第1問

どれもあるのですが、一番難しそうな手を選びます。
A 45同桂 B 55銀 C 35銀
第2問

どうさばきましょうか。
A 45桂 B 45銀 C 46歩
第3問

相手に任せます。
A 44銀 B 44角 C 31飛
第4問

強く受けます。
A 84歩 B 84香 C 66香
20171231今日の一手
10月7日の名南将棋大会から、HさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
香と銀歩歩の交換で後手に持ち歩があるので歩はカウントしませんが竜を作っています。先手の駒得です。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は持ち駒角銀で2枚。
後手の攻め駒は69飛と持ち駒香香で3枚ですが、と金を作って4枚目の攻め駒を作ろうとしたところです。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
先手は駒得だけれど後手に攻められてどうしようか、と悩むところ。後手玉に手がついていないので寄せ合いは負け、というのが普通なのですが、後手の持ち駒香2枚は横から攻めるには不向きです。だから寄せ合いでも指せそうな感じです。
駒得なので持久戦にしたいのですが、と金で攻められると金銀1枚と交換になりそう。すると駒得が消えます。
駒得なので長期戦、寄せ合いで1手勝ちを目指す、どちらも課題がありますが、この二つの選択です。
単に玉を固めて待つ、ではまずいでしょう。もっと駒得を目指す、というのも方向が違います。
△ 普通に寄せ合いなら81竜
59歩成に64角
58と56銀59飛成54歩57と
59竜の利きが遠く53まで通るので53歩成47と が自信なし。
途中58と に66銀ならこれを避けられるのですが、63香
を打たれます。73角成66香45桂44角54歩
後手は52香は打ちたくないので、25歩53歩成同金同桂成26歩同銀同角24歩
こういう形勢不明の寄せ合いです。
△か× 64角を先にすると
65桂56銀68飛成65銀67歩成
今度は6筋で竜の縦の利きが利いてきます。手順前後するとちょっと困っているみたいです。
△か× 82竜と2段目に入ると
59歩成64角58と56銀68竜54歩52歩
2段目のほうが厳しく見えるのですが、歩を受けられるとパッとしません。
△か× 37桂と使って
59歩成45桂44角54歩52香
後手が歩を入手するのが間に合わないから香を使わせて、まあまあともいえるのですが25歩と攻められる筋が残って忙しいです。
△ 54歩から
65桂56銀68飛成65銀
後手は歩を入手して52歩の余地を作る攻め方を選び、先手は桂を取ります。67歩成53歩成同金54歩52金82竜
これは先手の調子が良さそうです。
ということはやはり後手は59歩成の方か。
53歩成同金82竜
これで41銀狙いです。この寄せ合いは互角に見えます。
○ 実戦は35歩
後手の銀冠は金2枚が横に並んでいるので横からの攻めのほうが強いのです。だから上から(小びんというべきか)攻めてみました。同時に78角を狙っています。だから67歩成と捨てて、67同歩59歩成34歩同銀35歩同銀62角
両取りで好調のようですが、37歩同金寄に36香が強打。36同銀同銀同金58と
73角成(34桂狙い)34歩35歩
うまく攻めているように見えるのですが、手を抜いて57と34歩44角45歩に47銀
で明らかな寄せ合い負けでした。
途中35歩がぬるかったので81竜57と23香
ならば難しい寄せ合いでした。
また、もう少し戻って62角を打たないで36歩ならば穏やかで
44銀34銀58と56銀59竜37角
駒得が広がったので手堅く受けに回って長期戦です。68竜に45歩57と46角という調子。先手よしでしょう。
○ 88竜として
59歩成に78銀
駒得を狙うわけではなくて、後手の飛を取って攻めを遅らせます。うまくいったようですが、85香87歩同香成同竜79飛成
香を犠牲にして逃げられました。それでも97角で死んでいるようですが、86歩77竜65桂
竜の取り合いでは投資した角銀が遊んで、取られてしまいます。代わりに桂をもらうわけですが、うまくはないです。
78銀がまずければ78竜
58と に69竜同と64角
これなら と金がそっぽに行ったわけで、寄せ合いに行って勝ちそうです。
☆ まとめ
横から寄せ合いに行くなら、81竜か82竜か64角か。この比較は難しいのですが、間違った手を選ぶと負けてしまいそうです。どうやら81竜が正しいようなのですが、互角の寄せ合いでした。
もう少し工夫して、54歩~53歩成同金82竜ならばこれも互角です。
実戦の35歩はさすが。Kさんの経験が生きています。金の位置の違いから上から攻めるほうが厳しいと考えました。ただし後手に強気に応じられると危なくて、嫌味をつけながらゆっくり指す指し方が必要でした。
88竜から78竜、というのはかなり気が付きにくいのですが、69飛が生なのでいじめる指し方がありました。これならはっきり先手有利になります。
こういうのが振り飛車を指す難しさなのですが、居飛車側に戦法の選択権があり、その選択によって振り飛車の指し方が変わるのです。
さばく振り飛車、攻める振り飛車、粘る振り飛車、これらすべてを使いこなせないと勝ち続けられません。(それが私が振り飛車を指しこなせない理由なのですが。)現代なら久保先生がさばく振り飛車の代表かもしれませんが、粘って指している将棋も多いです。大山先生が粘る振り飛車と思ってしまうかもしれませんが、軽くさばく将棋や強引に攻める将棋もあります。1つだけマスターするのも大変ですが、それだけで勝てるわけでもない、というのが難しい。よく言えば奥深い。
問題図では粘る振り飛車でないと勝ちにくいです。駒得で条件が良いようなのですが、寄せ合いではなかなか1手勝ちが見えてきませんでした。
今年最後の問題はいろいろ考えさせるものでした。来年もよろしくお願いします。
20171229今日の一手
10月7日の名南将棋大会から、KさんとJさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損ですが持ち歩があります。竜と馬を作り合って、損得はありません。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。穴熊だから堅いというわけではなく、まだ手がついていないから寄せられるまでに手数がかかるという意味です。後手も馬付きの美濃囲いになれば大きな差ではないです。
先手の攻め駒は82竜と持ち駒角銀桂で4枚。
後手の攻め駒は77馬は先手玉に向かっていないので、持ち駒飛銀桂で3枚。
総合すれば先手有利です。
☆ 大局観として
玉の堅さと攻め駒の数では上回っています。駒得になれば優勢になっていくのですが、91香を取ったとしても後手も98香を取りに来るでしょうから差がつきません。駒を取れずに長期戦だと後手から端攻めとか24香~36桂とか46歩同歩47歩とかの先手にはできない攻め筋が生じやすくなります。
自玉に手を入れる必要もないので、攻めることを考えます。なるべく駒損をしないで後手玉を寄せていきたいです。もし駒を取りながら寄せられれば攻めが切れません。
△ 91竜では99飛くらいで
香を入手したことに意味がないといけません。5枚目の攻め駒は必要なくて1手攻めが遅れただけになりかねませんから。使えるのは26桂98飛成14香ですが12香打
で効果なし。やはりぬるい手です。
△ 実戦では53桂と捨てました。
一気に寄せられるのかな?とみていると、53同金42銀同金31角33玉
これは勇み足だったか?91竜22銀42角成同玉
これはほぼ角損です。後手玉がかなり不安定になったので74歩から と金を作って頑張りましたが届きませんでした。
まるでだめだったわけでもなくて、91竜では42角成と切って、42同玉に72竜が両取りでした。(私には見えにくいので困りますが。)33玉77竜
という図は(歩を除いて)銀桂と金の交換で竜を作っているので、少し駒損くらい。77竜の存在で98香を取られにくくなっているので案外に先手よしかもしれません。
○ 53に打つなら歩の方が良いです。
これでも52銀があるので後手は取らざるを得なく、53同金42銀同金31角33玉42角成同玉72竜33玉77竜
と同じ手順で銀歩歩と金の交換で竜を作っています。これなら少しだけ駒得です。竜を潜って香を取るよりも82角から91角成でゆっくり指します。後手が飛を打ち込んできたら捕獲できるかもしれません。
× 両取りの筋に気が付くと52銀
を考えるかもしれませんが、52同金31銀33玉72竜に42銀
42同角成同金寄77竜
これで悪くはないですが、前の変化よりも後手玉が堅くなっています。指しすぎなのでしょう。
△ 52歩なら
52同金は72竜で両取りです。両取りが見えなくても後手は取りにくいでしょう。33馬に91竜78飛66角
という調子です。馬と角は交換してもらえなくて55歩くらい。まあまあなのですが長くなりそうです。
△ 66角と打てば
馬が消えるので少し駒得です。けれど両取りの筋も消えるので、長くなってしまうとだんだんに駒得は消えていきます。
△ 75から角を打つと
後手は52銀を防いで何か受けるのですが、64銀と打つなら66角で得をしています。
42銀と受けて53歩同金なら26桂
44馬25銀33銀右34銀
となれば調子よく攻めが続きます。
後手としてはどこかで78飛と打って
けん制すれば難しいです。
53歩に同銀ならば
53同角成同金42銀同金31銀
33玉42銀不成同玉72竜33玉77竜
手順は違いますが、最初に53歩としたのと同じ図です。
○ 他の角打ちは61角
高美濃攻略の手筋ですね。42金引には26桂
25銀34桂同銀同角成、となって先手の駒得ですから有利が拡大します。
61角には44馬(か33馬)と守るのですが52銀
で手ごたえあり。52同金同角成31銀に91竜
香を取っておいて、78飛に36桂35馬44香同金同桂同馬31竜
という攻めを狙えば寄せられます。
後手は52銀を取らないで42金引
のほうが難しく、41銀成同金43金
と強攻するくらい。43同銀同角成同馬41竜
42銀31銀同銀43竜32銀打
これで寄せきれないのですが、34竜で14桂狙い、43銀打に36竜か45竜か14桂か、駒損をしないで(少し得をして)後手玉が弱体化しましたから、問題図よりも良くなっています。
先手から嫌な感じがするのは61角に52銀
なのですが、後手から見ると相当に怖いです。52同角成同金31銀33玉72竜
とすれば明快ですが、両取りが見えなければ(なけれは)41銀と打てば攻めは続きます。
☆ まとめ
高美濃に馬の利きがあるので後手玉も粘りが利きます。いっぺんに寄せきれないのですが
53歩同金42銀の筋
61角から52銀や26桂の筋
が有力です。強く攻めているようでもなるべく駒損しないように、駒損するのならば一気に寄せてしまえるように、と考えます。自玉が穴熊だと、駒損でも攻めてしまえ、と将棋が荒くなるのですが、攻めが切れてしまったら負けます。こういうのは穴熊ばかり指すことの弊害です。
駒損しないように攻める、駒損でも一気に寄せる、というバランスは難しく、相手玉が寄るかどうかのという局面次第です。だから攻め将棋を自認するならば読みの力を養わねばなりません。
逆に受けているときはせいぜい3択くらいで、つぶれないように確認しながら手を選ぶだけですから、読みの力が絶対に必要というわけでもありません。受けるのもいろいろなテクニックがあって面白いです。
どちらの道を選びますか?