名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS3-5 先手角道オープン向い飛車(12)

2024-04-30 | 基本定跡の研究

先手から動くのは無理そうなので

86歩ではなくて16歩14歩57銀と待ってみます。64銀に

22角成同玉66歩12香

急戦を目指した64銀と、後手の金銀がまとまっていないのに穴熊は違和感があります。AIに聞いてみると、12香では32銀か32金くらいで、-100ほどの後手ペースですが。58金左11玉65歩

65同銀は68飛64歩77桂とさばきます。なので53銀に46角73角同角成同桂46角

AIに聞いてみると、わずかに72金のほうが優るようですが、定跡本では62金75歩同歩78飛76角55歩

先手ペースとされていますが、この図の評価値は0近辺の互角です。55同歩に76飛同歩55角44銀71角56歩・・・というような攻め合いが予想されます。

後手の方針がぶれているようなので、74歩ではなくて64銀を見てみます。実戦例があったのでしょうか。

これでも後手がいいのなら、話は簡単ですが。でも早く64銀を見せたので、66歩33角67銀22玉86歩

後手の穴熊か左美濃へ組み換える前に、先手が動きます。86同歩には同飛。同飛同角87飛82飛

これが王手になるというのが大きく、32銀78銀88飛成81飛成52金右77桂

田中先生は先手十分としていますが、評価値は+573のはっきり先手有利です。

後手は飛交換には応じられず85歩ですが、

(86同飛同角82飛87歩も先手ペースでした。) 88飛32銀78金52金右65歩

後手の64銀がマイナスになっていて、先手ペースで戦えます。評価値は+158。こういう66歩を突く形で、後手が穴熊などを目指した時のほうが、向い飛車の優秀性が出ると思います。

 

 

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SS3-5 先手角道オープン向い飛車(11)

2024-04-29 | 基本定跡の研究

またこの図に戻りますが、

後手は86同歩の一手ではありません。77角成同銀86歩もあり得ます。

86同飛は同飛同銀88飛82飛

ここで田中先生の定跡本では、52金右以下は先手優勢とありますが、(手順省略で)この図です。

評価値は-110で後手ペースなのです。先手の桂得とは言え、99香は取られるのですし、78角と手放しているから楽観できないはずですが。

それはともかく

後手の受け方としては、定跡本で62銀が後手の最善 (先手自信なし) のように書いてありますが、互角です。AIに聞いてみると、42銀引が最善で、78角88飛成81飛成51金右

この図の評価値は-275の後手良しです。後手玉が堅すぎますね。

ということで

86同飛は後手良しです。86同銀はどうでしょうか。73桂84歩同飛66角44角

派手な戦いになりますが、84角88角成73角成89馬58金左

田中先生は先手が指せるとしているのですが、評価値は-157の後手ペースです。美濃囲いの堅さを過大評価しているのでしょう。金銀4枚の舟囲いのほうが堅く、86銀が遊んでいる (攻め駒にも玉の堅さにも関係していない) のがマイナスです。

定跡本では

86同銀に33角のほうを勧めています。

77桂75歩は後手が良いでしょう。88銀の時には88飛成同銀82飛

88同角成とすると82飛が王手馬取りになるところでした。78金88角成同金同飛成

(先手自信なしとしていますが) 評価値は-842で、後手優勢に近いです。

戻って

最善は77角の合わせです。73桂に75歩は

仕方のない動きでしょうか。65桂33角成同桂73角

81飛82歩71飛46角成44角

98飛88歩では悪いので、55歩同角同馬同歩77銀

後手は銀を取るのではなく、57桂不成59金左49桂成同金56歩81歩成72飛

この図の評価値は-230の後手良し (先手自信なし) です。つまり最初の

86歩からの動きは、昨日までに調べた86同歩よりは、77角成同銀86歩のほうが、後手としてはわかりやすいようです。先手の動きは無理なのでした。

 

 

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第252回名南将棋大会(壱)結果速報

2024-04-28 | 名将会

本日は第252回名南将棋大会(壱)を開催しました。結果速報です。A級~F級の6クラスになりましたので、昨日の(弐)はG級~K級に直してもらいます。

A級優勝

黒川和樹さん

B級優勝

伊藤奨さん

南沢祐仁さん

C級優勝

瀧本洋満さん

D級優勝

成田広文さん

E級優勝

戸松克彦さん

F級優勝

松本雅紀さん

寺本浩二さん

高原秀樹さん

地下好さん

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様、ありがとうございました。

 

トーナメント表の画像です。

過去12か月分の優勝記録です。

半分にして拡大します。

 

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SS3-5 先手角道オープン向い飛車(10)

2024-04-28 | 基本定跡の研究

昨日の話の枝分かれなので、蛇足だという気もしますが、定跡本には先手の工夫が書いてあります。

53銀が浮いているからと86歩から動いたのですが。86同歩同飛85歩88飛64銀の時に22角成、先手から角を交換します。

22同銀78金73桂77桂

この図の評価値は+37で互角です。ここで後手の86歩が疑問手なのですが、定跡本では当然のように書いてあります。これも実戦例なのでしょうか。85歩同桂86飛

84歩66歩77桂成同銀85歩89飛

この図の評価値は+304で先手有利。後手がおかしなことをしています。

後手が86歩を突きたければ、桂を跳ね合わずに突くべきで

69角のねらいがあります。定跡本では77金と受けて87角の打ち込み。

86金がすごい手ですが、実は76角成とすれば難しくて

85歩87歩同金85馬

この図の評価値は+18で互角です。

戻って、定跡本では

86金を同飛77銀82飛96角

角は取れなくて、歩切れなので86金しかありません。同銀を同飛と取れなくて76角成

83歩同飛85銀87歩74銀

激しい展開ですが、この図の評価値は+352で先手有利です。多分これが実戦例で紹介したかったということなのでしょう。

なお途中の76角成のところは96角成として

96同歩79角87飛73桂

この図の評価値は+122で、後手としては歩切れが痛いですが、まだ互角の範囲です。

ちょっと面白い変化もあるのですが、正確に指せば互角というところでした。

 

 

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子どもに将棋を教える方法(1)

2024-04-27 | 将棋上達法則

今日の名南将棋大会に参加された廣瀬さんから頂きました。参考になさってください。

私は名古屋市内の小学校(トワイライトスクール)で将棋を教えていますが、本将棋よりも山崩し、お金将棋、まわり将棋のほうが多いかも。

駒の動かし方を教えるときは、王と歩だけ、王金歩、王金銀歩、、、と増やして教えていきます。動かし方がわかるまで2,3時間でしょうか。あとは平手で負けてあげます。最後の王手をかけて詰ますところを考えさせます。一生懸命に考えて解けた時には、良い顔をしているものです。さらに何か飴玉を用意しておくと効果的です。

そこまでできるようになったら、子供の多い教室に通わせることでしょう。私が1対1で (何人か) 教えたのですが、続かないです。自発的に考えることが大切なのでしょう。

 

 

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第252回名南将棋大会(弐)結果速報

2024-04-27 | 名将会

本日は第252回名南将棋大会(弐)を開催しました。結果速報です。

F級優勝

桑山湧吾さん

G級優勝

志満徹章さん

森巌さん

H級優勝

天野一雄さん

柿田昌美さん

沢田常夫さん

I級優勝

長谷川智也さん

J級優勝

船山松平さん

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様、ありがとうございました。

 

今日のトーナメント表の画像です。

 

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SS3-5 先手角道オープン向い飛車(9)

2024-04-27 | 基本定跡の研究

先手から動くのは無理そうなので

この図から自重して、38玉62銀28玉53銀38銀

玉を囲って待つほうが自然でしょう。後手もゆっくり指しそうなところではありますが、74歩としたら86歩

というのが定跡本にあるので、実戦例なのでしょう。86同歩同飛に同飛同角と交換すると53の銀取りになってしまうので、85歩88飛64銀

66歩に75歩

ここは65歩の反発もありそうですが、定跡本には書いていないので、後ほど調べます。67銀52金右

AIに聞いてみると、75歩同銀76歩と収めておいて、先手が悪くないようです。多分実戦例で、78金55歩同歩同銀

76歩同銀66銀が後手のねらいなので、ここは75歩を取りますが、少し先手が悪そうで、56歩58歩64歩

としておけば、後手ペースです。でも定跡本(実戦例)では

75歩86歩同飛同飛同角56歩

田中先生は先手自信なしとしているのですが、この図の評価値は+101の先手ペースです。68角66銀56銀に76飛

というのが後手の有力手ですが、79金88歩46角

後手は91角成を防ぎにくいので、57銀不成同角56飛が最善のようですが、

68金89歩成84飛

この図の評価値は+210に上がります。

でもちゃんと指していれば後手ペースのようですね。

ということでここまで戻って

65歩はどうでしょうか。65同銀22角成同玉

46角64角同角同歩75歩

75歩を取るところでは、83歩同飛77桂74銀75歩63銀というのもありそうなところでした。33角77桂76銀78金32金55歩

55同歩は54角、55同角は53角(56歩~64角成ねらいで先手よし)です。86歩84歩同飛85歩87歩成同金同銀成同飛82飛86飛55角

この辺りはどう指しても一局なので、手順を覚えても仕方がないところですが、評価値は0付近の互角で推移しています。

要するに

53銀が浮いていると言って、86歩から動くのは (86同歩同飛85歩以下) 互角の戦いででした。定跡本には別の変化も載っているので、明日調べてみましょう。

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SS3-5 先手角道オープン向い飛車(8)

2024-04-26 | 基本定跡の研究

最後に調べるのは、後手が34歩と突く形です。

22角成同銀53角57角

ここで分岐しますが、58飛84角成55歩同歩同飛

先手は勢いよく攻めているようでも手損しています。52歩26角成74馬48玉86歩同歩同飛

田中先生は先手不満としていますが、評価値は-305で、すでに後手有利。

戻って

58飛に24角成とするのも (多分実戦例が) あって、75角成42馬

馬交換は後手の手得です。65馬86歩同歩同馬48玉64馬

66馬33銀88飛

先手の受けが間に合いましたが、87歩78飛・・・という進行でしょう。互角とされていますが、この図の評価値は-202の後手良しです。

また戻って

96歩84角成58飛42金97角成

駒組を進めて

評価値は-70の互角です。この辺りが先手の最善かも。

またまた戻って

68銀84角成96歩

74馬97角成56馬48玉

42金38玉41玉58金左32玉86歩同歩同馬

先手十分とされていますが、評価値は+24の互角です。

後手としては途中で

74馬~56馬と1歩取りに行くのがつまらないようで、62銀97角成74歩・・・駒組を進めるほうが、互角ですがわずかに勝ります。

最初に戻って

先手から角を交換しても今一つでした。68銀42玉48玉32玉

ここで角を交換すれば、先手だけ馬が作れそうですが。22角成同玉53角42銀75角成84角

先手の馬は消されてしまいます。でも84同馬同飛66角が王手飛車、でもでも33角があって

84角88角成66角

66同馬同歩88角

88角では88飛とする方がわかりやすく後手有利ですが、77角同角成同銀45角

この図の評価値は-254の後手良しです。

戻って

この図は後手の誘いの隙でした。蛇足ですが、22角成に同銀もあって、53角62銀26角成44角

44同馬同歩55歩53銀54歩同銀53角

馬は作れそうですが、評価値は-102、先手が面白くないです。

結局のところ、先手から角を交換すると2手損なので、馬を作ろうとしてもうまくいかない、という結論です。

 

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SS3-5 先手角道オープン向い飛車(7)

2024-04-25 | 基本定跡の研究

52金右~62銀~53銀の代わりに

42玉がどうか、というのが次の工夫です。先手は86歩同歩同飛と動きますが、同飛同角

これが王手になるというのが先手のねらいです。32玉84飛82歩77角

この図の評価値は+94、定跡本では先手が指せるとある通り。83歩と合わせて竜を作るねらいがのこります。

ということで後手は飛交換を拒否します。

88飛の後は駒組に戻りますが、32玉38玉62銀78金74歩22角成同銀77桂

73桂75歩同歩74歩

この図の評価値は+140、先手もちで良いでしょう。ただしこの手順は絶対ではありません。

AIに聞いてみると、88飛32玉38玉の時に77角成

77同桂は86歩85歩87角で後手良しです。77同銀57角

この角は66角と合わせれば消えるのですが、48銀84角成66角のほうが少し得で、同馬同歩67角

後手が手損しているだけのようですが、先手が攻めの形を作りにくいようです。78角か65角かになるのですが、評価値は0付近の互角です。

変化は他にもあって、86歩の時に77角成とすると (これは升田流向い飛車というべきか) 

77同銀86歩同銀33角77角74歩

85銀77角成同桂の時に、AIに聞いてみると、44角68金73桂84銀65桂

という変化を選んで、評価値は0付近の互角です。

定跡本では

85銀に77角成同桂73桂84銀95角

派手な手が書いてあります。おそらく実戦例なのでしょう。先手の正着は83歩88角成82歩成88馬73銀不成・・・で互角のようですが、66角と打って、84飛同角77角成66角

後手はなぜか飛を取らず (88馬同角44桂は後手良し) 67馬11角成22銀打

ひねった手順を選んだので、22同馬同銀71飛成65桂58金左

この図の評価値は+467の先手有利です。

今日の話としては

ここで86歩から動くのは変化が多いですが、後手が最善を選べば互角です。

ところでもっと前の所からAIに聞いてみると、後手は52金右48玉62銀38玉74歩とするのが良いようです。

28玉42玉の時に86歩と動くと

77角成同銀86歩同銀73桂

この図の評価値は-178の後手良しです。後手はこの変化を想定して、右翼の駒を使えるようにしてから玉を移動すれば、先手の86歩からの動きには対応できるのでした。

 

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SS3-5 先手角道オープン向い飛車(6)

2024-04-24 | 基本定跡の研究

次に調べるのは52金右の形です。

68銀34歩48玉

先手は銀桂を整えて待ちます。後手は玉が移動すると86歩同歩同角が王手になるということはあるのですが、62銀38玉53銀とすると86歩同歩同飛とぶつけられます。

なお86歩に77角成とすると、同銀86歩同銀の変化になり、ここでは後手が悪いです。さて86同飛同角82飛

角取りを受けさせて99角成とすれば後手有利なのですが。71飛42玉53角成

53同金に83歩 (取れば72飛成) が痛く、52飛77桂の図は

評価値で+1104、先手優勢です。

戻って

86同飛同角に84飛ならば

後で83歩とたたかれることはないです。でも71飛42玉53角成同金77桂

89飛成79金99竜65桂

この図の評価値は+555の先手有利です。

では飛交換せずに85歩でどうかですが、

88飛42玉のところで、定跡本では78金としてから攻めるのですが、32玉22角成同銀77桂14歩

85飛とぶつけてこいと言われると、案外に難しいようです。この図の評価値は+210で先手良しなのでしょうが。

ということで

88飛42玉には84歩

すぐに攻める方が優ります。後手は取るしかないですが、84同飛22角成同銀66角33角

この図はどちらが良いかを知らないといけません。単純に84角88角成として

この図の評価値は+342の先手有利です。82飛と打って桂香を取り合えばよいでしょう。

要するに今日の話は、後手の52金右~53銀の形はだめですよ、ということです。

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