第1問
いろいろありそうですが、手筋の攻めです。
A 45同飛 B 24歩 C 44歩
第2問
反撃されましたがB面攻撃があります。
A 65同歩 B 39香 C 72銀
ここからは後手番大山先生の手を考えます。
第3問
入玉を目指して粘ります。
A 15銀 B 28銀 C 75歩
第4問
こう受けるとわかりやすいです。
A 41金 B 24玉 C 34金打
20190228今日の一手
11月25日の名南将棋大会から、IさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
金歩歩と角香の交換、馬を作っているので先手の駒得です。ただし相穴熊は金銀の価値が高いので控えめに評価しておきます。
玉の堅さは後手のほうが少し堅いですが、33馬の守備力を考えれば同等くらいです。
相手玉に迫っているものを数えて、先手の攻め駒は持ち駒角銀2枚。
後手の攻め駒は76銀と持ち駒金で2枚。歩を成り捨てればよいので61飛も数えておくのでしょう、ほぼ3枚です。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
まだ後手玉に手がついていませんし、攻めを考える局面ではなさそうです。
後手の65銀が先手の76歩を取って前に出てきたところです。銀を取ってよいものでしょうか?すると後手の攻め駒は1枚です。67歩が と金に昇格することだけ避ければ大丈夫なはず。つまり76銀68金という後手の攻めを受けられるかどうかということです。
もし76同銀と取れないとしたら、持ち駒を打つ方が手堅い原則です。角か銀を自陣に打つ手を考えます。後手の攻め駒は2枚か3枚なので、先手の穴熊が崩れないように受けておけば悪くはならないはずです。
○ 76同銀と取ると
68金が嫌ですが77馬
と引けばただで取られる駒がありません。78金同馬68金
もう一度打たれても慌てずに77馬59金67香
67歩を払って、61飛を封じ込めば楽勝です。つまり後手Hさんの攻めは無理筋でした。
× 88銀とかわして68金
というのは困っています。68同香同歩成同金同飛成69金
後手は59竜から攻めても良いし、62竜からゆっくり攻めても良いです。金角交換でも駒得とはいえないのは穴熊特有の事情です。
× 66銀ならば
大丈夫かもしれませんが、68金同香同歩成同金63香
65歩同香同銀同飛66金
67歩78金66飛同馬68金
食いつかれてかなり受けにくくなります。
△ 実戦は66銀打、持ち駒を打つ方が手堅い原則通りで
一番普通の受け方でしょう。77銀成を先手Hさんは同銀と取らなかったのですが、もう一度76銀66銀打の千日手を恐れたのではなく、48銀58飛57金
飛車を取られるのを嫌ったのだと思います。しかし48飛同金67香
まだ先手の駒得で、後手は48金が攻め駒とは呼べず、61飛を攻め駒として使うには切るしかないです。これは先手有利でした。
さて実戦では77銀成を同桂
と取ったのですが、相穴熊で一番大事な玉の堅さが劣ってしまいました。後手としては46歩同歩48銀58飛47金
飛車を取れば今度は後手有利でした。
それを強引に48銀58飛66飛同馬57銀打
は指しすぎです。57同飛、57同馬、どちらでも先手よしだと思いますが、48飛66銀不成
ここで88銀と埋めておけば形勢不明でしたが、12飛62金寄67香同銀成同金66歩
駒得を急いだので敗勢です。ほぼ飛得なので先手有利ではありませんでした。玉の堅さが大差です。
△ 88銀打は穴熊を固めた手で
77銀成同銀48銀・・・というのは66銀打の変化と同じで先手有利です。変化するとすれば(必要はないですが)77同馬。66銀と打たれた時に
馬を逃げておけば互角くらい。66同馬同飛67香同飛成同金66歩
は難しいところですが、実戦的には攻めるだけの後手のほうがわかりやすいかもしれません。
△ 86銀打でも
77銀成同銀ならば同じことです。
△ 79銀は
77銀成同馬66銀
となるのでしょう。88に銀があるか、79に銀があるかの違いです。同じように実戦的には後手もちなのかというくらい。
○ 57銀と打てば
先手玉から離れていますが、66と68と48の地点をカバーしています。48銀から飛車を取られる手もありません。後手が強攻するならば68金同香同歩成同銀右67歩57銀
77銀成同馬では味消しなので74香か。66銀左65銀77歩
これならば受けきりです。
○ 57角でも良くて
余裕ができれば13角成も見えています。銀でも角でもよさそうです。
△ あとは22角
というのは2枚馬を引っ張ろうとしていますし、13角成も見せています。つまり77銀成同馬48銀58飛57金48飛同金13角成
というのが理想です。
後手に68金を打たれたら
68同香同歩成同金63香
(金をかわすのかもしれませんが)66歩が普通の受けで67歩78金77銀成同桂(同馬と取れなくなった)68銀
39飛77銀成同金68歩成89金
と金を作られたのは嫌ですが、後手も攻めにくい(駒損が影響している)ので形勢不明です。
☆ まとめ
相穴熊は玉の堅さを優先して評価します。
33馬を引き付けられるから堅さで劣っていない、という判断が大事なのです。76同銀68金に77馬
ここに馬を引ければ有利になりやすいです。この図は後手の駒損がひどくて、攻め駒が少なすぎます。堂々と取ればよかったのですね。
それ以外の手としては、銀(あるいは角)を自陣に打っておけばつぶれません。ちょっと変な位置に見えるかもしれませんが、57銀か57角が磐石でした。もちろん背景には77銀成同馬があり、その時にも66銀から馬を追われないということがあります。
20190226今日の一手
11月25日の名南将棋大会から、HさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の2歩得ですが、終盤なので考慮しなくてよいくらいの差です。
玉の堅さは同程度。後手の32金33銀が少し守りに働いていますが、先手の28飛も働いています。
先手の攻め駒は73馬と持ち駒金金銀桂香で6枚。十分すぎます。
後手の攻め駒は57成銀と持ち駒角金桂で4枚。十分です。
総合すれば互角です。
何手で詰めろかを数えると、後手玉は46香で詰めろ、2手すきです。先手玉は詰めろなのです。(後で書きます。)先手番ですが1手違うので後手有利です。
☆ 大局観として
寄せ合い1手負けですから、攻防の手(この場合は詰めろ逃れの詰めろ)あるいはしっかりした受け(1手すきを3手すき以上にする)ことができれば逆転します。すぐに逆転しなくても、とりあえず詰めろを受ける必要があります。詰めろ(1手すき)を1手かけて受けて2手すきにするわけです。
このあたりのことは何度か書いていますが、寄せ合いの基本理論です。
× 実戦は72銀で
後手玉に詰めろ(ついでに飛取り)をかけました。
67桂49玉に27角
ちょうど詰んでいたのですが、後手のHさんは気が付かず。27角を打たずに59金39玉47成銀
これは詰めろでもありません。後手玉が63馬以下詰んでいるはずですが、なぜか後手玉を上部に逃がしてしまい、大逆転が起こりました。
○ 後手に27角を打たれると先手玉が詰むということがわかりました。なので62金42玉63馬
が好手で、詰めろ逃れの詰めろです。後手から逆転する手段はありません。
では詰めろ逃れの詰めろに気が付かなかった場合はどの受けが良いでしょうか。玉の早逃げから見てみます。
× 49玉は27角
で詰まされます。(27角ではなく47桂の詰めろも受けにくいです。)
× 69玉は
47角79玉56角成
まだ受ける手はありますが、左翼に逃げると97歩成が決め手になりかねません。
× とすれば後手の67桂を避けて、何か駒を打ちます。香を使うならば、69香は47桂
でだめです。
△か× 68香ならば
47桂69玉89角77金56角成67銀
という感じです。左翼に逃げるのが不安ですし、攻め駒が減ったので馬を逃げられて少し悪いです。
△ 79桂は
47角68金56角成67銀
あるいは67金打かもしれません。成銀に当たっているので後手も忙しく、互角くらいです。
× 39桂は
後の27角のほうを受けたわけですが、67桂49玉59金38玉49角
並べ詰みです。やはり67桂のほうを受ける必要があります。
× 58銀は
68に駒を打たれます。68角もありそうですが、68金49玉58金同飛67角
飛車を取られると受けが無くなります。
○ 68銀ならば
79角という迫り方も消しています。成銀取りなので62金の受けは二枚換え(62同馬同玉57銀)になります。67桂同銀62金(67同成銀は詰めろではない)
と受ければ62同馬同玉55桂67成銀64歩
寄せ合い勝ちです。
後手は67桂ではだめだとすると39角
これも詰めろではなく、62金43玉46香44桂63馬
後手玉には詰めろがかかります。必至ではないですが一手一手の寄りです。
△ 48金だと
39角が詰めろ。57金同角成68銀
後手は銀金を交換して馬を作ったので攻めやすくなっています。48金同飛47桂69玉48馬
飛車を取られて詰めろではだめです。
ならば68金のほうが優ります。
67桂同金同馬49香
これは詰めろ逃れの詰めろです。一瞬逆転しますが、後手は69金同玉49馬か、62金と受けるか、形勢不明です。
△ 58金は
58同成銀同玉62金74馬45桂
先ほどの48金ならば同成銀同飛で後手玉が詰めろになっていたのですが、今度は単に清算されそうです。39角もあるので75馬から受けて互角です。
△ 68金だと68同成銀同玉が受けやすい意味があるのですが、79角
が詰めろです。57金同角成以下、48金の変化に合流します。
△か× 78金は遠いですが
79角はありません。47角68金打56角成
金二枚使ったのが不満です。
☆ まとめ
先手玉の詰み筋を読むことが第一です。47桂のほうは詰まないので、67桂49玉27角の筋だけ。
27角を消す62金~63馬で逆転(詰めろ逃れの詰めろ)です。
受けとしては
攻め駒が6枚あるので2枚までは使ってもよいことになるのですが、なるべく強い駒を残したいです。
また後手の攻め駒は4枚ありますから、強い受けのほうが望ましいです。つまり57成銀に当てる手を考えたいのです。
そしてこの時に57成銀よりも弱い駒のほうが後手の攻めが細くなります。香桂銀で受けるのが望ましいのです。(受けとしては危険ですが。)金で受けるほうが簡単ですが、後手が金を持つと攻めやすくなります。
これらの条件から、香、桂、銀と検討して、68銀が最善の受けです。
(互いの条件が絡むので一般化しにくいですが、この問題で論理的に考えるとここに行きつきます。)