

北爪邦治さん

E級優勝

髙木弘志さん

西山勇樹さん

長谷川智也さん

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様、ありがとうございました。

 

トーナメント表の画像です。

 

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