名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS4-8 ノーマル中飛車穴熊に銀冠(2)

2024-10-31 | 基本定跡の研究

先手が66歩を突かないで88玉とすると

64銀 (66銀が無難だけど) 66歩55歩

後手が中央を制圧することになるでしょうか? 67金56歩同銀55歩65銀

65同銀同歩42金78金72銀68銀43金86角

この図の評価値は+306の先手有利。矢倉先生は後手が不満だと書いています。

戻って

53銀と屈伸して、75歩72銀78銀64歩76銀54銀

この図の評価値は+226、先手の作戦勝ちですが、もとからと思えば、矢倉先生の言うとおりに一局の将棋です。

また戻って

53銀に86角となれば

後手は銀を追い返せません。72銀78銀42金36歩43金58飛45歩37桂

この図の評価値は+265、少し上がっていて、矢倉先生も先手良しとしています。

また戻って

42金を最善としていて、78金72銀68角

65銀同歩45歩66銀56歩58歩

55歩では57銀でつぶれるので、58歩と謝ったのですが、この図の評価値は0近辺の互角です。先手の作戦負けでしょう。

ということで、矢倉先生の結論は後手がよくなるから、88玉は疑問手となるのですが、

また戻って

AIに聞くと、42金には24歩だと。

24同歩は22歩同角24飛32金の形になるから、24同角のほうが優ります。64銀同歩68角

56歩24角同歩58歩

結局後手は33銀か33角と投入することになりそう。この図の評価値は+226、先手の作戦勝ちは変わりません。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS4-8 ノーマル中飛車穴熊に銀冠(1)

2024-10-30 | 基本定跡の研究

ノーマル中飛車は居飛車穴熊にてこずっていたわけですが、所司先生の「東大将棋中飛車道場4」には64銀型が載っています。でも矢倉規広先生の「対居飛車穴熊最終兵器矢倉流中飛車の極意」のほうが新しいので、こちらを先に検討します。主に相穴熊になるのですが、その場合に居飛車が左美濃~銀冠で対抗する指し方があり、先に項目を改めて検討しておきます。

序盤の手順は省略しても良いでしょうか。

先手が77角として、穴熊のような持久戦を目指すよ、としたときに、後手は53銀とします。早すぎると居飛車が急戦で攻めるかもしれません。さて先手が居飛車穴熊にするならば、66銀と対抗することが多いのですが、58金右の形なので、66歩を突いて受けます。後手は92香

相穴熊もあるのですが、88玉91玉78銀

先手は左美濃へ。振り飛車穴熊に対しては有効な指し方です。( 後手が美濃囲いなどの場合は作戦負けになりやすい。) 振り飛車の3枚穴熊よりは4枚銀冠のほうが堅く、上部に手厚いのです。プロの対戦でも居飛車が勝ちやすいと聞いています。

ここで55歩同歩64銀

歩を突き捨ててから銀を出る方が筋というものです。64銀67金55歩65歩・・・という反撃策を消していますから。67金55銀56歩64銀

86歩82銀87銀71金78金74歩96歩51金36歩61金左

これくらいが組上がりで、評価値は+207、先手の作戦勝ちです。先手は95歩や85歩と突いておきたくはあるのですが、35歩同歩38飛は自然な攻めです。後手も75歩同歩72飛と対抗して

35飛75飛同飛同銀

この図の評価値は+104、手番なのでまだ先手ペースなのかもしれませんが、評価値は下がってしまいます。

戻って

矢倉先生の解説では、59角36歩74歩

なんだか怪しげな手順ですね。作戦勝ちの先手の指し方ではないです。74同飛76歩75歩24歩同角36飛33桂

この図の評価値は-234、矢倉先生は後手ペースとしていますが、それ以上でしょう。

また戻って

先手としては95歩などと待っていても良いのですが、AIに聞くと強く65歩、76歩には同金

75銀同金同飛76歩

65飛には66銀64飛65銀打・・・飛を捕獲できます。74飛に35飛72金左37桂

45歩33角成同桂同飛成44角

44同竜同飛55角

この図の評価値は+215の先手良しです。先手の駒得で、後手の44飛を抑えつつ (34飛には43角など) 、11角成から馬を引き付けるのが大きな手です。人間的には金銀交換がちょっと不安な指し方ですが。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS4-7 ノーマル中飛車に居飛車穴熊(10)

2024-10-29 | 基本定跡の研究

所司先生は軽く触れているだけですが、

後手が32金ではなくて42金とするのが良い手なのです。36歩53金左59角54金

左金を前に出して中央を守ります。16歩14歩26角42角46歩84歩37桂33桂29飛

これで一局だとされていますが、評価値は+64しかありません。45歩のねらいだけではだめでしょう。先手の作戦負けだと思います。

戻って

36歩53金左に35歩

31飛34歩同銀46銀・・・で一局だとされているのですが、AIに聞くと35同歩46銀95歩

95同歩45歩57銀 (35銀では危ない) 97歩同香85桂

この図の評価値は0近辺の互角です。86角97桂成同銀84香58角55歩

88金56歩同銀44金

ここまで進んでも評価値は+67、互角です。

また戻って

36歩53金左38飛54金35歩同歩同飛

42角38飛65歩

所司先生は先手不満だとされていますが、評価値は+254で悪くはありません。後手としては

ここから92香68角91飛

端を攻めるというけん制で、46歩42角34歩51飛86歩

細かい動きで駒組が続くことになり、評価値は+230、先手の作戦勝ちのような、膠着したような。

もう風車から離れているのですが、後手にとっては左金を繰り出すのが唯一互角で戦える形だろうと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS4-7 ノーマル中飛車に居飛車穴熊(9)

2024-10-28 | 基本定跡の研究

後手としては守り切ることが難しいので

もっと積極的に5筋の歩を交換しておいたらどうか。先手に67金とされる前がタイミングです。1手遅れると56銀51飛58飛と反撃されるから。55同歩同飛67金51飛

先手は56歩を打っておくかどうかですが、打たない場合の (多分) 実戦例で、36歩94歩59角 (端は受けておくほうが良いが) 95歩46歩65歩、と進むのですが、AIに聞くとこの65歩は疑問手のようで、86角

とするのがカウンターです。この図の評価値は+322の先手有利。65歩~64歩が入ると桂頭を攻められて後手が苦しいので、66歩同銀65歩57銀42角というのが対応策ですが、同角成同金86角

また64歩をねらい、64角同角銀銀24歩。

39角27飛を入れても、24歩に同飛として

57角成が成立せず、評価値は+427の先手有利です。

後手としては65歩を突かなければ互角です。

戻って

先手は56歩を打つ方が普通でしょうか。94歩96歩32金36歩

また右46銀で攻められないように45歩、59角84歩26角

先手は角を転回しました。54銀左37桂~48飛は先手が指しやすく、後手は44角とぶつけるのですが、同角同銀に68銀と引いておけば

評価値は+224で先手ペースを維持できます。

角交換を避けると37角33桂68銀

この図の評価値は+121、もう互角です。後手としては何もしないで待っているのが良いのですが、解説にある55歩同歩同角というのは疑問手です。55同角同飛に

56歩ではなくて、35歩同歩34歩同銀24歩

これで後手は収拾がつきません。24同歩同飛 (23銀には44飛なので) 23金26飛

56飛とぶつける手がありますね。評価値は+725の先手有利です。

後手としては角交換有利というわけにはいかず、ちょっとだけ (5筋の歩を切った) 手を出して、あとは様子を見るのが良いようです。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS4-7 ノーマル中飛車に居飛車穴熊(8)

2024-10-27 | 基本定跡の研究

後手が守りに専念するためには、端に手をかけていてはいけません。94歩~95歩の代わりに、51飛~42角

68角33金46銀31飛35歩32飛

ここまで受ければつぶされません。34歩同金38飛33金、先手は攻め続けられないので86角のけん制くらい。

84歩78金94歩96歩34金

後手陣にちょっと隙ができたので、先手は65歩と攻めます。85歩77角65歩55歩86歩

こんな展開です。86同歩には95歩同歩85歩と攻めることができるので、互角に近いと思うのですが、この図の評価値は+437の先手有利です。後手玉が薄すぎるのでしょう。

結局は風車の守備陣形も棋勢を好転することができません。ならば積極的に動いたらどうか、というのは明日調べます。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS4-7 ノーマル中飛車に居飛車穴熊(7)

2024-10-26 | 基本定跡の研究

先手が角を引いた図で

評価値はすでに先手良し、作戦勝ちでした。昨日書いたように、16歩~35歩同歩46銀でも良いのですが、46銀42角35歩

先に突き捨てないならば、16歩は必要ありません。33金34歩同金35銀

35同金ならば同角31飛36歩

ここで33銀と打てば長いですが、先手に不満はありません。角を引いてどう攻めるか考えるだけです。普通の応手は34飛で、この時に22金

こんな金が最善手だというのに驚きます。33桂11金

この図の評価値は+550の先手有利。13角成があるので後手は何か動かねばならないのですが、45桂46歩37桂成同桂15角26桂

35飛同歩36歩41飛

37歩成78飛61角34桂

こんなところでしょうか。もちろん先手有利です。11金が遊んでいますが、後手から攻める手がありません。

途中の変化としては

金銀交換せずに45金とかわす手です。24歩同歩33歩

24飛を防ぐには33角しかないですが、24銀42角22歩33桂23銀成

ぼんやり銀を成るだけですが、評価値は+595の先手有利です。24角~33成銀を受けにくいし、歩をもらえば34歩同銀32成銀もあります。

32金の形は守備力が高いと思い込んでいましたが、角交換できない形なので、後手はもっと守りに手をかけないといけないようです。9筋の位を取っている場合ではありませんでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS4-7 ノーマル中飛車に居飛車穴熊(6)

2024-10-25 | 基本定跡の研究

次は68角と引く手。これが本命です。

16歩42角35歩

先に歩を突き捨てて攻めてみます。35同歩は46銀36歩26飛33金

16歩を突いていないと15角があったところでした。さて所司先生はこれで一局だとしか書いていないのですが、その先を調べてみましょう。35銀55歩、55同歩としても良いのですが、24歩

24同歩同銀56歩33銀成同角78金打。

この図の評価値は+482で先手有利です。58銀には56金同飛21飛成、22歩ならば36飛。穴熊が堅いので好きなように攻めることができるでしょう。

戻って

35同歩ではなくて、33金34歩同金46銀31飛

飛も使って受けられる方が難しく見えます。38飛53角55歩

45歩と突かれても、45同銀同金31飛成同角41飛

銀を捨てても駒損は取り返せます。

戻って

55同歩同銀54歩46銀84歩

所司先生の解説では、24歩同歩23歩32飛35銀・・・としているのですが、23歩ではなくて22歩とすれば

33桂に21歩成同飛35歩

金をどちらに逃げても歩を突き出していくだけです。この図の評価値は+687の先手有利。

実は68角と引いた最初の図で

評価値は+291もあるのです。後手が互角に持っていくのはかなり難しいと言えるでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS4-7 ノーマル中飛車に居飛車穴熊(5)

2024-10-24 | 基本定跡の研究

この図で

75歩からの攻めがねらいでした。受けるのは84歩で、75歩同歩86銀には85歩

75銀74歩84銀81飛

銀は死ぬので7筋の攻めは失敗です。

戻って

46角45歩68角

先手は角を移動します。21飛ならば45歩同歩同角53角

1歩持ったので、15歩同歩13歩41飛15香

端が破れます。解説では52銀左47歩96歩同歩97歩・・・後手は端攻めで勝負しているのですが、ちゃんと対応すれば先手有利です。AIに聞くと、「敵の打ちたいところに打て」で後手から47歩を打ち、12歩成52銀左

13角成12香同馬48歩成

この図の評価値は-78、互角の範囲ながら、先手としては不満です。

戻って

ここは78飛とするのが良く、85歩に75歩同歩76歩

1歩は7筋に使うのが正解のようです。この図の評価値は+155の先手ペース。

もっと戻って

後手は21飛ではつまらなかったので、別の手を探します。5筋の歩を切るよりは、53角24歩同歩同飛44角

角を移動して55歩同歩同角をねらう方が優ります。この図の評価値は+58の互角。先手としてはつまらないです。

元のこの図から

59角~37角と使う (さらに右銀を移動する) のは手数がかかり、破壊力があるわけではないのでつまらない指し方のようです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS4-7 ノーマル中飛車に居飛車穴熊(4)

2024-10-23 | 基本定跡の研究

次は風車の形です。伊藤果先生や大内延介先生が使っていましたが、今は見かけないですね。

後手は美濃囲いにしないので、62銀を急ぎます。ここまでの手順は前後してもよいですから、飛ばして大丈夫でしょうか。88玉64歩98香74歩99玉63銀88銀62金25歩33角79金73桂66歩

73桂を跳ねて66歩と止めさせる。後手は82玉~72金の形もあるのですが、どうせ薄いのですからあまり変わらないでしょう。ここから分岐ですが、94歩67金95歩36歩32金

後手は端の位を取りました。あとで端攻めを見ています。先手の穴熊は、右金を78に持っていくなどと固めるよりも、67において中央を厚くしておくのが良いです。さて先手は攻めの形を作るのですが、59角から見ていきましょう。対して後手が45歩を突くのは

すぐに37桂もありますし、26角55歩37桂

カウンターで角桂を使えれば良い感触です。44銀55歩同銀45桂44角37角

角交換しても構わないですが。56歩に53歩42飛56銀

強く反撃して先手優勢。評価値は+1600もあります。

戻って

59角には51飛37角

作戦負けの後手からは動かないほうが良いです。先手は角を移動して、42角68銀33桂77銀

これは玉を固めたという意味ではなく、21飛ならば75歩同歩86銀74銀78飛

7筋から攻めるという意味合いです。解説では63金75銀同銀同飛74歩78飛24歩に、65歩同歩66歩

金も使って攻める順が書いてあるのですが、この図は75銀と打たれて難しいようです。評価値は+61しかありません。AIに聞くと、65歩ではなく55歩同歩同角だと。

先手の攻め筋を見るために、後手が素直に応じた場合を書きますが、25歩に65歩同歩64歩

64同金には同角同角74飛です。64同角同角同金35歩

35同歩には34歩同銀74飛同金52角

とりあえず先手のねらい筋はわかりました。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SS4-7 ノーマル中飛車に居飛車穴熊(3)

2024-10-22 | 基本定跡の研究

後手は54銀としないで44角と工夫してみます。

79金33桂に86角がけん制の手です。

後手としては21飛から2筋逆襲がねらいの筋なのですが、所司先生は (多分実戦例) 46歩同歩45歩を解説しています。でもAIに聞くと55角

が厄介で、56銀64角77角54銀

この図の評価値は +155、先手ペースですが、評価値を下げています。

なので

21飛には56銀が良いのだと。24歩同歩

26歩68角は後手の攻めがありません。25歩 (68角には35歩) 36歩24飛58飛

55銀からの攻めを見て先手有利、評価値は+572あります。

戻って

84歩から角を追うのは、解説では56歩としているのですが、65歩のほうが良いようです。85歩68角83銀96歩94歩66銀72金56歩

きれいに位を取って先手の作戦勝ち、評価値は+440もあって、すでに先手有利の範囲です。

また戻って

53角のぶつけには68角

54銀の時に分岐ですが、24歩同歩同飛43銀

後手が手損をして難しいということはありません。36歩に23歩28飛64角

46歩同歩65歩55角46銀

46銀のところで、56歩88角成同金47歩成は後手有利という解説だったのですが、この図の評価値は+642の先手有利です。

戻って

54銀に56銀44角を入れてから24歩同歩同飛もあります。

55歩65銀同銀同歩56歩

この図はちょっと難しく見えるのですが、52歩同金34飛

71角54飛28歩41銀

43銀の受けには52飛成から攻めれば、同飛同銀成同銀51飛と攻めが続きます。53金が最善で、同飛成同飛32銀不成

飛と金金の二枚替え。58銀66金57歩成86角

所司先生は難解だとしていますが、評価値は+1221で先手優勢です。

もう少し細かい変化も書いてあるのですが、先手が間違えなければ簡単に有利になります。穴熊の中盤では、ちょっと大胆な感覚が身についていれば良いようですね。手堅く指していると難しくしてしまいそうです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする