名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS2-14 78飛戦法(4)

2024-08-31 | 基本定跡の研究

初手より78飛84歩76歩85歩77角34歩48玉77角成同桂、今日は52玉を調べます。

先手は65桂から攻めてもうまくいきません。88飛には45角があるので、38玉が最善でしょう。86歩同歩同飛には88飛

88同飛成同銀72金は

評価値は+93、後手としては面白くもなし。なので戻って

87歩89飛88角と攻めてみたいのですが、66角を打たれて

この図はすでに先手有利なのです。99角成同飛88歩成65桂

評価値は+1297、先手優勢です。

戻って

33桂には78金

しっかり受けられて後続がなし。評価値は+567の先手有利。

後手としては

38玉に86歩ではだめです。62銀88飛32銀68銀31玉

持久戦になり、28玉14歩16歩64歩

先手は78飛~88飛としているので1手損。まあ手損はダイレクト向い飛車と同じです。77銀ではなくて77桂の形を生かせるかどうか。85桂ポンはちょっと無理ですから、駒組がもう少し続くでしょう。

この図の評価値は-91、後手ペースではありますが、この後次第です。

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SS2-14 78飛戦法(3)

2024-08-30 | 基本定跡の研究

もう初手からの手順は頭に入ったでしょうか。78飛84歩76歩85歩77角34歩48玉77角成同桂、今日は54角を調べます。

これも米長先生の「新鬼殺し」に似た感じです。先手は38玉が自然で、76角に65角

65同角同桂62銀55角44角

44同角同歩では勢いが止まるので、73桂成同桂同角成同銀同飛成62飛

この図の評価値は0近辺の互角です。角銀交換で竜を作ったけれど、99角成は受けねばならない。先手が歓迎すべきではないか。

戻って

38玉ではなくて55角ならば、22銀85桂

怪しい手が出てきます。27角成73桂成同桂同角成

王手の受け方は42玉46桂52玉というのが最善らしく

それでも評価値は+137、先手は互角以上です。

戻って

AIによると最善は33銀のようで、73桂成85飛46角27角成

この図の評価値は+96ですが、74成桂82歩75成桂87飛成88飛同竜同銀

ここまで進むと+44、難しい岐れのようです。

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SS2-14 78飛戦法(2)

2024-08-29 | 基本定跡の研究

初手78飛戦法で

84歩76歩85歩77角

34歩48玉

77角成同桂

ここで86歩は先手有利になりました。今日は45角を見てみましょう。2手目32飛戦法を思い起こせば、77桂としてあるか、88銀としてあるかの違いですが、その差は大きいのです。(32飛戦法では36角しかなかったのですが、) 先手はここでも65桂と跳ねて

62銀55角12香

先手としては11角成32銀よりも、75歩27角成74歩のほうが優ります。

鬼殺しのような攻め筋ですね。後手には54馬があって、73歩成55馬

綱渡りの受けが成立します。82と同馬11飛

でも12香の欠陥があって、飛を打ち込まれるとは。この図の評価値は+114、先手ペースとも言えないような評価値です。77歩68飛33桂12飛成・・・まだ互角ですが、後手としては好んで選びにくいでしょう。

どこかで14歩16歩の交換が入っていた場合は

45角に対して55角よりも65桂が優るようです。後手は62銀ではつぶされそうなので62金。

(62銀だと75歩27角成74歩同歩55角で先手有利です。) 55角に13香とできるのが

端を突き合っていた場合の後手の利点です。75歩27角成73桂成同桂74歩

先手は先に桂を捨てて歩を突き出してみます。77歩73歩成78歩成同銀

81飛62と同銀22歩

この図の評価値は+158の先手ペース。今は駒損ですが取り返せます。ということで端歩を突き合っていても、後手の45角には十分対応できます。

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SS2-14 78飛戦法(1)

2024-08-28 | 基本定跡の研究

次は先手番で、初手に78飛とする戦法です。

定跡本としては、門倉啓太先生の「初手▲7八飛戦法」です。でも手元にないので、ネットから手順だけ拾った孫引きです。ごめんなさい。先手番で使うと32飛戦法とは変化がかなり違うのです。

まずは84歩から。76歩85歩77角

ここまでは常識的ですが、77角ではなくて77飛というのもあるようです。後で調べます。34歩に66歩と止めれば無難ですが、48玉として

先手は乱戦を誘います。後手が攻めるとすれば、77角成同桂

単純に攻め続けるならば86歩同歩同飛ですが、65桂と跳ねて

53桂不成と77角がありますね。後手は44角を打てば両方防げるわけですが、それでも53桂不成同角77角

この図の評価値は+514の先手有利です。駒損は回復できるし、角の働きの差や、玉が安定しているかということもあります。

戻って

86歩同歩に87角というのもありますが、65桂と跳ねて

飛角交換は問題なし。53桂不成と55角の筋があります。この図の評価値は+716の先手有利。

簡単に後手良しとはいかないわけです。

 

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SS2-13 32飛戦法(15)

2024-08-27 | 基本定跡の研究

後手の別の指し方を調べてみます。長岡先生は44歩と止めてから (手順は端折ります)

穴熊に組んでどうかと。

昔は端の位を取られたら穴熊に組んでいい勝負という考えがありました。先手は左美濃~銀冠も有力なのですが、相穴熊を選んで

54歩56歩53銀57銀64銀66銀74歩88銀72飛

長岡先生は後手十分だというのですが、この図の評価値は+405、はっきり先手の作戦勝ち (すでに先手有利の範囲) です。相穴熊での端の位は大きすぎるのです。「後手十分」というのは7筋から攻められるからだというのですが、調べてみましょう。59金右75歩同歩同銀同銀同飛86角

65飛53角成67飛成68飛

先手には馬があって、穴熊の堅さも違います。後手が仕掛ければ先手有利になります。

他には後手が角筋を止めない形で

先手が角を交換して (AIによると最善ではなく、相穴熊を目指して様子を見るのが良い)、後手が穴熊に構えると

レグスペ (角交換穴熊) に準ずると書かれています。この図の評価値は+267の先手作戦勝ち。

持久戦になったとしても、後手が互角以上に戦える形にならないのです。

 

2手目32飛戦法はこれで終わりますが (相振り飛車もあるけれど) 、馬の作り合いがやっかいで、後手は互角にすることができません。消える戦法なのでしょう。

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SS2-13 32飛戦法(14)

2024-08-26 | 基本定跡の研究

先手が無難を求めれば

2筋の歩を伸ばすのを後回しにすることはできます。34歩68玉35歩78玉44歩26歩42銀25歩34飛

後手は石田流本組にすることが可能です。先手が従来の陣形を選ぶと、手順省略でこの形です。

9筋の位を取ってからの棒金での石田崩し。これは難しいです。長岡先生も難解だと。この図の評価値は0付近の互角です。

私のとっておきの石田崩しを紹介すると

46歩43銀47銀52金左68銀14歩16歩82玉38金 (58金右も可能) 72銀56銀33桂47金13角79金54銀

エルモ囲いで56銀47金型を作ります。18飛 (15歩同歩同飛ねらい) 22角38飛13角

先手は0手で38飛とまわれました。この図の評価値は+318で、すでに先手有利の範囲です。15歩同歩36歩

36同歩同金35歩26金~14歩という攻め方があり、石田流本組は怖くないのです。

 

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SS2-13 32飛戦法(13)

2024-08-25 | 基本定跡の研究

後手が端を受けなかった場合は、76歩32飛96歩62玉95歩

先手は端の位を取ってどうか。72玉26歩34歩25歩35歩

先手が2手端に費やしているので、後手は升田式石田流に組むことができます。48銀34飛22角成

22同銀88銀32金77銀36歩38金

先手は46歩~47銀が間に合わないので、36歩を突かれたら38金と受けます。44銀に36歩を取ると45銀

長岡先生は33桂~36銀が受けづらいと (先手にとって否定的に) 書いているのですが、35歩同飛26角

返し技があるので先手が良いのです。34飛53角成36歩26馬

64角には37歩と受けて、

33桂78玉

この図の評価値は+381の先手有利です。37歩成には同桂で問題なく、後手から攻め続けることができません。先手は馬+1歩得で駒得ですし、陣形を整備してから後手の角銀を追い返していく感じです。

長岡先生の本では、36歩を取らずに

この図から、44銀78玉37歩成同銀35銀

こちらを本手順にしていて、「後手がよい」と控えめに書いています。でもAIによると、56角84飛36歩44銀46銀

54歩24歩同歩同飛22歩23歩

先手は2筋を攻めます。55歩22歩成33金

先手が失敗したようなのですが、83角成同飛28飛

この図の評価値は+428の先手有利なのです。普通に指すと先手は角VS桂香+と金の駒得になりますから、後手は27歩から暴れるのでしょうが、無理な攻めのようです。

ということで後手は升田式石田流にできるけれど、それ以上を望むと破綻するようなのです。9筋の位を取られての升田式石田流というのもパッとしません。

 

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第257回名南将棋大会(壱)結果速報

2024-08-24 | 名将会

本日は第257回名南将棋大会(壱)を開催しました。各クラスとも一人優勝。でも3勝1敗が一人だったというラッキーな方もいらっしゃいます。結果速報です。

A級優勝

村山周平さん

B級優勝

丹羽拓郎さん

C級優勝

森七郎さん

D級優勝

森巌さん

E級優勝

中山賢さん

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様、ありがとうございました。

 

トーナメント表の画像です。

 

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SS2-13 32飛戦法(12)

2024-08-24 | 基本定跡の研究

初手から76歩32飛に96歩94歩

先手は9筋の突き合いの工夫をして、26歩62玉25歩34歩

22角成同銀65角74角

43角成47角成に48飛ではなくて、58金右74馬95歩

端攻めでどうか。後手は取れなければじり貧なので、95同歩92歩同香91飛

両取りをかけられました。でも84歩81飛成72銀があって、でもでも75歩。

65馬には84飛成、83馬には同飛成同銀65角です。取り合いしかないでしょう。81銀74歩同歩

長岡先生は後手優勢と書いているのですが、評価値は+435の先手有利です。狭いところですが83角があるというのが理由のようで、33角には77桂打で受かります。71飛が難しい受けに見えますが、24歩同歩同飛23銀26飛 (28飛でも良い)

44角には46飛43歩24歩同銀44飛同歩65角

これで74角成を見て先手優勢だというのが一例です。先手の駒得だし、後手は持ち駒の飛をうまく使えません。

さらには58金右74馬を入れないで95歩もあって

95同歩92歩同香91飛

今度は84歩81飛成72銀とされても先手の竜は殺されません。69馬同玉82金として

後手は粘るのだそうですが、95香94歩同香93歩

93同香成同桂48飛43歩94歩

85桂93歩成72銀

竜は捕獲されるのですが、93歩成81金同竜同銀83と

この図の評価値は+708.長岡先生も「先手優勢」だと。と金が大きいです。

端を突き合っていなくても、馬を作り合って58金右は後手にとって厄介でした。端を突き合うとさらに悪いようで、後手は回避せねばなりません。

 

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SS2-13 32飛戦法(11)

2024-08-23 | 基本定跡の研究

初手から76歩32飛に96歩94歩

9筋の突き合いの工夫、もっと続きがあります。26歩62玉25歩34歩

22角成同銀65角74角

43角成を選んで、47角成48飛

46歩47飛同歩成65角42飛同馬同金47角

という手順で進むのでしたね。ここで33角が好手で後手良しだとしていたのですが、端の突き合いがあると話は変わります。97香

香を逃げる手があるのです。「丸山ワクチン」でも出てくる手筋です。99角成78銀72玉 (72銀はちょっと危ない) 58金右33馬

長岡先生は難解だと書いてあります。AIによると、95歩同歩92歩同香91飛93飛 (ここまでの手順は58金右33馬とする前の形で本にも書いてある) 94歩

94同飛83角成同玉81飛成82歩77銀96歩86銀

先手は駒損で強攻し、後手がそれをしのげるかという戦いで、評価値はわずかにプラスかというところです。

(ここまで速足だったのは) さてそれよりも

AIによると、99角成とするよりも99飛78銀88馬のほうが

厳しい攻めです。この図の評価値は-252の後手良し。少し変化を書くと、(65角成には89馬同銀同飛成のほうが良いようです。) 83角成には98飛成48飛33銀65馬78馬

78同金89竜68玉88銀75馬27桂

これで香を取って77香というねらいです。

また途中で

78同飛のほうは、89竜21馬47桂

68玉39桂成同金88銀

香取りと77銀打を見るという感じです。調べれば他の変化もあるのですが、この図を知っていれば

馬を作られるだけでは済まないとわかりますから、先手が選ぶべき変化ではないとわかるでしょう。

 

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